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真冬の北海道で、一生忘れられない熱いセットリストに出会った話

こんにちは。2023年が始まりました。

昨年は新潟で初めての住み込みバイトにチャレンジした私、今年は新年早々、北海道の農家さんで6日間泊まり込みのお手伝いに行ってきました。人生初・真冬の北海道です。

お仕事は主に干し芋加工ですが、今日はお仕事とは直接関係のない音楽の話について書こうと思います。

ヤスさんとの出会い

少し長くなりますが、まずは前置きから。長ったらしい方はYouTubeの埋め込みが出てくるまで読み飛ばして下さい✈

今回の旅で一番印象的だったのが、ヤスさんとの出会いです。
ヤスさんは私がお世話になっていた農場の社員さんで、とっても情に熱く、思いやりがあるイケてるお兄ちゃん。年齢は30代後半で、2児のパパでもあります。

私達は6日間、加工場近くの寮でアルバイト仲間と共同生活をしていて、ヤスさんも家庭の事情でしばらく私達と同じ寮に住んでおられました。(細かい事情はヤスさんのプライバシーに関わるので控えますね。)

毎日17時に仕事が終わると、みんなで寮に帰り、食事の準備をします。
そしてご飯ができたら、ヤスさんも交えてみんなで食卓を囲む。

この時間が、ほんっとうに楽しかったです。
全くの初対面同士が、お互いを知るために色々聞き合い、話し合う。
時には普段人に話さないような悩みも自然に出てきます。

特にヤスさんは、いま自分が経験している辛いこと、過去に苦しんできたことを私達に包み隠さず話してくれ、おかげで私達も自分を開けるようになっていきました。

そして何と言ってもすごいのが、ヤスさんの人を笑わせる力
真面目な話が一旦落ち着くと、ヤスさんは決まって、底抜けに明るい話で私達をお腹の底から笑わせてくれました。
「スベらない話していい?」と言って、本当にスベらない人は初めてです(笑)。

常に周りの人を笑わせることを考えていて、お洒落が好きで、情に熱くて、でもちょっぴり弱気で、みんなから愛されるヤスさん。
ヤスさんのおかげで、6日間の北海道生活は本当に濃いものになりました。

正直1ヵ月でも2ヵ月でも続けていたい気持ちではありましたが、私たちの滞在期間は6日間。時間が限られているからこそ、私たちは急ピッチで仲良くなっていきました。

そして、アルバイト最終日の夜、寂しさを隠せない私達を前に、ヤスさんは徐ろにギターを取り出し、寮のリビングで弾き語りライブを開いてくれました。

お別れの代わりに、歌声で。
ヤスさんの優しい歌声とギターの音色を聴きながら、楽しかった6日間を振り返る時間は、本当に忘れられないものになりました。

そのときの曲が、本当に、ヤスさんをそのまま表したような、素敵なセットリストだったので、紹介しようと思います。

世代ドンピシャの方にも、曲を聴いたことのない方にも、きっと響く曲たち。
本当はヤスさんの歌声も一緒に届けたいですが、それはできないので(笑)。
あなたにとっての大事な曲との出会い、あるいは再会があれば幸いです。

それでは、れっつごー。


♪たとえばぼくが死んだら / 森田童子 

ポロポロンと始まった一曲目は、「たとえばぼくが死んだら」。
原曲は森田童子さんで、1993年のドラマ「高校教師」の映画版主題歌にも起用されたそうです

95年には北海道発のスリーピースバンドeastern youthのカバーでロック調になり、さらにそれをナンバーガールの向井さんが弾き語りアレンジで演奏されています。

”たとえば ぼくが死んだら
そっと忘れてほしい” 

"淋しい時は ぼくの好きな
菜の花畑で泣いてくれ"

原曲はかなり暗いですが、何とも言えない優しさと温もりを感じる魅力的な曲。
年を経て、色々な方がカバーを重ねるのも納得な気がします。

「今からすごく良い時間が始まる気がする」と予感しながら、この曲を最初に持ってきたヤスさんの感性にワクワクしました。

原曲もカバーも弾き語りもYouTubeに載っているので、良ければ探してみてください。

♪ラブレター / THE BLUE HEARTS

2曲目はヤスさんにとって大事なバンド、ブルーハーツの曲。ドンピシャの世代ではない私も、この曲は聞き馴染みがあります。

ヤンチャしていたというヤスさんの青春時代ど真ん中ソングを、大人になった今、弾き語りで私達が聴いている。
ヤスさんの包み込むような優しさが、身体の芯にスッと入ってくるような不思議な感覚でした。

ギターも歌い方も、他の曲と比べて一番ヤスさんに馴染んでいるのが伝わってきて、大事な曲なのが私にも分かりました。

世代に関係なく、心打たれる。
じっと、聞き入ってしまう。
改めて、ブルーハーツ良いな、かっこいいな、と思ったのでした。

♪春一番 / キャンディーズ 

ジャカジャカ元気な曲が始まった!と思ったら、まさかのキャンディーズの春一番でした。

原曲はゆったりと色っぽい感じですが、ゆずのアレンジでは疾走感あるロック調になっています。原曲の持つ哀愁とスピード感のバランスが絶妙なマッチング。これはライブで聴いたら盛り上がるだろうなぁ…。

キャンディーズの原曲は親の影響で何度も何度も聴いていましたが、アップテンポなアレンジで全く違う表情になった春一番。ヤスさんのおかげでさらに特別な曲になりました。

まだまだ寒い北海道にも、数カ月後には暖かい春が来るのでしょう🌸


♪あなたに/ MONGOL800

続いては、言わずと知れたモンパチの名曲です。

"人にやさしくされた時
自分の小ささを知りました"

歌い出しのこの歌詞が大好きなんだよなぁ…。

きっと誰もが経験する、自分の弱さと向き合う葛藤、そしてその中で愛する人を真っ直ぐに想う気持ち。

色々な悩みを抱えながらも、奥さんと2人の子供を大切に想うヤスさんの優しさ、真っ直ぐな人柄が染み渡ってくるようでした。

数ある曲の中から、この曲を選んだんだなぁ。素敵だなぁ。なんて考えながら、暖かい気持ちに浸ります。

♪銀河鉄道の夜 / GOING STEADY

寮でのヤスさん特別ライブも終盤にさしかかり、始まったのはGOING STEADY「銀河鉄道の夜」。
ボーカルの峯田和伸さんが作詞作曲され、GOING STEADYの解散後には後継バンド・銀杏BOYZのアルバムにも収録されています。

「日々ひび割れ柿ノ実」「噛むカムチャッカのガム」など、韻を踏んだ歌詞が曲を転がし、唯一無二の力を持つこの曲。

赤レンガ煙突の上
ガイコツが踊ってる

ハロー 今君に素晴らしい 世界が見えますか

なんだかわからないけれど、とても惹かれる。
安心する。
「これでいいんだ」って思える。

独りぼっちで、不安で、誰にも気づいてもらえないような孤独と闘う人たちの背中を、数えきれないほど押してきたんだろうなぁと。

一つ一つの歌詞の言葉選びが繊細で、秀逸で、ものすごくかっこいい。

ヤスさんの優しい声を辿ってくる音色を味わう時間が、幸せで、心の奥底から何かが溢れそうで、一人、こっそり涙を堪えていたのは秘密です。

ヤスさん、良い曲を教えてくれてありがとう。

♪こいのうた / GO!GO!7188

気が付けば夜も更け、ヤスさんの弾き語りライブもいよいよ最後の曲へ。
最後にヤスさんが選んだのは、「こいのうた」です。

MONGOL800によるカバーが有名ですが、元々はGO!GO!7188という女性ボーカルのスリーピースロックバンドの曲。

切ない片思いをストレートに綴った歌詞が胸に響き、その場にいた3人全員が、身を乗り出して「良い曲…!」と呟いていました。

原曲のストレートな感じも良いですが、ヤスさんの人生を含んだ歌声で聴くと、また違う深みがあって釘付けになりました。

また逢う日まで

「新潟の住み込みバイト楽しかったし、今度は北海道行ってみよう」
そんな何気ない気持ちから始まった北海道でのアルバイト生活。
出会えた人も、土地も、本当に素敵でかけがえのないものでした。

この楽しかった思い出は、時間が経つと薄れていってしまうかもしれない。

でも、この曲たちを聴いたら、少なくとも私は、2023年の真冬の北海道での特別な6日間を思い出すでしょう。

ヤスさんが、思い出と共に贈ってくれたこの曲たちを大事にしながら、何か壁にぶつかったときには支えてもらいながら、前に進んでいけたらいいなと思います。

皆さんにとっての、忘れられない曲は何ですか?


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