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広島市は中華麺を使ったご当地グルメが多い説

結論

  • 汁なし担々麵、つけ麺、お好み焼きは独自に進化した。

  • 汁なし担々麵は、本場四川から持ち込み、日本人の味覚に合うように若干アレンジを加えた。

  • つけ麺は、冷やし中華のタレ+ラー油を組み合わせたつけ汁にゆでてから冷やしたストレート麵をつけて食べる。

  • 広島式のお好み焼きは、蒸しと焼きを両立したハイブリッドなお好み焼き。


広島県で知名度のあるラーメンと言えば、尾道ラーメンだと思います。牡蠣の養殖は日本一の出荷量を誇り、冬の今が特に美味しいです。味噌だれを土鍋の周りに塗り、火を入れると、徐々に香ばしくなる土手鍋も広島県の名物料理です。

しかし、広島県のご当地グルメは、尾道ラーメン、牡蠣の土手鍋だけではありません。広島県の県庁所在地で、中国地方最大の都市の広島市には、中華麺を使ったご当地グルメが多いです。

今回は、広島市のご当地グルメ、「広島汁なし担々麺」、「広島つけ麵」、「広島式お好み焼き」を紹介します。

広島汁なし担々麺

汁なし担々麺は、本場、四川の担々麺に近いです。よく混ぜてから食べます。中国の花椒だけではなく、日本の山椒でしびれ、香りを出すお店もあります。辛味、しびれだけではなく、旨味も感じられます。

山椒の香り、しびれが中毒性をもたらし、また食べたくなります。食べた瞬間、クアラルンプールに住んでいた頃のアパートの近くで営んでいた中華料理店の担々麺を思い出し、懐かしく感じました。

広島市の武蔵坊で食べた担々麵
クアラルンプール滞在時に食べた担々麺

広島の汁なし担々麵が登場したのは、意外と最近。1999年、広島市中区でオープンした「きらく」。元々は普通のラーメン屋でした。しかし、お客さんが来なかったため、店主が四川へ修行に行き、持ち帰ったレシピを日本の醤油、味噌などを入れるなど、日本人の口に合うようにアレンジした結果、広島汁なし担担麺が誕生しました。くにまつ、キング軒が有名です。

広島つけ麺

つけ麺といえば、豚骨、鶏ガラをベースにした濃厚なスープ、太く、コシのつよい麺が合わさった料理のイメージがあります。しかし、広島で提供されているつけ麺は、ヒリヒリするほど辛く、さっぱり食べられます。ラー油を足した冷やし中華のようなつけ麺です。有名なお店は、ばくだん屋です。お土産でも購入できます。

1954年、広島市で創業した中華料理店「新華園」の冷麺が発祥とされています。冷麺は、一味唐辛子、ごま油、酢を混ぜた、辛くて冷たいダシに麺をつけて食べる料理です。1980年代後半から「広島つけ麺」として専門店も登場しました。

水面をフタのように覆ったゴマ、真っ赤なラー油。細いストレート麺に、トッピングのネギ、キャベツ、キュウリ、チャーシュー、ゆでたまごが特徴です。つけ汁は、酸味と辛味の効いたさっぱり醤油ベースです。ヒリヒリするだけではなく、魚の旨味も感じられます。東北地方や岐阜県高山市には、ざるラーメンというものもあります。ざるラーメンをベースに、麺を細めのストレート麺に変更したり、つゆに辛味と酸味を足して独特のスタイルに変化したと考えられます。

広島のお好み焼き

広島のお好み焼きにも中華麺が入ります。戦後の食糧難でも、おなかいっぱいに食事を楽しむ工夫がきっかけとなり誕生しました。当時、安価に手に入ったキャベツ、焼きそばの麺を使って、ボリュームを出しました。

クレープのように円形に薄く伸ばして焼いた生地の上に、千切りキャベツ、豚肉、海鮮などのトッピング、天かすをのせてひっくり返し、蒸し焼きにします。
円形にまとめて表面をパリッと焼いた中華麺、薄く円形に伸ばして焼いた玉子を蒸し焼きにした生地に乗せて、もう一度ひっくり返します。
広島のお好み焼きに欠かせないオタフクソースを塗り、青のりをかけ、小さなヘラで一口大に切り分けて食べます。

エスコンフィールドHOKKAIDOで広島式お好み焼きを食べる

広島のお好み焼きについて、こちらの記事に詳しく書きましたので、ぜひ、お読みください。

中華麺の消費量を見ると、広島市は他の県庁所在地と比較しても、ずば抜けて多いわけではありません。

しかし、元々あった冷やし中華、四川の担々麺を参考にアレンジを加えて誕生したり、手に入るもので工夫して創ったり、創作から誕生したと言えます。

どれも美味しいので、広島に来たときはカキだけではなく、つけ麺、担々麺、お好み焼きにも注目してください。

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