読書記録「YOASOBI」

こんにちは、ちいです。
今回も読書記録です。

精神疾患と闘いながら日々を過ごしているわけですが、日常の楽しみに読書はぴったりです。(もちろん鬱がひどいときは読めませんが)
ちいさいころは読書が大嫌いだったせいか、読み始めるのに抵抗感はあるものの、一度読み始めてしまいさえすれば面白くて結構進みます。
自分の認知を少しずつ変えていけたら良いな。

さて。
読んだ本はこちらです。

「夜に駆ける」でお馴染みの、YOASOBIさんの小説集です。
曲の原作である小説が4つ載っています。

大学図書館で何か本ないかな~と探しているときに目に入ったものです。
私はYOASOBIの楽曲はもちろん、Ayaseさんのボーカロイドの曲も大好きなので、結構テンション上がりました。
ちなみに「幽霊東京」「ラストリゾート」「ワンダラー」が好きです(聞いてない)。

それぞれ感想書きますね。

1.夜に駆ける
曲の歌詞に出てきた言葉がたくさん出てくる。「小説を音楽にする」というYOASOBIのコンセプトを体感できた気がして嬉しかった。
かなり独特で生死に触れた内容だけど、展開はすごくなめらかで読みやすい。違和感を感じる部分がどこにもない。
女性目線の文章が最後にあったりして、その目線も面白かった。結局何を考えていたんだろうね。死に引っ張られる怖さを実感。
これはもう本能だと思うから、2人にとってこの結末がハッピーエンドだったんだろうと思うし、ほかに救いようもないな、と。でも死なずに幸せになれたらどれだけ良かったか…と思ってしまう自分もいた。
この感じを疾走感で表したAyaseさん天才ですかね(;゚Д゚)どうしたら思いつくんだろー。

2.あの夜をなぞって
この曲大好き。歌詞から恋愛ものなのかなーと思っていたけど大正解。けど、私が読み取り切れていなかった部分もあった。タイトルの意味がよくわかった。なるほどね。
2人ともが純粋で素直で一生懸命な感じが愛おしくてすぐに感情移入した。
好きだからこそ素直になり切れない場面、お互いがこっそり抱える事情に翻弄される場面、予知通りにいかなくてちょっと残念に思う場面、全部好き。
大好きな人のことを想って心が動いたり行動に移せたりする。恋って素敵ね。私はまだできそうにもないけど、いつかできたりするのかな。
おじいちゃんの人脈と人徳はすごい。簡単に役員を動かせたり、自分の苗字だけで孫と花火師をつなげたり。まじでどうなってるんだ。人とのつながりの大切さと難しさを実感。

3.たぶん
これは恋愛の難しさが描かれている作品だったように思う。特に際立った理由のないすれちがいは苦しいと思う。だって「多分誰も悪くない」から。
つい先日まで恋仲だった2人のやりとりに苦しくなる。そっけないけど情を捨てきれない感じに見えた。気遣いの行動が多かったし、心の距離は遠いんだろうな。
女の子の言動がいちいちかっこいい。模様替えしちゃうのナイスすぎる。はじめは「人様の家を勝手にいじるなんて!」と思ったけど理由を聞いて納得。
最後振り返らなかったのは女の子なりの気遣いなのかな。過去は振り返らないと自分に言い聞かせつつ、男の子が気持ちを切り替えて前を向けるように。なーんて、できた話ないか。
「たぶん」と確証を持てない表現が、2人の絶妙な距離感を表しているように思う。とっても素敵。

4.未発表曲
書籍発売時点では公開されてなかった(のだと思う)曲の小説。
数行読んだだけで、「あの曲かも!」と分かったし、読み進めて確信に変わった。私はこの曲大好き。儚さが神。
登場人物の2人の性格が違いすぎるのに相性が良すぎる。ポジティブに開き直っている方と自分の行動や世界に対してネガティブに考えている方、に見えた。
人生の最後に2人が出会えて良かった。
あんまり書きすぎるとネタバレするからうまく書けない。強いて言うなら最高だってこと。

4つ総じて。
読めてよかった。小説を通して登場人物の輪郭がはっきりしたから、また曲を聴き直したい。歌詞はもちろん、Ayaseさんが織りなす曲にもっと注目したい。それぞれ曲調に理由があるかも。
ほかの曲の本もあるのかしら。大学にはなさそうだなー。

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