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『永遠の0』(邦画)

視聴環境:U-NEXT

※ネタバレします。


【内容】
特攻隊員として戦死した祖父の過去の足跡を、その孫たちが聴いてまわり、真実の祖父のことを知る。

監督:山崎貴
主演:岡田准一


【感想】
『ゴジラ-1.0』を観て、同じ山崎貴監督作品のヒット作『永遠の0』はどんな感じだったのか気になり、観てみることにしました。
結婚後あまりドラマ出演していない吹石一恵や、生前の三浦春馬、新井浩文とかが出ていて、そんなに古い映画でもないのに時代を感じました。

山崎貴作品は、他の映画とは何か違うなあということを感じたのですが…
ドラマ部分が映画というよりも映像素材ぽいというか…
役者の演技がどうこうというよりも、役者とか実写を映像素材として扱ってる感じがあるんですかねえ…元々CGスタジオの人ということが、大きいのかも知れません。
映画が乾いているというか、とりあえず押さえている感があるというか…
注意ぶかく観ていると、役者が熱演しているカットと、説明的な俯瞰ショットとしての抑えのカットで、役者のテンションが全然違っていたりシーンとかの存在が、映像を素材的に扱ってるように感じさせるのかも知れません。
時間もお金もない中で、必要なカットを抑えていくっていうのは当たり前のことだとは思いますが…

『ゴジラ-1.0』の時にも感じていたのですが、役者や映像を丁寧に取り扱ってるともいえ、もしかするとこうした感覚の映像作りする人が増えていくのかもと感じたりしました。

役者も今だったら主演クラスの俳優陣も沢山出てきていたり、脇役にも田中泯や夏八木勲、橋爪功、風吹ジュンとか力のある役者が固めていて、映画としての説得力となってあると感じました。


色々と気になる面も多く、必ずしも両手を上げて良いとは言えない作品ではありますが…
しっかり狙ったショットやCGを仕上げて、しっかり狙った層にアピールして、ヒットをものにした作品だったのだなあと思いました。

ベタな音楽の付け方、ベタな作品展開で、どっかで見たようなシーンやセリフ…
の中で、許される枠の中で作品のクオリティを上げていく…
そのスタンスでアメリカのアカデミー賞にまで絡んでいくというのは、日本のCG制作スタジオの制作者としては、ある種今の日本で狙えるやり方としては相当戦略的でクレバーなやり方だとも感じました。
ラストシーンのこれでもかと言う音楽で盛り上げている中で、ベテラン役者の佇まいや顔の力、あと何より岡田准一の演技や表情などは、色々と感じるところはありましたが、説得力を感じました。

あとストーリーや設定とか、『ゴジラ-1.0』と重なるところが多い…
零戦乗りの主人公や、戦争で未亡人となった子持ちの女性のもとに元特攻隊の人間がやってくるとか…
この作品を土台にして『ゴジラ-1.0』作ったということがよくわかりました。

映画監督がCGを見せるためのような映画を作っている思うと色々と引っ掛かる映画でしたが

CG制作者が会社に所属しながら、日本としてかなりのビックガジェットで映画を制作し結果を残し続けていると考えると、それはそれでなかなかなことを達成しているのだと感じたりもします。
そこら辺は、新海誠がゲーム会社を辞めて、個人制作アニメからビックガジェットの世界的なヒット作を作り出したのと似ているなあと…

https://eiga.com/movie/58291/

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