振り返る(幼少期、主役)|HSS型HSPから見える世界 #5

どうして、こんな事に。。。
僕は幼稚園児にして、人生最大のヤラカシをしたかも知れない。

ここは幼稚園の体育館。
全生徒と先生に加えて、父兄の皆さん。少なくとも100人を超える人々の眼差しが、壇上の僕に向けられている。
今まさに、演劇会が始まろうとしているのだ。

演目は、日本では比較的有名な、浜辺で偶然に爬虫綱カメ目を助けた太郎が、お礼としてハーレム接待でウハウハした後に村に帰って来てタイムトリップするという、今流行り設定の物語。

僕はなぜ、その主役を演じているのか?
分からない。
覚えているのは、先生が「演劇会をやりまーす」、「配役を決めましょう」と言い出したところまで。
興味がわかない僕はノートにお絵描きで忙しかったと思う。
いつの間にか、生返事をして役が決まってしまったのだ。

壇上で、僕はセリフを喋りだす。
なぜだか妙に落ち着いているのがわかる。
観客席から僕の写真を撮っている父親にも気付く。
余裕がある。
鼓動も静か。
まるで海の底で演技しているかのように静かだ。

数分後、
無事に演技を終えて、第二幕の役者と交代し、舞台袖に下がる。
途端、急激に疲労が込み上げてくる。
やはり無理して演じていたのだろう。
その日その後の記憶がぼんやりしている。
親にも、先生にも褒められた。
でも、喜ぶ元気はもう無かった。


ーーーーー

失敗の原因は、1つのことに夢中になり過ぎること。
夢中になると周りの情報が入ってこない。
実に危険である。

しかし、一度決めたら、後はなんとかなる。
セリフは覚えるし、共演者と調和もとるし、緊張で潰れることもない。
素地は弱くないのだろう。
多くの人の目に晒されるにしても、演劇会のように好意の目が向けられる場面では、極端に疲弊しない。
でも、できれば避けて通りたいイベントである。

この教訓は、後に活かされることになる。


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