見出し画像

テニス上達メモ464. 「気持ち悪い言葉?」 イチローの記事を読んで自己肯定感は、本当に誤解されやすいと思い知る

今回は、「ヤフーニュース」を見ていて書き下ろした『テニス上達メモ』です。
 
2023/12/21に「デイリー」より配信された、「悩める大人の相談ライブ #イチ問一答という企画に関するトピック。
 
ヤフー版
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7098e14147465db418b458005503285fdaaf098
 
デイリー版
https://www.daily.co.jp/mlb/2023/12/21/0017154069.shtml
 
イチローのこの記事を読んで、自己肯定感とは、本当に誤解されやすい感覚だと思い知る。
 
だれであっても聞いたことがない言葉について、とっさに意見を求められると、自分のなかにあるイメージの範囲内でしか答えられないのは当然です。
 
知識がないのですから、その言葉について、これまで見聞きしてきた印象でしか語れません
 
それは、偉大なアスリートであるイチローだって同じこと。
 
今まで「目にしたことがなかった」という「自己肯定感」について語ってほしいというのは、いくら番組の企画だとしても、無理筋でしょう。
 
それはたとえば、「ジェンダーフリー」という言葉を、私が今日、初めて見たり聞いたりしたとする。
 
直訳すると「性別の自由?」「何か怪しい!」という解釈にもなりかねません。
 
しかし本来の「ジェンダーフリー 」というのは、男性も女性も社会的に意味付けされた性差にとらわれることなく、自分らしく生きていく、という意味合いだと思います。
 
男性だから仕事をすべきとか、女性だから家事育児が優先だとか、決めつけるのではなく、女性でも働きたければ働いていいし、男性でも家事育児を優先したければしていい、という感じでしょうか。
 
知識があれば、「性別の自由?」「何か怪しい!」などという解釈とは、全然違った印象になるかと思います。
 
「自己肯定感」というのは、いつも申し上げているとおり、本当に誤解されやすい感覚です。
 
イチローが即興で答えなければならなかった「明らかにダメなのに否定されない」とか、「自分でもいいことしか振り返らない」とか、「第三者からも指摘されない」とか、そういう解釈とは、全然違うのです。
 
これでは、「自分に甘いのが自己肯定感」という印象……???
 
果たして本当に、そうでしょうか?
 
心理学が定義する本来の自己肯定感とは、「ありのままの自分を大切に思える感覚」
 
なので自分が大切だから、むしろイチローの解釈とは真逆で、悪いところは振り返り、改めようとします
 
「第三者からも指摘されない」のではなく、第三者から指摘されれば、素直に受け入れようとするのが自己肯定感です。
 
むしろ自己否定感が強くなると、「自分なんてどうでもいい!」という、それこそ自分について否定的な感じ方になり、どうでもいいから悪いところを振り返らなくなる
 
「第三者から指摘」されようものなら、自己否定感とプライドの高さとは「完全に正比例」ですから、「自分が否定された!(プライドを傷つけられた!)」という感じ方になり、逆ギレしたりして、むしろイチローの言葉を借りれば「堕落する」のは、自己肯定できる人ではなくて、逆の、自己否定感が強い人なのです。
 
※自己肯定感が高い人は、ともするとプライドも高いと思われがちかもしれませんけれども、「真逆」だから、この複雑に絡み合う印象のせいもあって、余計に誤解を招きやすいのかもしれません。
 
さてここで私は、イチローを、否定したいわけではありません。
 
番組でとっさに、「目にしたことがなかった」という自己肯定感について意見を求められれば、イチローであろうとだれであろうと、そうなるのは当然の反応
 
ややもすれば間違った解釈をする人を、否定しがちではないでしょうか?
 
それが、自己肯定感を低める
 
なぜなら他者否定感と自己否定感とも、「完全に正比例」だからです。
 
私なんかも、フォームを直そうとする常識的なテニス指導を散々否定ばかりするから、その一味かもしれません(苦笑)。
 
一方、自己肯定感の高さと、他者肯定感の高さも、「完全に正比例」
 
ですから本当に自己肯定感の高い人は、「自分のことを嫌っている人」も、自分からは「好き」だったりします(往々にして自分のことを嫌う人を、自分からも嫌いになりがちですけれども)。
 
そしてそういう「受け入れ方」ができると、自己肯定感はますます、いくらでも、高まる
 
そして、だれもが望む「心豊かで幸福な人生」が、そこに、あるのです。
 
追伸
なので私も、フォームを直そうとするテニス指導について、「今は常識だから仕方がない」と、一応は遠目で心配する立場でいるつもりです。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero

無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com

スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero