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#26 共感覚と『都市の色』

2023年12月某日

「共感覚」という言葉をご存知だろうか。

「ある情報 (文字、音、月日の概念など) を頭の中で処理しているときに、その情報が一般的な形で処理される (例:文字が文字として認識される) ことに加えて、一般的にはそれと無関係と考えられるような種類の感覚や認知処理まで引き起こされる (例:文字を見た時に色の印象を覚える) というもの」

浅野 倫子・横澤 一彦(2020)、『共感覚 統合の多様性』勁草書房。

何かの文字列などを見た時などに、「○○色っぽい」などと感じとれる能力らしく、人口の数%にしかない能力らしい。かっこいい。無論、筆者にその能力はないのだか、家族と雑談する中で、それらしい感覚に触れる機会があった。「都市の色イメージ」についてである。

筆者はライフワークとして、全国の様々な都市を訪れることが好きだ。しばしば地方都市を訪れ、駅前商店街などでぐるなびに載っていない割烹やなどで、薄いサワーを嗜んだりしている。個人的に「推し」の都市などもある。以下、筆者の圧倒的主観による都市の「色」のイメージを紹介したい。

まず、「京都」は黄色っぽい。えんじ色もちょっと入っている印象だ。イチョウのイメージなのか、紅葉のイメージなのかよくわからないが、筆者は「京都」という文字すら黄色に見えている。

次に、「神戸」はティール色っぽい。青と緑の間くらいの色味である。筆者の好きな色だ。マリンなイメージに六甲山の緑が組み合わさっているのだろうか。知的な印象すらある。

最後、「名古屋」はねずみ色っぽい。名古屋の方々、すいません。なんとなく、「道路」「鉄道」などのインフラや、「自動車」「航空機」「電力」などの装置産業の印象が強いのだろう。重厚感があり、整った都市というイメージが強い。ゆえに、ねずみ色である。すいません。

そんな感じて、いろいろな都市から想起される色のイメージがある。筆者自身の頭の中に形成された都市のイメージ(スキーマ)が特徴として現れていそうな点は興味深い。なお、訪れたことがない都市にも一応、色イメージはある。

例えば、島根・鳥取は黄系だし、群馬は緑系、青森は青系である。青森を青系としているあたりに、筆者の凡人性を嗅ぎとることができる。共感覚とは縁がなさそうだが、自分の中にある「地域ブランドのイメージ」を確認する方法としては面白い。

ほなら。

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