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エシカル、性暴力、人材流出、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い(エシカル100考、82/100)

エシカルという言葉をかかげて仕事と使命に取り組んでいる者にとっては、憤慨し嘆息せざるを得ないことがおこっています。

ストライプインターナショナルの件。

earth music&ecologyは2020春夏もエシカル押しなのか、ベトナムの地で広瀬すずさんが「誰かを不幸せにしていないか?」と問いかけるCMが公開されたばかりです。

「誰かを不幸せにしていないか?」。

いろいろと思うことはありますが、何より気がかりのは、人の事。

働いているみなさんが心落ちけるか、不要な揶揄などを受けていないか。掲げた綺麗事(壮絶なウォッシュというか、ほぼ虚言だとしても)を信じて、矜持をもって仕事をしている方もいらっしゃるわけですから。

そして、こんな企業にいるのは嫌だと思ったら、ちゃんと出て行けるといいなと思います。

人的資源というのは、そういう流動性をもっと増していい。

人権を踏みにじるような、ガバナンスも無視するような経営をしていると、最も大切な資源である人材がどんどん離脱してしまい、組織は成り立たなくなるように、きちんとなってほしい。

・コロナで小売は厳しいとはいえ、人材不足は変わらない

・アパレル(特に販売などの現場)はなかでも採用難な業種・職種である

・ストライプインターナショナルで働く方を、この機会に受け入れたいというアパレル等の小売企業、接客業はでてこないだろうか?

ということも考えてしまいます。

社員や関わる人の人権を踏みじって、周囲も共犯のようにそれを注意くらいで見逃して不思議な自己弁護で誤魔化し、「誰かを不幸せにしていないか?」などと虚言を言ってのけ、「お騒がせしたから」という行為の責任は認めない理由を述べるような企業からは、どんどん人材が流出して、もっと良い組織で人的資源価値を発揮してほしいなと思います。

働くことは投資です。

自分という人的資源を、その企業に投資していることになるので、その投資先=企業がダメだと思ったら、とっとと投資を引きあげればいいと思います。

そして、企業の競争は人材獲得競争なわけですから、他の企業もこれを好機とがっつり良い人材を引き抜けばいいと思います。

そういう健全な競争、労働の自由市場がちゃんと機能してほしいと、心から思います。

次に、服の事。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」といいますが、経営陣(経営者個人というより、経営陣全体が問題あると思います、見逃してきたわけですから)が非道だからといって、服がしっかり作られていないわけではない、、かもしれない。

いや、「誰かを不幸せにしていないか?」が虚言なのは服作りも一緒で、「サステイナブルな服です」と言われてどの部分が?と聞いたら「服のラベルがオーガニックコットンです」というくらいのウォッシュさ(Netflixのハサン・ミンハジのネタ)なのかもしれないけどね。

だからearth music&ecologyの服にむけて、こんなの全然エシカルじゃないじゃん!嘘つき!!と声を荒げるのは、ちょっと違うのだと思ってはいます。

100%エシカルというのはないのだから、できるところから着々と、みんなで取り組み続ければいい。

・・・でもねぇ、、earth music&ecologyのエシカル押しは、何とも腑に落ちません。2020年春の新CMが滑稽すぎる皮肉に見えてしまう。

『ブランドメッセージの「エシカル」を訴求してきた 新CMでは、今後もアースが 「エシカル」に ついて向き合い、取り組んでいくという決意を込めた内容に仕上げた』(YouTubeの解説より引用)そうですよ。

やっぱり、人権意識がないと根底が崩れてますよね。

本当に『「エシカル」に ついて向き合い、取り組んでいくという決意』 があるなら、エシカルという言葉を看板に掲げるのは一度やめたらいいのでは、と思います。

という、人と服についてもやもやと思ったこと。

今回の件で本当に嫌悪感を覚えるのは、社長の性暴力より、性暴力があったことを認識したのに厳重注意くらいで見逃した臨時査問会です。

どんな顔をして査問会をやらを開催したんだろう。どんな顔をして厳重注意というものをしたのだろう。そこにいた人たちが、エシカルとか言っちゃったりもするのだろうか。。

そんなことを考えると、感情的な気持ちも芽生えます。エシカルについて日々考え、取り組んでいる人間なので。

あんたらの倫理って何なんだよ、どこにあるんだよ、あんたら共犯者だよ、って。

ちょっとね、偏った感情ではありますね。

ただ、「社員とのコミュニケーションが近すぎる事について厳重注意」なんてことを言っちゃって性暴力を隠蔽しちゃう人たちって、ヤバいと思う。

女性比率がとか女性管理職がとかいっても、役員構成をみると(名前だけで、男女という二分法で判断すると)男性ばかりですもんね。

・・やめよう、このくらいで。

世間の俗受けもよく、自己喧伝も上手なのに、そこで働く人と会い内実を見聞きすると360度くらい首をかしげざるを得ないような会社がいくつかあって、困惑してしまいます。

最たるものが、「働いてみたい会社ランキング」などで上位常連で数々の従業員満足制度を発表しながら、「何人かの社員がですね、、窓から出て行ったきり帰ってこないんですよぉ・・」と言われて相談を受けにいったらオフィスのエントランスがえもいわれぬ臭さだった某社です。

臭かった。生物的な臭さでもなく、ケミカルな臭さでもない、あれは何だったんだろう。

・・・どこの会社かは機密事項です。

上記はストライプインターナショナルさんではありませんが、ストライプさんも以前から首をかしげたくなる会社でした。

アパレル企業のなかでは働き方改革などに早期に取り組んでいたりしましたが、中の人(たしか人事でした)のお話しを聞くとんん???っという感じが強く、別部署からもそんなことを聞き、、、という経験があったので、エシカルを掲げ出したときも違和感があったのは事実です。

こういう違和感って、大事ですね。

今回の件で、エシカルという考え全体が形骸化、虚言化しないようにしなければ、と思います。そしてエシカルも働き方改革も、人権意識、ジェンダー知識は必須だとつくづく思います。

最後に、ストライプインターナショナルで矜持をもって働いている方たちに、その誇りを失わないでほしいと願います。

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