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#186 「個別性」と「再現性」の対立はやめよう

さて、今日のテーマは「個別性と再現性の対立はやめよう」です。

昨日、このようなポストをしました。

「こだわりすぎてやしないかい?」はちょっとダサいですね。

この「個別性」と「再現性」という言葉を対比しながら考える人がたまにいます。

そういう人と話してると決まって言うのが「データで物事を見てると人間性を無視している」「データを使わなくても結果が出れば良いでしょう」です。

データで物事を見るのは「再現性」
人間として接するのは「個別性」

果たしてこの認識は正解なんでしょうか。

少し小難しい話になるかもしれませんが、お付き合いください。

自己紹介です


お題の話の前に、自己紹介します。

僕は、リハビリテーション病院で働く作業療法士兼、中堅管理職です。

日々のリハビリテーションの実践はもちろんですが、中堅管理職として管理と現場の間をつなぐ役割を担っています。 

このアカウントでは以下のことについてを書いていきます。

・病院での働き方
・日常生活での健康の考え方
・ストレスマネジメント
・作業療法のもろもろ
・相談を受けたこと
・臨床で考えたこと
・日々、感じたこと

これらのことについて、僕なりに解釈して記録として残していきたいと思います。

それでは本題に入っていきましょう。


「個別性」に込められた思い


データで物事を見るのは「再現性」
人間として接するのは「個別性」

まずはこの言葉から見直していくことが必要ですね。

再現性について、研究も苦手な僕からお話しすると間違った情報になる可能性もありますので、読まれる方はその辺も考慮してご覧ください。

僕の認識でいくと、

「再現性」は「誰がやっても同じような成果を出すことができる」ということです。

AさんとBさんがいたとして、その2人は社会人としての経験年数が違ったとします。

そんなAさんとBさんがある方法を実践したときに同じような結果になれば、それは「再現性がある」ということになります。

科学的なエビデンスはこのような「再現性」を作るためにあります。

先ほどの「データをとってる」という印象があるようですが、それはそれで間違いではないんです。

でも「ただ機械のようにデータをとっている」ということではないんですね。

一方、「個別性」はどうでしょうか。

僕の認識でいくと、「個別性」は「その人らしさ」にあたると思います。

「その人らしさ」というのは人間が生きてきた過程において築かれたものであり
、その人の価値観やその人が持つ特有の能力などにあたると考えています。

「ナラティブ」という言葉がありますが、それにも近いような感じます。


このように見ていくと「再現性」と「個別性」は果たして対立軸にあるものでしょうか。

僕はこの2つの言葉の意味を、対立しているとは思いません。

むしろ扱っている課題の違いから、別次元のことを表していると思います。

ただ、この2つを対立させたい人のイメージも理解できないことはないです。

この「個別性」と「再現性」を対立構造として描きたい人の背景には、

「データを読むのが苦手」
「データを機械的なものと思っている」
「人間の大事なことを無視するかも」

という、苦手意識や懸念があるんだと推測します。

対立構造をイメージの中で作り出すことで、自分が得意とする、「いわゆる個別性」の正当性を反証的に訴えているんですね(逆もしかり)。

ただ、このように対立をしていたところで、その考え方に発展性はありません。

何かを成そうとするならば、この2つの言葉の次元の違いを理解し、どちらも成立させるためにはどうしたら良いかを考えることが必要になります。


対立構造を終わらせる


では、どのようにしてこの対立構造を終わらせるか。

そのためには「目指す成果」を理解し、共有することが必要になります。

対立構造が出来上がる大きな理由は、自分が主張したい意見の正当性を見出すために「反証的」に他者を批判し、だから自分たちは正しいと訴えることが目的です。

つまり、他者を批判して、自分たちを正当化してるんです。

ただ、それだと、この論争の目的は「自分たちの正当性を証明すること」となります。

果たして、その議論に何か意味があるんでしょうか。

自分たちの正当性が証明されたとして、その先に発展性はあるんでしょうか。

よく、「アイディアは異なる2つの物事の組み合わせ」と言ったりしますが、1つの方法に執着している限り、そこから発展性が生まれることはほとんどないでしょう。

今みたいに、いろんなことが移り変わっている中で必要とされるのは、様々な事象を、目的や目標に合わせて、うまく組み替えながら使い分けていくことが必要です。

つまり「私たちが目指すものは何か」「どういう成果を求めているのか」を考え、それに合った方法を選択することが必要になります。

この目的や目標に当たるところは、相手が組織であれ人間であれ、「個別性(その人(企業)らしさ」が出てくるところです。

「私(たち)にとって何が大切なのか」を問い直し、そこから目標を見出していくことが「個別性」なんじゃないでしょうか。

そして、その目標を達成するために必要な方法を考える。

このときに必要になってくるのが「再現性」です。

自分の目標に対して、今どのようなことが証明されていて、確率的に確実な方法や、自分の価値観に合うものは何かを照らし合わせて考えながら方法を選択していくことが必要になります。

このように考えていくと、個別性と再現性は対立構造や序列関係ではなく、お互いが違う次元の言葉で、補完関係にあることが理解できると思いますし、対立するよりもいくらか発展的です。

こうやって蓋を開けてみれば、人や企業が前進するために当たり前のようにやっていることですよね。

そう、対立構造なんて大した問題じゃないんです。

「どちらかを選ばなくちゃ」という思考になったときは要注意です。

この罠にハマらないように気をつけましょう。

この話の参考になる書籍を紹介しておきますので、良かったら。


今日は以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいた方のヒントになれば幸いです。

よろしかったら、スキ&フォローをよろしくお願いします。

ではまた。


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