マガジンのカバー画像

Journal de Paris

48
運営しているクリエイター

#旅行

Tシャツを着る

Tシャツを着る

フランス語でいいなぁと、しっくりとはまることがあって、これはこの組み合わせ以外じゃあなかなかむずかしいよな、と納得してしまうことがある。

フランス人男性が”Parisien"とプリントされたTシャツを着ているときに。

友人のフランス人が東京に遊びにきて、そのTシャツをさらっと(しかもだいぶ体にくたっとなじませて)着こなしていて、これはもう真似できようがないんだなふむふむと納得してしまっていた。

もっとみる
車でパリのはずれまで

車でパリのはずれまで

朝おきて、紅茶をのみながらしばらくしていると電話があった。昨日、話をきいてくれた保険会社の女性からで、病院の予約をとることができたということだった。ありがとうございますとお礼をいい、午前中の診察だったのですぐに身支度をしてuberで車をよんで病院にむかった。

30分ほどして、パリのはずれの閑散とした住宅地の中にある病院についた。歩道には街路樹が整然と植えられていて、車はほとんど走っていなかった。

もっとみる
街をゆっくりと歩いて

街をゆっくりと歩いて

瑠衣さんの通う学校まで迎えにいくことになった。階段から転んで落ちてしまい、足をひねったそうだ。心配なのでいかないわけにはいかない。メトロに乗ってペレティエという駅にいき、隣にあるカフェに入って授業が終わるのを待った。雨が降り続いてとても寒いので、暖かいエスプレッソに砂糖を入れて、くいっとのんだ。そして持っていた本をとり出してとりあえず読んでいた。

授業が終わったという連絡が来たので、外にでて学校

もっとみる
レパルスとメル

レパルスとメル

滞在先の家主が旅行にでかけるので、しばらく二匹のカメ、レパルスとメルと過ごすことになった。

メルは食事の時間がとても待ちどおしいようで、通りがかるたびにこちらをじっとみてくる。今日は食事の日ではないといっているにもかかわらず、あいかわらずこちらをみてくる。そしてレパルスは、そこまで食事には興味がわかないようで、食事の時間がきても、しばらくぼおっと外を眺め「あ、食事だったんだ」と気がついてからよう

もっとみる
ホワイトボードは白いまま

ホワイトボードは白いまま

すこし前から降りつづいている雪は、今朝にはけっこう積もってしまっていた。窓の外にみえる木は雪でおおわれ、地面はところどころが白く隠れている。空はあいかわらず曇っていて、窓をあけると空気はひんやりとする。

こんななかで、トラムにのるのは少し不安だったので、メトロにのって、学校にむかった。メトロはまったく問題なく動いている。むしろいつもよりもすいていて、席もずいぶんとあいているような気がする。駅につ

もっとみる
雪が街をおおいはじめる

雪が街をおおいはじめる

週末から急に寒くなってなってきた。もうすぐそこに、春が近づいてきているような陽射しだったというのに、2月になったとたんこれだ。それにくわえて先日から降っていた雨が、こんどは雪に変わってきた。東京の街では雪がすごいらしい。と、ついこのあいだまで言っていたのに、今度はこっちがそのようになってきた。

空から降ってくる氷の結晶は、ひとつひとつがとても小さく霧がかり、街をおおうように降りつづいている。夕方

もっとみる
雨の蚤の市、クリニャンクール

雨の蚤の市、クリニャンクール

ついこのあいだまで天気がよかったというのに、うってかわったように寒くなってきた。この週末は、蚤の市にいってみようかと計画をしていたのに、そんなときにかぎってとても寒い。しかも朝から雨がふってきた。もうすこし、聞きわけのいい天気だったらいいのに。僕たちの予定になんて、まったくもってかまっている暇はないようだ。

持ってきていたものの、トランクにつめられたまま、着ることがなかったダウンを引っ張りだした

もっとみる
カードゲームは行われる

カードゲームは行われる

読書でもしようかと思ってカフェに入った。そのカフェは前から気になってはいたものの、あんまりひらけた感じがしていなくて(どちらかというとバーのような雰囲気があり)、入れていなかったのだけれど、そんなことをむやみに考えても仕方ないので、その日はそれとなく入ってみることにした。

外にはごくごく控えめな小さなテラス席があり、入ると白い色の布のカーテンがついた窓際の席がある。そしてもちろんカウンター席とテ

もっとみる
おいしいバゲットとワイン

おいしいバゲットとワイン

ここ最近は雨が降るのも少なくなって、ずいぶんとすごしやすい。風はまだ少し冷たいものの、陽射しはまるで春のようで気持ちいい。せっかく晴れているのだしと思って、ついつい、うろうろとパリの街を徘徊してしまう。

そんな気持ちのいい気候の中、先日、フランス語のテストが行われた。何もこんなせっかくの陽射しがあるなかでテストだなんて、と思うのだけれど、「授業とテスト」という一連の流れとしてのカリキュラムは正確

もっとみる
パリのビオバーガー屋

パリのビオバーガー屋

パリの街では、ビオの食材やお店をほんとによく見かける。あたり前のように日常生活の中で目にしてしまうものだから、食事に出かけている時や、なにかを選ぶときも「ビオだしこっちにしようか」となることが多い。

ビオの食材のみを扱う「Bio c' Bon」というお店がいろいろな場所にあるのでとても便利だ。そういったお店でもなく、ごくごく普通の大型スーパーでさえも、ビオのマークがついたものがいろいろと必ずおい

もっとみる
会話はつづいていく

会話はつづいていく

パリの街で過ごしていると、見ず知らずの人との会話がごく自然に始まることがしょっちゅうある。「まあ、足をとめて適当な話でも」という空気がそこらじゅうであって、それは慣れてしまうと心地よくてとてもいい。

パン屋でたくさんの人が並んでいたとしても、それぞれがきちんとスタッフの人と挨拶を交わし(人によっては、世間話をしばらくして)、欲しい物を買い、ありがとうと伝えて帰っていくのが、一連の流れとなっている

もっとみる
どこからかしてくる一つの匂い

どこからかしてくる一つの匂い

パリの街を散歩していると、ふと、いつも気になって、目に止まってしまうものがある。それが近くにあると、まず見つける前に、あ、これは、とすぐに感づいてしまうぐらいだ(たとえ30Mくらい離れていたとしても)。近づくとやはりそれがあり、ついつい目にしてしまう。それくらい、ちょっとした滞在者でもそれに気がついて、興味をもってしまうくらいだから、パリジャンたちは、それに対してはかなり敏感になっていることだろう

もっとみる
温泉にいきたい

温泉にいきたい

そこにないものの話をしてみても、それによって、そこで実際に何かが変わっていく訳でもないので、そういった話はあまりしないようにしているけれども、ついつい、そういった話をしてしまうこともある。そしてそんなことをわざわざ日記に書くというのもどうなのかとも思うし、ほかに書くことがあるのではないのかと考えだすと、確かにそうかもしれないと思い、キーボードをうつ手も止まってしまいそうだ。じゃあいったい、何につい

もっとみる
家主のご夫妻との食事

家主のご夫妻との食事

パリでの滞在先は左岸のLourmelという駅の地域で、古い建物の1室をかりている。そこの家主のご夫妻にお誘いいただいて、一緒に食事をすることになった。聞いてみると、その日は、フランスの家庭料理をごちそうしていただけるそうだ。それはとてもたのしみだ。

夕方、キッチンからは、とてもいい匂いがしてきた。それにつられるように、とてもお腹がへってきた。料理ができあがったよという呼び声で、僕たちは食事をいた

もっとみる