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未解決事件簿16:H弁護士、病院医師のコメントを「協力医」のものと偽り被害者遺族をだます

前回は「医療問題弁護団」所属のH弁護士・A弁護士を訪問した際の出来事についてお話ししました。H弁護士は事前に医療記録を分析・検証し、僕たちと同様、カテーテル治療の事故の存在を指摘し、その後のリカバリーをせずに放置して死亡させた、という結論に達していました。しかしそれでも医師を刑事告訴してほしいという僕たちの願いは受け入れてもらえず、H弁護士は民事訴訟に誘導しました。
 
僕たちは一旦それを受け入れてしまいましたが、民事訴訟の場合、弁護士が病院側と話し合う、つまり接触することが大前提ですから、その機会に病院側に買収されてしまう可能性が高いと考え直し、「やはり民事訴訟は考えられず、刑事告訴に切り替えてほしい」とメールで懇願しました。
 
今回はH弁護士とのその後のメールでのやり取りについてお話ししたいと思います。
 

H弁護士、病院医師をかばう
医師の刑事告訴は徹底拒否


H弁護士からの返答は変わらず、「当職らは職業倫理に鑑み、医師らを刑事告訴することはできません」というものでした。その根拠として「血管を穿孔した(突き破った)部分にステントを留置して止血した可能性が考えられ、事故を放置したことにはならない」とコメントしていました。その他、病院医師をかばうコメントが列挙されていました。
 
僕たち遺族はそれに対して反論するメールを送りました。
「いずれにしても医療事故があったことは事実であり、医師がそれに対して何らかの対処をしたとしても、結果的にはその後数日間で危篤状態に陥っているわけで、その時点で事故の事実を家族に全く話さないのは隠蔽です。そしてその状態を放置して患者を見殺しにするのは殺人罪であることに変わりはないはずです」
という内容のメールを書いて送りました。
 
この僕たちの主張に対してH弁護士からの返答はありませんでした。
このように僕たちの主張に対して反論ができなくなると、黙り込んでしまうというのは、どの弁護士も共通していました。
 
これでH弁護士とのやり取りは完全に終了したと考えていましたが、最後のメールから約10日後、忘れた頃にH弁護士から1通のメールが届きました。
 

病院医師のコメントを「協力医のコメント」として遺族に送り付け、遺族をだます


この件について、医療問題弁護団内部の協力医に検討してもらったため、その結果をご報告します、というのがそのメールの趣旨でした。以下にそのメールを掲載します。

この内容は病院医師の説明内容と酷似しており、実は病院医師でなければ絶対に知り得ない情報が記載されており、それが決定的証拠となりました。

<<H弁護士からのメール>>

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(1) 心カテ検査,PCI中にガイドワイヤなどによる冠動脈穿孔・破裂,大動脈穿孔などがあったか。

 手技的にあったかどうかは協力医の手元資料だけでは分からない。大動脈穿孔があれば,大出血で治療中に死亡に至っているだろうし,冠動脈穿孔がおきた場合も,無治療であれば,急激に心タンポナーデが起こり,死亡に至るはずである。そうなっていないから,いずれも否定的である。
 PCI後の午前6時のCK値(心筋障害の指標)が4500と高値となっており,心駆出率も術前の50%から20%に落ちていること,心エコーで心基部以外が無動であることから,心カテ・PCI中に,広範な心筋梗塞・心筋壊死が起こったと考えられる。治療中に血栓が飛んで左回旋枝が塞がるなどのイベントが起きており,血栓が飛びやすい体質だったかも知れない。
 心カテ中にIABPまで入れているから,検査中に相当,低血圧になり心原性ショックが起きたと考えられる。

(2) 8/25のCK値4675という高値は,かなりひどい心筋壊死が起こったことを示している。

(3) 心タンポナーデの診断・治療は適切か。

   心タンポナーデで死亡していないので,直接の死因でない。心嚢ドレーンがその後,外されているならば心嚢液の貯留は止まったと考えられる。むしろ,それ以前の広範な心筋壊死が主因である。

(4) 死因はどのように考えられるか。

 急性心筋梗塞→心カテ・PCI中の急性心筋梗塞の進行(広範な心筋壊死)・心原性ショック→多臓器障害→感染症→敗血症→DIC。
 なお,左側頭部硬膜下血腫はいつ発症したか特定できないが,心カテ・PCI中に大量のヘパリンを投与していれば,易出血性となり,そのため脳出血を起こしたかもしれない。可能性としては考えられる。
 いずれにしろ,心タンポナーデは死亡に寄与していないと考えられる。
 なお,解剖所見で冠状動脈穿孔(破裂),大動脈穿孔の所見が認められていなければ,それは起こっていなかったと考えられる。穿孔があれば,司法解剖で指摘されるはず。

 以上が内科協力医の意見でした。
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医師だから言えることですが、これは全て医学的に間違った、あるいは著しく客観性を欠いたコメントです。
 
医療記録から読み取れる事実に即した医学的に正しいコメントは以下の通りです。これは僕が遺族だからということではなく、医学的かつ客観的に分析・検証すれば必然的に等しくたどり着く結論のはずです。
 
(1) 心カテ検査,PCI中にガイドワイヤなどによる冠動脈穿孔・破裂,大動脈穿孔などがあったか。

冠動脈穿孔・損傷を映し出した画像が存在することから穿孔があったことは明らか。また大動脈穿孔の可能性も否定はできないが、PCI画像中、明らかに抜き取られた部分が存在するため、手元の資料だけで立証することは困難。

(2) CK 4675 IU/Lは高値だが、当初のPCI画像で左冠動脈主幹部解離・閉塞を起こしている可能性が高く、医原性心筋梗塞に伴うものの可能性が高い。

(3) 心タンポナーデの診断・治療は適切か。

→心タンポナーデ解除前に血圧50/30 mmHg, その直前8時間の尿量が4mlと循環動態が完全に破綻しており、Cre 5~6 mg/dl, AST, ALT4桁と肝腎機能が急激に悪化しており、完全に「手遅れ」である。9月5日に、鎮静薬投与を終了しても1週間、意識が全く回復しなかったことから、心タンポナーデの解除の遅れに伴う低酸素脳症を発症させた可能性が高い。心タンポナーデと死亡とには強い因果関係が認められる。

(4) 死因はどのように考えられるか。

→PCIで冠動脈穿孔により心タンポナーデを発症させ、また冠動脈閉塞により重度の心筋梗塞を医原性に発症させた。それに対して適切な対処をせずに放置したために回復不能の状態に陥り死に至った。
 
いかがでしょうか。
 

H弁護士が病院と接触した時期についての考察


H弁護士が「医療問題弁護団内部の協力医の見解」と称して僕たちに送り付けてきたコメントは病院医師のものと考えられますが、そうなると、H弁護士は病院と接触したことになります。それはいつ、どのように行われたのでしょうか。
 

遺族との相談の前に、H弁護士と病院が既に接触していたか


当初、H弁護士が病院と接触した時期について、僕たちが相談に訪問した後ではないかと考えていましたが、相談日以前に病院と接触している可能性が高いと考えるようになりました。というのも、あの相談の最中も、H弁護士は、病院医師が捏造した死体検案書から目を背けていたのが不自然でしたし、事件の性質上、刑事事件であるにもかかわらず、刑事告訴に対して強く拒否するのが不自然だったからです。これは病院を擁護する態度です。
 
僕たちが相談する前に、H弁護士と病院が接触していたのだとしたら、H弁護士の方から病院に連絡を取ったということになりますが、相談料も委任契約料も受け取っていない弁護士がわざわざ病院と接触するというような「徒労」を買って出るでしょうか。「徒労」で済めばよいですが、下手をすると「勇み足」、「暴走」ということにもなりかねない行為です。そのようなわけで被害者遺族との相談に先立って、弁護士が相手方の病院に接触することは極めて考えにくいことです。
 

病院側が僕たち遺族の行動を把握していた可能性


それでは、病院の方から弁護士に働きかけたのでしょうか?しかし病院は僕たち被害者の行動は把握できないはずです。僕たちがどの弁護士に相談に行こうとしているのか、いやそもそも弁護士に相談に移行をしているのかさえ、把握できないはずです。しかしそれが何らかの方法で把握できているとしたら・・・こう考えて、僕は背筋に寒いものが走りました。「病院側は僕たちの行動を把握しているのかもしれない・・・
 
その後、病院側が僕たち遺族の行動を把握していなければ絶対に起こりえないことが時々起こることに気づきました。「病院の隠蔽組織」との見えない攻防を意識するようになったのもこのころからでした。
 
僕たちは弁護士への相談だけでは同じことの繰り返しになってしまう可能性が高いと考え、次なる手段に打って出ることにしました。国内メディア(マスコミ)への情報提供、調査・取材依頼、告発です。
 
次回はその話をしようと思います。
 
追記①:最終目標は病院・医師の実名報道
僕の最終目標はこの事件を明るみに出して、この病院・医師の実名報道を実現することです。
 
追記②:「フォロー」と「スキ」のお願い
この事件に興味がある、この病院・医師が許せない、この病院はどこの病院なのか気になる、実名報道まで見届けたいと思われた方は是非、「スキ」と「フォロー」をよろしくお願い致します。

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