守備はめちゃめちゃ大事

大学まで野球をやってきて学んだことは、守備がいかに大事かということ。打撃には不調はあるが、守備には不調がないと言われるように、チームの勝利を求めるならば高い守備力が必須ではないか。特に高校野球のトーナメントや、大学のリーグ戦のように短期で争う形式のフィールドであれば、特に守備の安定性が必要だと感じる。

私が大学一年で入学した時の四年生に守備がズバ抜けて上手い先輩がいた。彼は練習が終わると、どんなに疲れていてもノックを受けていた。練習の終了時間がどんなに遅くても、どんなに暗くても、必ずノックを受けて帰っていた。一年生の時から試合に出ていたような選手でも、「ここまでやるのか」と感じたのが正直な気持ちだった。おそらくこの先輩は、短期戦における守備の重要性を学年を重ねるごとに強く感じていたのではないかと思う。この素晴らしい選手は、四年時のリーグ戦をノーエラーで終えていた。

いかにディフェンスが大事か、場面ごとの得点率(下に掲載)を参考にすればよく見えてくる。私は、得点確率について詳しく調べる機会がなかったので非常に面白いデータだった。
まず「先頭打者」を抑えることがディフェンスにおいて基本中の基本だということがよくわかる。無死一塁の得点率が40.6%というのは恐ろしい数字だ。「先頭抑えろ」とよく言われる理由がわかった気がする。つまり、野手は先頭打者を死に物狂いでアウトにするべきなのである。
先頭打者に限った話ではない。例として無死一塁を挙げる。内野ゴロでゲッツーをとり、二死走者無しを作り出し6.0%を作れるのか。エラーによって無死一二塁の60.4%のピンチを招くのか。二塁でアウトに出来たが、無理に一塁に投げて暴投となり、再び一死二塁の39.6%のプレッシャーを再び浴びるか。このように場面ごとの得点率が頭に入っていると、状況に応じて適切なプレーを選択することができるのではないかと思う。

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また、私は二遊間を守っていたので内野手目線から言うと、無死または一死一三塁の守備が一番難しい。勝っているのか、負けているのか、打者のタイプなどさまざまな情報をもとに守備シフトを敷くので、かなり頭を使う場面だ。そして、打球の強さと方向、三塁ランナーの動きを見て本塁に送球するか、二塁に送球するかを決めなければならない。この辺りの詳しい話は別の記事で書いていきたい。それに加え、無死一三塁の得点率は83.1%、一死一三塁の得点率は63.6%といずれも高い。したがって、局面によって選ぶプレーは変わってくるので、決断したプレーを完璧に実行できる守備技術が必要になるのだ。


まとめ
このように、「守備」を一括りにすると、捕って投げるだけでなく、「頭」が必要になる。多くの選手は捕って投げるに限れば簡単にこなせる人が多いのではないかと思う。しかしながら、適切な選択をしなければならない場面になると、その選手のレベルが露呈されることになる。私が言いたいのは、守備は準備1つで大きく変わるということだ。あの先輩のように完璧を目指して、試合への準備をするのももちろんのこと、試合中でのプレーの想定と状況判断も勝利を手繰り寄せる大きな鍵になるのだ。

参考
(状況別得点確率)
http://georgia-yarou.hatenablog.com/entry/2017/05/06/143324

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