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命がけのミッションに心震える映画『ファースト・マン』

IMAXで映画『ファースト・マン』を鑑賞してきました。この映画は、IMAXで観るべきです。臨場感が段違いなので映像体験を重視したければオススメします。

さて、この映画は人類が初めて月に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストロングに関する物語です。

あらすじをシネマトゥデイより抜粋します。

幼い娘を亡くした空軍のテストパイロット、ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、NASAの宇宙飛行士に応募し、選抜される。彼は家族と一緒にヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで訓練を受ける。指揮官のディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は、当時の宇宙計画において圧倒的優位にあったソ連も成し得ていない月への着陸を目指すと宣言する。
シネマトゥデイ

当時、宇宙開発に乗り出してたアメリカは、その分野でソ連に遅れをとるばかり。そこでアメリカは、ソ連を追い抜かし宇宙開発の主導権を握るため、月面着陸を目指します。
現在と比べると、当然ながら技術が劣る1960年代。ロケットに搭載されたコンピュータの性能は、ファミコン以下とも言われています。どれだけの危険が伴う偉業だったかは、想像を絶します。

本作について、はじめに言及したいことが“音”です。
ロケットの不穏な機械音、鳴り響くアラート音、ロケットの発車音、宇宙空間の無音、宇宙飛行士の曇った呼吸音。これらのリアリティ溢れる音が緊張感や興奮、感動を見事に演出していました。
さすがは『セッション』『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督。

この映画で特筆すべきことは2つあります。“死”“意義”です。

“死”について

冒頭、ニールは幼い愛娘を病気で亡くします。このことをきっかけに、ニールは募集していたNASAの宇宙飛行士に参加しますが、“死”の危険が高い宇宙飛行士を選んだことは、娘の死と無関係ではなさそうです。技術が進歩した現在でも命の危険を伴う宇宙飛行士。ニールの飛行士仲間も事故や失敗により命が失われます。

彼らはなぜ、命を賭して月を目指したのでしょうか。

その理由について、明確に語られることはありません。しかし、彼らの死を無駄にしないためには、誰かが成功する必要がありました。ニールが月面に立ったことは、彼らの命を繋いだということだと思います。

月に行く“意義”について

実話である本作は、東西冷戦や黒人差別といった時代背景が色濃く描かれています。宇宙開発に莫大な税金をつぎ込む政府に国民からは疑問の声が多く挙がりました。

「なんでソ連と宇宙開発で競わなければいけないの? 月にいけなくても誰も困らないでしょ? そんなことにお金かけるなら困っている人に分けるべきだ!」と。

しかし、結果的には「人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」というニールの言葉が表すように、人口衛星や医学への貢献、そのほかにも宇宙開発技術があらゆる産業に応用され、その後の人類の発展に大きく貢献しました。
何より“人類が月に立った”というその事実だけが、人類を新たな可能性に導きました。火をおこし、言葉を操り、文明を築き、産業を興し、そして地球を離れて月に到達する。結果論とも言えますが、月に行く“意義”は、人類の進歩に他ならなかったでしょう。


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