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グループワークトレーニングのすすめ

道徳や総合的な学習の時間に、よく行われるグループワークトレーニング。生徒・先生にとって、有益なものになるよう要点をまとめました。

グループワークトレーニングとは

二人以上の個人が集団活動に参加することで相互に影響を受け、心理的に 変化・成長・発達するプロセスを生む活動


主な種類


「構成的グループエンカウ ンター」
「学校GWT」
「ひらめき体験活動」など


GWT のねらい


●集団に積極的に参画し、責任を分担して物事に取り組もうとする考え方を育て、行動変容を生むこと

教師が生徒に何かを教えるのではなく、生徒自身が自分で気づくことに重点を置いている。自分の考えたこと、感じたこと、友達や教師の言葉などをきっかけに様々なことに気づきがある。ある場面で友達や集団にとってプラスの行動をした時に、その行動が認められると「行ってよかったな」「次の時もやってみよう」という気持ちが生まれる。このことが、その生徒自身の行動変容につながる


GWTで大切にしている考え方

1.GWT のステップ
実施ー振り返りー気づきー意識化・日常化ー変容・成長
実施から成長を得るまでに、上記のようなステップがある

2.「今ここ」で起こっていることを
日常の行動にはとらわれず、先入観を持たずに参加する

3.結果に至る過程
グループ活動で出された結果だけでなく、その結果に至るまでの過程を大切にする

4.自分自身を振り返り、自ら気づく
教師が生徒に何かを教えるのではなく、生徒自身が自分で気づくことに重点を置く

5.プラスの面の気づき
生徒がプラス面を認め合うことで、グループ内の雰囲気も和やかになり、生徒は自信を持ちグループ活動への意欲も増す

6.自ら行動変容する
気づきが最終目標ではない。活動を通して気づいた事を自ら意識・行動し、習慣化することが大切

7.認め合える雰囲気
生徒同士が互いに気づき合い、それを伝えあって共に成長する
素直に自分を出すためには、暖かく支持的・許容的な雰囲気・安心感が必要
これらを作り出すことも、教師の役割の一つ

8.集団の中で個が育ち、個の成長で集団が育つ
グループに出された課題を解決していく過程で、仲間意識が生まれ、同じ目標に向かって協力し、達成感を分かち合うことで、人間関係も深まる

9.機能的リーダーシップ
●課題達成機能
話を進める、情報や意見を出す、結論を出す、役割分担をするなど、グループの目標を達成するための行動

●集団維持機能
意見を言うように気配りをする言い過ぎ 疲れを和らげるなどグループの雰囲気を良くする行動

10.当事者意識の育成
集団組織に義務的に参加したりお客様的に参加するのではなく自ら進んで積極的に参画し責任を分担する協働者の育成

11.教師自身の成長
教師自身もクラス学年学校の当事者意識を持ち成長し続ける


実施までに

1.先生が体験する

2.ねらいを決める

3.メニューを選ぶ
・知り合うGWT
・力を合わせるGWT
・情報を組み立てるGWT
・聴き方方を学ぶGWT
・コンセンサスの良さを学ぶGWT
・友達から見た自分を知るGWT

4.グループメンバーの構成を考える
生活班・行事班・学習班

5.用具などを準備する


年間プログラム例

4月;話すこと聞くことを学ぶ
力を合わせるGWT/情報を組み立てるGWT/聴き方を学ぶGWT

5月・6月;役割分担や時間配分を学ぶ
力を合わせるGWT
コンセンサスの良さを学ぶGWT

7月;仲間から認めてもらう
友人から見た自分を知るGWT

9月・10月・11月;リーダーシップやフォロワーシップを学ぶ
コンセンサスの良さを学ぶGWT/力を合わせるGWT
リーダーシップやフォロワーシップGWT

12月;気持ちよく2学期を締めくくる
友人から見た自分を知るGWT

1月・2月;協力することを楽しむ
情報を組み立てるGWT
力を合わせるGWT

3月;良いクラスだったと思える
友人から見た自分を知るGWT


活動中の関わり方

1.何を観察する ①を通して②・③を知る
①個の行動・発信内容・仕草・表情・声の調子
②個の感情や気持ちの流れ(物の見方・考え方・価値観・欲求・こだわり・動機)
③各グループの動き(課題解決への働きかけ・生徒同士の関わり方)

2. 観察する理由 よりよい援助をするための観察

生徒の主体性を尊重しながら援助勇気づけを行うため
振り返り時に良かった点改善すべき点などを詳しく伝えるため

3.ポイントを決めよう
狙いに沿って観察する
振り返りシートの項目に沿って観察する
ひとつのグループに的を絞って観察する
特定の生徒の動きを追う

4.振り返りシートで見る

5.観察する時は記録を取ろう

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