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山本てら
2024年5月26日 09:46
はかなさを糧にまばゆき夏の月夏の夜の月にくまなき心かな*夏の夜の月と書いてから、芭蕉の「蛸壺やはかなき夢を夏の月」は昼間の月なのではないかとの疑念が生じた。明石、須磨を訪ね、源平ゆかりの地を見、壇ノ浦での二位の尼君たちの入水へと思いは及び、海の底に沈んだ数々の調度品が、漁師が準備中の蛸壺に重なる……これら全ては日のあるうちに起こったことだろう。短夜の月よりも、青空に消えかかる月の方がよりは
2024年2月5日 09:23
冬と春ゆき違へども同じ月あひ見えず月は涙におぼろかな見えぬほど思ひまされる春の月
2023年12月1日 09:45
今宵より冴えざえとして明き月ひと重づつ散りゆく寒き庭の色日の浅き喉仏にこのマフラーを
2023年10月31日 09:22
月と木星ちよいと離れてよき塩梅*一昨日は驚くほど近かった。昨日はちょうど良かった。
2023年9月29日 09:51
待宵に思はず会ひし笑顔かな月明し鴉は時をあやまてり盗びとの心うばふやけふの月くもりなき心をどりの名月を願はくば月の都にまねかれたし
2023年9月19日 09:31
書に暮れて眼鏡にちらと秋の夕夕月夜声なきをちの閃光や月と我へだつるもののなき夕べ
2023年9月15日 09:28
面影を月にたよらず探しけり朔日や花野に立ちて影もなし見上げても月の映らぬ涙かな
2023年8月29日 09:20
あかあかとやがて定まる月の顔寝ながらに涙の乾く秋の風蝉と虫おなじシフトにときめきて
2023年8月27日 09:34
雨が香ややがてとぶらふ白驟雨潦よけて踊るや月もなく雲隠れつかの間お色直しかな
2023年8月8日 09:36
秋立てど夏の名残りやそのままに秋立つ日鴫沢くんと遊びけり秋立つと言ひしばかりに月を待つ*公園で出会った鴫沢くんという兄弟とお友達になりました。〈参考歌〉心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ(西行)今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな(素性法師)
2023年8月3日 09:37
待ちわびし晩夏の望月引き入れて懇ろに蝉鳴かぬ夜の語らひや短夜や語り尽くせぬあれやこれ十六夜の影に隠せぬ涙かな襟なほす浴衣に月の移り香や
2023年5月4日 10:05
また来年つつじの蜜の午後三時春紫苑かたぶく風の夕まぐれ澄みそむる月見て春を惜しみけり
2023年4月6日 09:41
薄藍に影しみ出でて朧月池の面につつましげなり朧月大人への船出ひそけき朧月
2023年2月25日 09:22
三日月に木星金星つるし雛また見れば木の間がくれの月おぼろ梅が枝に淡く匂へる月の影