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じゃがいも

舞台はお昼時の店内。

「袋パンパンじゃないですか、食べますねー」

「いや、堅あげポテトが嵩張ってるだけだよ」

「ただ堅くしただけでポジションを築いたやつですね」

「他にはない食感がいいよね」

「堅あげは塩ですよね」

「塩だね」

「プリングルズならサワークリームですよね」

「他の味にはいかないよね」

「他のメーカーのサワークリームと何が違うんですかね」

「違法なものが入ってるんだろうね」

「ですよね、僕は阿片だとにらんでます」

「多分それが正解だろうね」

「じゃがいもって美味しいですよね」

「揚げても焼いても美味しいもんね」

「好きな野菜はダントツでじゃがいもですもん」

「それ炭水化物じゃん」笑

楽しい会話はそこで途切れ、僕は冷たく言い放つのです。

「それを言う人いますけど、その返答はおかしくないですか?」

好きな野菜の話をして、じゃがいもと答えたら、成分で返されるって。

ほなあれですか、トマトって言ったら、それリコピンじゃんて返します?

きゅうりって答えたら、それ水分じゃんて返します?

なぜじゃがいだけが雑な扱いになるのかが分からないんです。

じゃあ逆に好きな野菜は何なんですか?

白菜となす?

水分&水分じゃないですか。

どちらも栄養素はほぼ無いです。

無です。

食べてないのと一緒です。

そんな人がじゃがいもを炭水化物だと馬鹿にしたんですか?

考えられない。

どの口が言ってるんだ。

水が好きなら水を飲め。

そんな話をしてない?

いや、成分で攻撃してきたのはそっちだろ。

じゃがいもを下に見やがって。

みんなかっこつけるなよ。

アボカドとかブロッコリーとか言う人いるけどさ。

森のバターという異名に騙されるな。

ブロッコリーなんて小さな森じゃないか。

ははーん、もしかして『オデッセイ』を見てないな。

リドリー・スコットが作ったじゃがいも映画。

そうか、教養が足りてない人が炭水化物じゃんと馬鹿にしてたのか。

相手にした僕が間違いだった。

あれを見れば分かります。

じゃがいもの偉大さを知る事になるでしょう。

いいですか。

「じゃがいも」の返答に「炭水化物じゃん」はやめてください。

もし言おうもんなら、また1000字かけて書こうと思います。

じゃがいもの恨みを舐めるなよ。

あれだけポテチの話で盛り上がれたのにな。

なぜ、じゃがいもになると馬鹿にするんだろうか。

色と形のせいか。

「じゃがいもみたいな顔をして」は完全に悪口だもんな。

多様性の時代だと言うのに。

じゃがいもよ、お前は何も悪くないからな。


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