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太陽のモデルニスモ -バルセロナの建築たち②-

サグラダファミリアが見られたら、あとはもうオマケだと思っていた。でもそれだけじゃなかった。去るのが名残り惜しいと思えるほどに、バルセロナは魅力あふれる街だった。

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ガウディだけじゃないんだ。街のいたるところに面白い建築物はあって、ただ歩き回っているだけで1日が過ぎてしまう。写真はなんの建物かは分からないけど目立っていたから撮った。イスラム風のドームがどこかアレンジされたような不思議なかたち、物見やぐらのようだ。

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真ん中の家はガウディ設計のカサ・バトリョ。ウロコ状の屋根が日差しを浴びて輝いていた。仮面のような形のベランダも面白い。

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そしてこの日のメインの建築はリオ・モレラ邸。見学にはガイド付きのツアーに入ることが必須条件になっていた。

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外観のギリシャ式の柱はポップな花柄にアレンジされていた。ヨーロッパは歴史を大事にするし、こんな風に大胆に手を加える事はめずらしいんじゃないかな。
やりすぎだ!って誰かは怒るかもしれない。でもそれができてしまう、そんな自由で華やかな時代の空気がここにはある。

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入ってすぐのエレベーターがオシャレすぎた

もはや一瞬、エレベーターだとは気が付かないほどに装飾で満ちた木製の扉、見上げると楽器のような形をしている。凝ってるなぁ。

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かと思えば、今度は床に注目だ。植物のパターンもかわいらしいけど、反対側にはよく見ると火を噴くドラゴンがいる。小ネタ?を探す楽しさもある。

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そしてメインのホールがこれだ、太陽を全面に受けて輝くステンドグラス。植物、鳥たち、山々、そして青空、自然モチーフのデザインはシンプルでいて見飽きない。夏真っ盛り、南向きのこの部屋は温室みたいにとても暑かった。だけどまだ見ていたい。

ツアーには私ともう一人、ドイツ人らしき女性の二人だけだった。この場所の印象がとても強いのは静かにゆったり見学できたからかもしれない。今思えば、このホールの真ん中に立ってじっくりと雰囲気を味わえたのは贅沢な時間だった。

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外から見るとこんな感じ。こうして中庭に出る事もできる。ステンドグラスの間が見学できるのは1階だけだった。

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どことなく伊藤若冲っぽい。ガイドの女性に「このデザインは日本からの影響もありますか?」と聞いてみた。

「アール・ヌーヴォーは東洋からの影響もあるし、あり得るかもね」

なんとも言えない、さらっとした返し。向こうのガイドって変にかしこまらないというか、こういうラフさがある。
こういう点、日本の場合は仰々しくなりがちだけど、何気ない会話をしながらアートを楽しめるのはヨーロッパの魅力の一つかもしれないな。

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おまけ

同じ日に寄ろうと思っていたガウディ設計のカサ・ビセンス。あいにくの改修工事中で入れなかったものの、これはこれでサグラダファミリアっぽいなと思って撮った一枚。旅はいつでも出会いと一瞬と偶然の連続だ。


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