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教師になることを諦めて教師になった


元々は教員志望だったんです


私は心理系の大学院を修了し、心理士の資格を取って医療分野に就職しましたが、元々は教育学部の出身です。

教員養成コースにいたので、教員免許も持ってます。一応。

しかし、教員の道は割と早い段階で諦めました。
向いてないな、と思ったんです。
自分が学校の先生として生徒に関わっているイメージが全く湧かなかったんですよね。
そもそも私が教員を目指そうと思ったのは人に何かを「教える」ことがそこそこ得意だったので、それを仕事にしたかったんですよね。

でも教育学部で学ぶうちに、自分の求めているものと教員の仕事がどうも重なりにくいことに気がつきました。


人前に出て喋ることがめちゃくちゃ嫌だった


大学では演習系の授業もあり、そこでは簡単なミニ授業を他の学生の前で披露することがありました。
そして私は、それがもう本当に嫌でした。大勢の前に立って話すことが苦痛でたまらない笑
これは教員を目指す上で致命的でした。
知っての通り教員は30〜40人ほどの生徒の前で常に話すことが求められるので、人前で話すことができないと仕事になりません。
ましてやある程度顔見知りである大学生の前で話すことも嫌なくらいだったので、これはもう無理だな…と半分悟りかけていました。
それまで人に教えた経験はあくまで1対1だったり、少人数くらいのものでしたしね。


教育実習で感じた「差」


そして決定的だったのは、大学3年の教育実習での経験でした。
もうあまり覚えていないのですが、おそらく中学校?の教育実習の時、たまたま同じ中学校で実習していた同期がいました。
指導教員が別の先生だったので実習中に会う機会は殆どなかったのですが、確かその日の実習の帰り道に偶然校舎内ですれ違いました。

私は帰りがけだったのですが、その同期の女性はグラウンドに向かって行く途中でした。
「まだ帰らないの?」と聞いたところ、これから生徒に誘われて部活に顔を出しに行くとその子は答えて去っていきました。
その後も何回か夕方グラウンドに走っていく同期を見て、「ああなるほど、ああいう人が教員を目指すんだな」と思いました。それと同時に「うん、自分にはアレは無理だな」と気持ちいいくらいに自分の中で答えが出ました。

教えることは割と好きであっても、小学校や中学校における教員という仕事はおそらく向いてないし、自分自身望んでいないことでもあると気づきました。


そして私は教員になった


その後私は教員採用試験は受けず、紆余曲折を経て心理系の大学院受験を目指していきました。
そしてそれから何年か経ち、心理職を辞め、なぜか私は専門学校の教員になりました(もう辞めてるけど)。
人前に出ることは病院職の経験でいくらか慣れた部分もあり(グループのファシリテーターなどもやってたので)、またある程度年齢が高い専門学校生であればまた実習の時と違う関わり方ができるんじゃないかなと思ったからです。
それに国語や数学などの5教科ではなく、臨床経験があり元々自分が好きで学び始めた心理学なら楽しく教えられるんじゃないかなー、とも思いました。

なってみると割と学生との触れ合いは楽しく、学生の理解が深まると嬉しいこともありました。


改めて考えてみると、恐らくですが(あくまで自分の場合は、ですが)あのまま教員にならなくて正解だったんだろうな、と思います。
向いてなかったというのもありますが、一度学校の外に出てから改めて学校に入ってみると、疑問に思ったり「こうしてみたい」というアイデアなんかも出てきたりしました。

そう思うと、いつかまた「教育」という分野に何らかの形で関われたら、とも思います。

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