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テニス上達メモ062.テニスは「受け身」で上手くなる!


▶体を「操り人形化」させる

 
すべての動作を、ボールにゆだねるのです。
 
飛んできたボールに対して、体が動くがままに、任せてみる。
 
サーブであっても、落ちてくるトスに対して、体が動くがままに、任せてみる。
 
ボールによって体が「操り人形化」されるイメージです。
 

▶「対応力の高さ」は「受け身の上手さ」

 
テニスは対戦相手から飛んでくるボールを受けるのだから、「受け身」が基本。
 
「対応力の高さ」とは、「受け身の上手さ」です。
 
自分から「腕をどう引く」とか、「ラケット面の角度をどうする」とか、「ヒザを曲げる」とか、一切考えなくていいのです。
 
考えないから、上手くいくのですから。

▶テイクなんぼ?

こんな例を挙げてみましょう。
 
プロテニスプレーヤーであっても、考えながらプレーするとミスします。
 
それが証拠に、たとえばレッスン動画の収録。
 
ビデオカメラが回っていないデモンストレーションでは、球出しの簡単なボールだから平気でノーミスのプレーができるというのに、カメラを回し始める本番になると、球出しの簡単なボールにも関わらず、何回も、何回も、何回も、何回も失敗するから、やり直すというのは、もう当然なんです。
 
全部が全部とは言わないけれど、「テイクなんぼ?」という話です。
 
トップレベルに上り詰めたような人でも、そうなります。
 
それは、ビデオカメラを前にして緊張する、という理由ではまったくなくて、真因は、しゃべる解説内容どおりに「考えながらプレー」しなければならないからなのです。
 
「テイクバックはヒジから引きましょう」とか、「打点は踏み込んだ右足の前です」とか、「左手をボールにかざすといいですよ」とか、とにかく体の動かし方や打ち方やフォームについて解説(意識)しながらプレーするから、収録は深夜にまで及び埒が明きません。

▶買わない馬券を勧めるな!

 
何せ本人たちも自分の試合中には、そんなこと考えながらプレーしたこと、いまだかつて「一切ない」ですからね。
 
自分がやらないことを、他人には勧めようとする矛盾。
 
こんなこと書くとまた怒られますけれども、自分が買わない馬券を他人に勧めるようなもの、といったら言い過ぎだろうか?
 
否。
 
予想屋の勧める馬券はもしかすると「当たる」かもしれないけれど、フォーム指導は100パーセント「ハズレ馬券」。
 
もっと言えば、何となくの思い込みを押し付けている昔の「運動中は水を飲むな!」に近い迷信のようなもの、ではないだろうか?
 
元プロ野球選手の桑田真澄投手はPL時代、喉の渇きに耐えかねて「トイレの水を飲んだ」といいます(しかも蛇口は針金で封じられていて、「便器」からだったという)。

真夏の炎天下にも関わらず「水を飲んだらバテる」などと「指導」されたそうです。

それでは逆に、脱水や熱中症によるパフォーマンスダウンを招いたに違いありません。

▶視聴者が見るのは、「編集」された完成形


「いや、ユーチューブのレッスン動画を視聴しているけれど、失敗なんてしてないんじゃないの!?」
 
そういう声も聞こえてきそうですけれども、それは違います。
 
何回も何回も何回も何回も撮り直して「編集」された完成形だけを視聴者は見ているから、「失敗なんてしていない」という受け止め方になるのです。
  

▶フォーム指導で上手くいった!?


「いや、フォーム指導で上手くいった!」という人がいたとしたら、こちらの記事「テニス上達メモ004.スイングはその『形』よりも、『なめらかさ』『鋭さ』」に、該当しないでしょうか?

そりゃ、何球かに1球は、ナイスショットも飛び出すでしょう。
 
すかさず担当コーチは「それだ!」「それでいい!」などと、その他多数のミスショットは「なかったこと」にして、その1球だけをあげつらう。
 
そのときの雰囲気や気分、評価に誤魔化されるというのは、そういう意味です。
 
よく、ご自身の周りを観察してみてください。
 
私の言っているとおりになっているはずです。
 

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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero