私たちは思い込みの世界を生きている

「発達障害の素顔 脳の発達と視覚形成からのアプローチ」
山口 真美 (著)

自閉症スペクトラムのレッテルを貼られた子たちに世界はどう見えているかを教えてくれる本です。

自閉症スペクトラムのレッテルを貼られていなくても、私たちは思い込みの世界に生きています。

例えば、夫婦関係がうまくいかない時、優位性の幻想が潜んでいることがよくあります。自分は、夫または妻より優れていると思い込み、相手を否定的に捉えてしまうのです。私たちはいつも、「自分は善良な市民であり、より合理的な判断ができる」と思い込んでいるものです。60パーセント以上の人が自分の評価は平均より上であると回答するそうです。(「交渉の達人 ──ハーバード流を学ぶ」参考)

一人一人、見えている世界は違うのに、自分が見えている通りにみんなが見えていると思い込んでいて、しかも、自分の判断は正しいに違いないと信じている…

その結果、知らず知らずのうちに自分の価値観を人に押しつけてしまうのでしょうね。

「自分の当たり前は、本当に当たり前なのか」を立ち止まって考えてみる必要がありそうです。

息子は、授業に参加することが難しいタイプです。

「先生の言っていることがわからない。」と言います。

彼は、言葉を音として認識しているので、聞き間違えが多く、途中から理解できなくなります。特に、子音を聞き漏らしやすく、母音だけが残り、訳のわからない言葉に聞こえたり、母音の並びの似た別の言葉に聞こえたりします。

以前はわからない言葉をそのまま聞き流していた様で、会話が噛み合わないことがよくありました。最近は、聞き返してくれる様になったので、聞き取りにくい言葉がどんな言葉かを知る手がかりになりました。

彼が聞き返してきたときは、滑舌よく、ゆっくり繰り返し、言葉の意味も伝える様にしています。とても難しい言葉は使いこなすのに、私たちが日常当たり前に使っている言葉が聞き取れなかったり、意味を理解していなかったりします。

また、自閉症児には、外国語の習得に抵抗がなかったり、理科の成績がよいという特徴もある様です。彼にも当てはまる特徴です。

本書を読んで、こんな理由でこんなことが起こっていたのかと納得できました。

今は、「発達障害の教育学―『安心と自尊心』にもとづく学習障害理解と教育指導 窪島 務(著)」を読んでいます。序文を読んでいるだけで、「教育学を学んでそれを正解だと信じてきた教師たちにとって、発達障害のレッテルを貼った子たちを受け入れいるのは、相当難しいだろうな」と想像できました。この本からも役立ちそうなこと見つけたらノートに書いていきたいと思います。




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