【小説】強盗に花束を 第2話【創作大賞2023応募作品】
第2話
強盗少年はなにやら他のお客さんと揉めている様だった。
「おい、兄ちゃん。先並んでたん、俺やろ?せやったら俺の方が先行くんが普通なんちゃうんか?」
大きな声に驚いて見ると、さっきの強盗少年が絡まれていた。
強盗少年に何やら罵声を浴びせているのは黒い野球帽にサングラス、そしてマスクをしている男だ。年齢はちょっと分かりづらいが、40代、といったところか。
少年よりよっぽどこっちの人の方が強盗っぽい。
強盗少年も負けじと言い返す。
「俺は間違って並んだんだ。本来