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5. 国際学会(国際会議)発表

そういえば,日本内で国際学会を開催した場合,そこで外国人が手話で発表するとなると,どうやって対応するのだろうか…?と疑問に思う近頃.

ということで,聴覚障害者の当事者研究における情報保障の5つ目.

1. そもそも聴覚障害ってどういう障害?
2. 私が所属しているゼミでは?
3. 聴覚障害者の当事者研究って何かある?
4. 国内学会発表
5. 国際学会(国際会議)発表
6. 日本における学術手話通訳の課題

これまでに私が国際学会にて口頭発表したのが2回.その際の他の発表を聴講した際はいずれも貴重な情報を得ることができ,帰国するまでに元指導教員と議論し続けるほど充実した時間でもあったと,記憶に残っている.

まず,修士1年に発表した際の国際学会が,CSUN(California State University Nortridge)という大学主催で,Assistive Technology(障害者対象支援技術)分野における最大規模である,”CSUN Assistive Technology Conference”でした.

33rd CSUN Assistive Technology Conference

採択が決まった際,手話通訳や要約筆記などを調整するコーディネーターと連絡を取れるように,速やかに運営担当者から対応してもらうことができ,今後の流れについて相談できた結果,,

・ASLにて口頭発表する
・費用はFree(元々学会が負担しているということ)
・発表資料や発表練習様子を撮影した動画を送付する

ということになった.

さて,ASLを覚え直すために,と思って,筑波技術大学にてASLを教えている先生から特別に見てもらい,厳しくしごいてもらったのも良い思い出だし,現場での打ち合わせにおけるプロ技術などに感傷に浸ってしまったのも未だに記憶に残っている.

この経験を通し,日本と比べて,アメリカにおける手話通訳での学術通訳技術は,圧倒的なプロ意識を感じたのもこの学会での収穫の1つでもある,


そして,研究の進捗に苦しみながらも修士2年に何とか発表できたのが,国際ユニヴァーサルデザイン学会である.この学会は日本が主に運営しており,ユニヴァーサルデザインの目線で研究成果を発表し合う場でもある.

The 7th International Conference for Universal Design in Bangkok 2019

早速,採択が決まったので,連絡を取り合っていたら…,ASLではなく日本手話でお願いしますなどの想像外で驚くばかりだったが,1つ1つ確認した結果,

・日本手話にて口頭発表する
・費用はFree(学会が負担することになった)
・発表資料や発表練習様子を撮影した動画を送付する
・読み取り通訳(日本手話⇄日本語)⇄日英通訳で進める

になり,打ち合わせや口頭発表を終えてみて思ったのが,やはり

”日本の手話通訳における学術通訳の立ち位置って厳しいな”

という印象でした.

ただ,"Inclusive Design"を提唱し始めた第一人者である,”Roger Coleman”が,"Universal Design"とは何かを基調講演で聴講できたのは実に収穫が大きく,また前回と同様に帰国するまでにふっとしたら元指導教員と議論しながらあれこれと考えるのも充実してて楽しかった記憶しか残らなかった.


結論として,国際学会は運営団体によって口頭発表の手段が定められる印象でした.しかし,これから挑戦しようとする最難関国際学会などはまたどうなのかはわからないが,採択され口頭発表を終え次第,また書こうと思う.

何もあれ,国際学会での口頭発表は充実するし,指導教員とあれこれと議論しながら考える時間は間違いなく確保できるので,私個人としては推奨する.

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