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コミュニケーションの心構えとは?

目の前で起きていることを、どのように感じて、見て、解釈するか。これは千差万別。100人いれば100通りの角度があり、それぞれがそれぞれの感想を持つことになります。その中で次第に、10通りとか5通り、そして二者択一になっていき、対象の評価が収れんされていきます。もとを辿れば、いろいろな解釈があって当然。人の評価も同じです。

人間は社会的動物。コミュニケーションを通して情報共有を図り、お互いに助け助けられて生きながらえてきました。情報に対する評価はしばしば多数派に依存。「あの人はこういう人だ」という見方が体勢を占めれば、それに反する評価をしている人も流されてしまう。これがいわゆる「同調圧力」といわれるもの。反する意見を言ってしまうと、村八分にされる恐怖からなかなか言い出せなかったりもします。

もし影響力のある人が、Aという人や組織に対していい印象を持っていれば、影響力を受ける取り巻きの人々もAに対する印象はポジティブに。そして逆も然りです。ですが大切にすべきは本質。人や組織の評価によって、ビジネスチャンスが広がったり萎んだりするんだったら、同調圧力の恐怖を廃して自分なりの感じ方、見方、評価を大切にしたいとも思います。もちろん他者の評価を聞いた上で、ですがそれに一方的に流されることなく自分が下す評価も検討するフラットな姿勢を大切にしたい、ということです。

話は大きくそれますが、スポーツクラブの経営は、影のように寄り添う「ホームタウン」や「フランチャイズ」という言葉が示唆するように、地域との連携、サポートなしに語れません。スポーツが地域に根差し、地域とともに成長していく様は、100年以上前に誕生したイングランドの教会、学校、パブ、工場の人たちの「余暇」を起源にそのプロセスが確認できます。時間を持て余していた生徒、神父、労働者、お客さんが始めた暇つぶし。お話ししたり、ご飯を食べたりお酒を飲んだり、愚痴を言ったり相談したり、世間話をうだうだ続けたり、コミュニティに存在するさまざまな「コンテンツ」の中に「サッカー」がありました。社会的動物として活動する私たちのコミュニケーションツールの手段、その一つがサッカーです。

さて、そんな地域との連携、つまりコミュニティの営みにはさまざまな人が介在していることは言うまでもありません。今でいうと、学校、商店街、商工会議所、高齢者施設の関係者同士、ときに意見の食い違いや葛藤、齟齬が生じることもあるでしょう。ですがその度にいちいち衝突していてはキリがありません。そして無為にネガティブな評価を言い合うメリットも見つけづらい。本質はコミュニティとそこに介在する人たちの暇つぶしです。ことさらにいがみ合って得する人は少ないはず。なぜなら私たちは社会的動物であり、コミュニティやコミュニケーションを通して互助を築き、豊かな社会生活を送っていくわけですから。

今日はサッカークラブの担当者と一緒にローカルな人たちに会い、話を聴く機会に恵まれ、「あれ?聞いていたことと違う」と、事前情報とは真逆の感想を持ったことから今日のnoteにつながりました。スポーツクラブと地域の連携の狭間にある「コミュニティ」に触れ、社会的動物である私たちがどんな心構えでコミュニケーションを図っていくべきか、感じたことをまとめてみました。

久保大輔




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