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3人家族の我々が地方移住を見送って 千葉県のベッドタウンに中古マンションを買ったワケ

今年の8月初旬にこんな記事を書いた。

我々家族が購入する物件と出会うのは、この約2週間後のことだ。

3人家族の我が家は今年、千葉県のベッドタウンにある築20年の中古マンションを買った。リノベーション費用込みで組んだ住宅ローンは自分の単独名義。
今勤めている会社が与えてくれた抜群の信用力に感謝カンゲキ雨ワッショイ。落ち着いて考えてみても 人生でTOP5に入る感謝具合。嘘じゃない。


先々週(12月中旬)にリノベーション工事が着工し、2月中旬に引っ越す予定で順調に進んでいる。
着工直後にほぼ“スケルトン”と呼ばれる状態になり、徐々に「家を買った」という実感が湧いてきたところだ。(←遅い)

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8月に書いた上記の記事の中で “海や山や川や田んぼの近くの田舎に住むことがベスト” と書いていた自分たちが、海も山も川も田んぼも見えないベッドタウンに建つ中古マンションを購入したのにはワケがある。
そのワケをつらつらと書いていきたい。

「地方×自然が近い場所」に住もうとしていた

前述の通り、我々家族は地方への移住を検討していた。
自分の出身地はうどん県高松市。妻が出産前に「高松に住む?」と言ってきたこともあったし、そうなるんじゃないかと考えていた。並行して、広島 岡山 兵庫などの瀬戸内エリアやベタな湘南・鎌倉エリア、館山エリアも(予算は無視して)候補に挙がっていた。

ほんの数ヵ月前までは地方に移住する空気が夫婦の間にしっかり流れていたと思う。

それでも千葉県のベッドタウンの中古マンション購入を決めたワケ

ではなぜ、“海も山も川も田んぼも見えない場所”にある中古マンションを買ったのか。

端的に言えば 子どもを育てる環境として“家族にとって”ベストな場所を選んだ からである。

自然豊かな土地で子どもを育てたいという想いも当然あった。それは今も変わらないし、妻も同じように考えている。

だがしかし、子どもを含めた自分たち家族の身近に最も必要なのは 海山川といった自然ではなく、互いに頼り合える家族だという結論を出した。

その背景について以降の章で細かく書いていきたい。

ふたつの変化と ふたつの金言

我々に上記の結論を出させ、中古マンションを購入させたのは、間違いなく 今年起きた ふたつの大きな生活の変化と、約1年前に賜った ふたつの金言だ。
この「ふたつ+ふたつ」が無ければ、別の選択をしていたのではないかと思う。
ひとつひとつ説明していく。


▶今年起きた ふたつの大きな生活の変化
変化のひとつ目は、新型コロナウィルスの世界的大流行に伴う緊急事態宣言だ。この宣言によって、これまで以上に家族3人だけでの生活を強いられることになった。
我々が住んでいる賃貸マンションから徒歩約15-20分の距離に妻の実家があるのだが、気軽に外出できないことに加えて、家族のところに遊びに行けないという生活は想像していた以上にしんどいものだった。閉鎖された家の中で家事や仕事に追われながら過ごす毎日は、妻にとっては両親の、自分にとっては義父母の存在のありがたみを痛感する時間となった。“ばぁば”と“じぃじ”が大好きな娘にとってもストレスの溜まる毎日だったに違いない。

ふたつ目は、現在4歳になる甥っ子を含めた妻の姉夫婦が、近所に引越してきたことだ。ゴールデンウイークごろだったと思う。
6月頃に第一波が落ち着いてくると、妻のご両親・姉家族と我々の3家族で集まる機会も増えていった。
その中で笑う娘と甥っ子の楽しそうな姿を、妻とふたりで見ているうちに、だんだんと心境が変わってきた。

子どもの成長と家族の幸せを考えた時、身近に必要なのは豊かな自然ではなく「笑い合って頼り合える家族の存在」なのではないか。
日々の生活のストレスが少ないのは 今居るこの場所なのではないか。
自然に触れる機会は週末等につくれば良いのではないか。

妻と会話しながら こう考えるようになり、「どこに住むのか」という問いの答えが少しづつ固まっていったのだった。

約1年前に賜った ふたつの金言
自分が勤めている会社の元先輩で、現在は都内にある保育園でコミュニティマネージャーをされているNさんとお話しをしたのは約1年前のこと。

そこでふたつの金言を賜ることになった。


『ひとりの子どもを育てるには ひとつの村が必要』(アフリカのことわざ)
『住みたいところに引越すよりも 今居る場所を住みたい街にする気概が大切』

順に説明させてほしい。

ひとりの子どもを育てるには ひとつの村が必要』(アフリカのことわざ)
人類が誕生した頃から人間は、複数の人たちで役割分担をしながら子どもを育ててきた。子育てには様々な人の力が必要不可欠だからだ。
しかし、ここ数十年の急速な核家族化に伴い、子どもを両親ふたり もしくは どちらかひとりで育てるという“異常”な状況が一般的になった。
その中で特に片方の親が抱えるストレスは大きい。「ママ(パパ)がこの子を育てなければ」という気負いは時に大きな力になるが、精神的な負担にもなる。核家族の場合は、自分たちの子どもを育てるための人員が最大でも2人である。拡大家族であれば、この人数が3人以上になる。このことが両親に与える精神的余裕は少なくない。
自分自身も家事や育児をガッツリ担務する毎日の中で 1オペ・2オペでの育児に(精神衛生面だけではなく 子どもへの教育的な観点でも)限界を感じていたため、共感度はとても高い。
コロナ禍で「核家族の限界」を感じたご家庭は多いのではないだろうか。

自分たちも この “村” に近い状態を作りたいなぁと1年前からぼんやり考えていた。特に自分は拡大家族の中で育ったので両親以外の存在や考えが家庭内にあることの価値を体感してきたからこそ、Nさんの言葉の重みを正確に感じ取れたのかもしれない。

『住みたいところに引越すよりも 今居る場所を住みたい街にする気概が大切』
これはどこかの国のことわざではなく、Nさんご自身の言葉だ。補足説明もNさんの言葉を引用する。

特に都心や首都圏に住んでいる人は、自分が暮らしている街をどれだけ良くできるかを考えたほうがいい。帰って寝るだけの街ではなく、土日も遊べる街になった方が楽しい。地域の人たちと普段から繋がっていると、大地震等の災害が起きた時などにはみんなで頼り合える。
「面白そうな場所や魅力的な街に引越す」という選択肢がファーストチョイスになり過ぎている感がある。

この“金言たち”は、妻もしっかり聞いていた。その街や土地の恩恵を“消費”するのではなく、自分たちが生み出していく(“生産”していく)方が、夫婦の思想とも合っていた。
これからも大切にしたい言葉であり、「住む場所」以外について考える時にも参考にしたい視点だと思う。

そんなこんなで、我々家族は妻の地元に中古マンションを買い、3家族で寄り添いながら生きていくことにした。少なくとも、子どもが高校生になるぐらいまではここに住み続ける予定だ。(将来的な売却も視野の端っこの方に入れているため、リノベーションはできるだけクセと流行を取り入れないシンプルなものにしたのだが、それはまた別の話。)

そう決めた以上、まずは自分たちがこの街を好きになれるように、楽しみながら動いていきたいと思う。

おまけ① なぜ新築マンションでも注文住宅でもなく 中古マンションリノベーションなのか

これは、予算と希望の条件に見合う選択が「中古マンションリノベーション」一択だったからである。

以前から、夫婦の会話の中で「自分たちが住みたい家に住みたい」という意見が固まっていた。新築マンションや建売住宅を選択しなかったのは、住みたいエリア(実家や姉夫婦の近く)に希望の間取りやデザインの物件が無かったからだ。

地方に移住する場合は、できれば戸建ての注文住宅がいいなと考えていたが、地方移住そのものを見送ったこと・そもそも土地が無いこと・予算的に厳しい という複数の理由で、この選択には無理があった。

ということで、我々家族の予算的制約と希望を両方満たすために、中古マンションリノベーションを選択したというワケである。

おまけ② 夫婦のPodcast

夫婦のPodcastアカウントでも少し話してます。よかったら聴いてみてください。


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