この春に、綺麗な栞をひとつ
小説って、編み物みたい
と思います。
かぎ針を
毛糸の、ちいさな輪っかへ通し
ひとつひとつ手を動かして
糸を列へ、列を面へと仕立てていくように
選りすぐった言葉を、重ねて結んで
一行ずつ丁寧に
文章を紡ぎ、物語へと仕立ててゆく。
どちらも本当に時間のかかる作業です。
でもそうやって、手間を惜しまず
細やかに編み込まれた細工が
ひとの心を魅了し、
そのやわらかい布地が
肌をあたたかく包み込むように
緻密に作り込まれた小説は
言葉にならない感動を生み、
深い余韻が胸を包んで
じわあっと続きます。
小説は、
心を働かせ、手を動かしてできあがる
すてきな編み物なのです。
*
毎日を忙しく過ごしているあなたも
この小一時間だけ、
ちょっと手を休めて
読書にとっぷり、浸ってみませんか。
今日は、
丁寧に、丁寧に仕立てられた
読み応えのある小説を
紹介させてください。
百年の子
みかづき
椿ノ恋文
戸を開けると、
やわらかい空気が頬をなでる
ほんものの春がやって来ました。
辺りには
カステラ色の、ふわっとした日差しが
いっぱいに注がれています。
こんな春の日に
綺麗な栞をひとつ用意して
時間とたのしむ読書を
あなたも、いかがですか。
これからもあたたかい記事をお届けします🕊🤍🌿