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地縁をもたない「オートロックの向こう側」の住民とつながれる ー板橋区議(立憲民主党)・中妻じょうたさんインタビュー

「くらしの悩み」を地域の議員に届け、「みんなで解決」していくサービス『issues』。2019年3月のサービス開始以降、地域住民の声が政策として実現されはじめています。

そこでこのマガジンでは、issuesを通じて様々な「くらしの悩み」に取り組んできた、議員の皆さんにお話を伺います。

今回のインタビューに登場するのは、板橋区議会議員の中妻じょうたさん。人と人との関わりが薄まる板橋区において、地域の課題解決に邁進している中妻さんの「issuesの活用方法」を聞きました。

取材: 廣田達宣(株式会社issues 代表取締役)/取材・文: 池田アユリ

手厚いマンツーマンのZoomサポート

ーー本日はよろしくお願いします! 中妻さんはissuesに登録して1年ほど経ちましたが、導入してみていかがでしたか?

issuesは、議員へのサポートが手厚いですね。数ヶ月に一度オンラインミーティングがあり、住民ユーザーからの反応率の分析結果を教えていただいたり、メッセージ文面のアドバイスをしていただいたりしています。

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サイト内では、issuesが設定したトピックごとに地元住民の声が集約されているので、現在の板橋区の課題は何なのかが明確です。

現場の声を届けて区長の心を動かす

ーー議会では、issuesで受け取った住民ユーザーの意見を取り上げてくださいましたね。

はい。「小学校の欠席届のオンライン化」を進めるなかで、issuesからのご意見を事例として挙げました。というのも、issuesでいただくご意見には「これは、何とかしないと!」と思うものが多いんですよ。

行政は机上の空論では動きません。もちろん統計データは必要ですが、現場の状況や住民の声を伝えることで区長の心が動き、いち早く課題に取り組むことができるのです。

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ーー「役所が変わるのには時間がかかる」と感じている住民ユーザーも多いです。

たしかに、発した意見に対して何の返答もなければ、そう思われてしまいますよね。

その点issuesは、課題解決の途中経過を住民の方にお伝えできる点がいいですね。「板橋区は少しずつ改善しているんだ」と、住民の皆様に感じていただけると思います。真摯に受け止め、取り組む議員がいる。それを可視化することは、住民の皆様の安心感に繋がるのではないでしょうか。

5人に1人が支持者に

ーーメッセージのやりとりをされた住民ユーザーへのアンケート結果では、5人に1人が中妻さんを「支持する」ないし「強く支持する」という結果でした。これは、issuesを利用する議員の中でも高い数字です。

そのような評価をいただけて嬉しいです。板橋区民の方々とやりとりをさせていただくなかで、「こんなに返信があるとは思いませんでした」と驚かれたり、「信頼できる議員だと感じました!」とお言葉をいただいたりすることもあって。本当に議員冥利に尽きます。

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「オートロックの向こう側」の住民とつながれる

ーー直接やりとりされている住民と、issuesの住民ユーザーの年齢層に違いはありますか?

年齢層についてはいずれも30代~40代の方が多く、ほとんど違いはありません。ただ、“居住形態”に違いがあると思います。

ーーというと?
活動の一環として、地域の皆様とお会いして日常生活での困り事を伺い、政策立案の参考にしています。しかし、オートロックマンションにお住まいの方とは、なかなか接点がもちにくいんです。一軒家にお住まいの方でしたら、たいてい玄関口まで出てきてくださいます。しかしオートロックマンションにお住まいの方となると、ロビーからチャイムを鳴らしても、まず出てきていただけません。ただの“胡散臭い人”にみられてしまうんです……。

ーーたしかに、オートロックマンションにお住まいの方ですと、顔を合わせて話すことに抵抗感があるかもしれません。

そうなんです。オートロックマンションにお住まいの方々は、いったい行政をどう考えているのか。議員と接点をもつ方々と比べて、不利益を被っているかもしれません。私たちが把握できていない潜在的な課題があるのではと感じます。

そういった方々との接点をもつ方法は、今のところネットやSNSだけです。私はFacebookとTwitterを使っていますが、issuesも接点をもつ方法の一つとして期待しています。

普通のSNSとの違い

ーーissuesと他のSNSとの違いは何でしょうか。

Facebookは、普段お付き合いのある方と交流を深めながら、より詳しくお話を伺える良さがあります。お名前やお顔がわかるのも安心できますね。ただ、新しい方と接点をもちにくいことが難点でしょうか。

Twitterはより多くの方にメッセージを届けたいときに利用しています。ただ、私たち区議が扱うような身近な地域課題よりも、大きな国政課題に議論がフォーカスされているように感じますね。

ーーTwitterは、匿名性があるゆえに攻撃的なツイートを受けることも多いような気がします。

そうですね。ちょっとした言葉足らずな部分に、揚げ足を取るようなやりとりもあるため、Twitterでは発展性のある議論になりにくいと感じます。

その点、issuesは場が荒れにくく、地域課題ごとに住民の方々のご要望が集約されるので問題解決に向けてのやりとりができます。

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issuesがきっかけで始まった、ある区民とのメールのやりとり

ーーissuesがきっかけになって深くやりとりするようになったも方もいるとお聞きしました。

はい、ある学校の教員をされている方でした。issuesでメッセージのやりとりをして、いろいろなご意見をいただくようになり、その後はメールアドレスを交換して、多数の意見交換をするようになったんです。

ーーそれは嬉しいですね。程よい距離感だからこそ築けた関係だったのでは?

そう思います。お仕事の立場上、直接顔を合わせることが難しい方もいらっしゃいます。issuesは直接顔を合わせないので、議員といきなり話すのに抵抗感がある人も使いやすいんだろうなと。

地縁のない住民にリーチできる「issues」

ーー中妻さんにとって、issuesはどんな価値がありますか?

今まで関わる機会がなかった方と繋がれたことが、大きな価値だと思います。もちろん、今後も顔を合わせながらお話を伺う活動を行っていきますが、少しゆるい関係といいますか、間接的な形で住民の皆様からご意見をいただき、課題解決を図っていく必要があると思います。

――とくに東京23区は、直接的なやりとりが難しくなっているのでは?

そうですね。東京23区は人口が増え、従来通りの「Face to Face」のやり方には限界があるように感じます。住民同士の地縁が薄まっていることも課題ですね。板橋区は“マンションの町”と言っても過言ではなく、地域との繋がりをもたない方が大半を占めているのに、板橋区政は昔ながらの町会中心で。ここに問題があるわけです。

早い段階でこの問題に目を向けなければ、57万人の板橋区民全員の課題を解決できません。今後は町会・自治会改革に取り組んでいくとともに、別のアプローチとしてこういったサービスを活用すべきだと思っています。

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Zoomイベントで区民と交流

ーー4月に行われた、issuesのオンラインイベントにも参加してくださいましたね。

あの意見交換会は、非常に盛り上がりました! 私も楽しかったです。板橋区民の皆様とは、元は板橋区を拠点としていたバスケットボールチーム、「東京エクセレンス(現・横浜エクセレンス)」の話で盛り上がったんですよ。

住民の方々に「スポーツも板橋区の行政に関わる話なんだ」と、感じていただけて良かったなと思いました。こういったイベントで、住民と議員が対話する機会をいただけるのは非常にありがたいです。

ーー嬉しいです! 今後もこういったオンラインイベントを積極的に開催し、地域住民と議員が直接言葉を交わす機会をサポートしていこうと思います。

※こちらのイベントレポートは2020年12月に開催されたものです

issuesなら炎上を恐れなくて良い

ーーこれからissuesの活用を検討している議員へ、メッセージをお願いします。

議員の方々のなかには、「ネットでのやりとりって荒れそうだな」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。ただ、issuesでは、攻撃的なメッセージを送る住民ユーザーはほとんどいません。それに「明らかに答えられない内容だな」と思えるご意見には、「返信しない」という選択肢もあります。お相手の方にはどの議員が要望を受け取ったかは伝わらず、「無視された」と思われないような仕組みになっているんです。ですから気軽に利用してみていただきたいですね。

ーー最後に、中妻さんが議員として大切にしていることは?

信頼されること、です。それが議員にとって、最も大切なことだと思います。地域の皆様から信頼していただくためには、やはり直接顔を合わせてお話を伺うことが一番だと思いますが、時代の変化とともに、取り組み方も変えていかなければなりません。だからこそ、こういったサービスを活用し、板橋区民の皆様とより深い関係を築いていきたいです。

ーー中妻さん、ありがとうございました!

※他の板橋区議にもインタビューしているので合わせてご覧ください

※議員向けissues紹介ページ

※住民向けissues紹介ページ


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