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仮面の告白

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仮面の告白④



自分の中に怪物が生まれた。

少し自分の話をしよう。

僕は鼻が高く、目が大きい。

昨今の塩顔ブームに逆行して、はっきりとした顔立ちである。

問題は感情が表に出ないこと。

目が笑わない。

子供の頃からいつも言われていた。

でも自分ではあまりわからない。

これのせいで非常に苦労をした。

仕事柄、笑顔がつくれないというのは致命的である。

第一印象だけはあまり良くない、のはこ

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仮面の告白③



壁。

やっとの思いで見出した道に、すべてを飲み込むように立ちはだかる。

表現。

自分が一番苦手なこと。

今までは逃げてきた。

でも今度は違う。

曲がりなりにも自分で見出した道。

突き進まなければいけない。
突き進みたい。

僕は周り道をすることにした。

自分には数字がついている。

それは誰にも負けない。

道とは。

上っ面だけ固めてる奴ら。
表現だけで上がってる

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仮面の告白①



僕はコンプレックスがある。

口下手。

障害があるわけではないが、単純にうまくしゃべれない。

話が下手、といったほうが正しいだろうか。

嘘をついたことがない、わけではないがあまりつかない。

すぐバレてしまうのだ。

それもついている最中に。

そんな僕だが、唯一自慢できることがある。

人に嫌われたことがないのだ。

もちろん、喧嘩をしたこともあるし、疎遠になったことだっ

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仮面の告白②



就職をした。

理由は、おもしろそうだったから。

大きな目標とかない僕には特に理由などなかった。
なんとなく選考うまくいったし、気に入られたし。

簡単な理由である。

しかし僕は早々に社会の闇を知る

話のうまい奴ばかり上にいること。

そして上がっていくということ。

学生のときは確かにそうだった。

スクールカーストという言葉がある。

いわゆるイケてる奴らはモテるし、カー

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仮面の告白⑤



でも逃げていた。

自分がやりたくないこと、苦手なことから。

会社の危機なんてものは存在しない。

ただ僕が煽っていただけだ。

そして僕はチームリーダーとなった。

不安はあったが、さほどではなかった。

実際にリーダーになったことはない。

でも近いことをやっていた。

表現をすることもあった。

リーダーにもなれる専門家。

僕はずいぶんと自信を

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