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私に絆を学ばせてくれた患者様と家族

生命を維持するという生き方でなく
あなたの生きるを証明する、生きた証をたてるような
与えられた命を生きていく、生き抜くには
何が必要か
どうすればいいか
そちらを考えていく中で関係性に関することで
頭に浮かんだのが絆で
そこについて、皆さんとこのnoteの場を借りて
考えていきました。


『絆』ということを
学ばせていただいた、大切な、記憶が私にはあります。
今日はそれを、共有したいと思っております。


 今でこそ、生き抜くうえでの大事なことは絆だと、
想っていますが、看護師として働き始めたころは
とてもそんなことを想えていなかった。
自分の人生の与えらえた時間
それは、いつも未来への不安と恐怖、
過去に対する不満、憎しみに
とらわれていて、今ここに集中するなんて
発想ができていなかった状況でした。


以前の記事にも書きましたが、
私は、特に父親との確執があり、そこを避けるように
遠方の就職先を選んでいる経緯があります。以下記事ご参照を。

https://note.com/toarusekitomo/n/n112b824d989a

 病院で臨床看護師として働くわけですが、
最初の私は、今看護している自分、
今役に立っている自分を、自分で認識することで
自分を保たせていた。
そこに対象の患者の身体、心、想いを本当に理解していたか。
そういわれると、私は自分のフィルターで対象の患者をみて
自己が言われてやるべき仕事を、
自分の立ち位置をなんとか作る、言い換えると
自分を保つために自分のためにしていたと思います。
半人前どころではなかった。


そんな中で、看護師を通して
たくさんの患者様とともに、生きる、時間を共にする
御家族と出会います。
とある、死を見据えざるを得ない、経過をたどっている
癌患者であるお父様を懸命に、見舞う姉妹に会います。

毎日交代で、必ずマッサージをしに朝、夕来られ、
病院の食事では口に合わないからと、
患者様の食べやすいお弁当を持ってこられる。
ですが、そのお見舞いの空気感がいつも、
明るく、懸命で、疲労感はありつつも、すがすがしいのでした。


私はその患者様を見舞うご姉妹をみて、
率直に以下をその当時思ったのでした。
『自分の家庭もあり、やりたいことや、やるべきことも
あるのに、、。
どうしてこんなに患者であるお父様に尽くせるんだろう
私だったら絶対に無理。私はできないな。

そして思わず未熟な私はそのご姉妹に、こんな言葉を口走るのでした。
(家族とのかかわりの中で、関係性ができ、お互いによくお話する
仲であったことを最初に述べておきます。)
『どうしてそんなに、お父さんのためにそんなに、頑張れるんですか』

そのときの、ご姉妹の表情が
この人は何を言ってるんだろう。。というようなびっくりした
表情で
私に諭すように、こう返答してくださいました。
当り前じゃないですか。家族なんだから。つながってるのよ。


その言葉を頂いてもその当時の私は
それでも、不思議だった。
でもそのご姉妹の頂いたことばと、その表情が
私の心に刺さり、何度も、何度も思い出すのでした。
それでも
私だったら父親にそんなことはできない。そんな想いさえ抱いており
私の心は冷たく、何も気づけず
そして、何もわかっていなかった。


そのご姉妹は、最終的にお父様を看取るまで
辛抱強く家族で力を合わせ、
患者様である父親に、逃げずに、対面していた。
その強い意志と一貫性に触れ
私は、彼女達がおっしゃってくれた言葉、
『つながってる』とは?
『家族』とは?
どういうことなんだろう。
そう考えこみました。


そして、さもわかったように、看護師として
御家族にかかわり、サポートしているけど
結局私は、
なにもわかってない。
自分のつながりも自覚してない私が、
何をできるんだろうと、
そのご姉妹の一貫した、介護する姿勢を通して
思い知らされたのでした。


 この一連の担当患者様との
御家族との出会い、かかわりの中で、
私は、自分が自分しかみていなかったことを
思い知らされて
そして、父との確執を超えて、
絆について考えだすのでした。

私は、いつもいつも、看護師という役割を頂き、
その中で、出会う方から
育てられている
そしてその関係性の中でも大切な絆を
作らせていると、
後になって今、想うのです。

私が絆を、命を生き抜くうえで大切だと
思い浮かんだ理由がここにあります。
決して最初からわかっていたわけでなく、
今も、わかっている途中で様々な方の
支えのもとに、今絆をつくり
存在する絆に気づけているのだと思ってます

~今日もたくさんの絆に支えられ
その絆から、たくさんの気づきと
学びを頂きました。
その自分の生き抜いた命にありがとう。
そして、その絆の元
共に時間を過ごしてくれた皆様の
命にありがとう。
この絆にありがとう。おやすみなさい~

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