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そばめしは故郷へ還る

そばめしって覚えてますか。

変な問いかけかもしれませんが、何年か前、冷凍食品になったりして、ちょっとしたブーム的なものがあったように思ってるんですよね。

そんなそばめしは、もともとは神戸のご当地グルメ。

神戸に住んだ時代があるのですが、関西出身の自分でも実際に神戸に住むようになってはじめて知ったので、本当に神戸ローカルなB級グルメなんだと思います。

それが市販の冷食になったと知ったときは、けっこう衝撃を受けた記憶があります。

でも、たぶんスーパーヒットというほどではなかったのか、それとも一瞬の流行だからこそブームなのか、いつの間にか話題にのぼることも少なくなりました。

🍚衝撃の出会い

とはいえ一時的にも冷凍食品として商品になったわけで、その頃は全国の食卓に並んだかもしれません。

細かく刻んだ麺とごはんを一緒に炒めるというけっこう画期的な料理なので、食べ物に興味のある人のアンテナを刺激したのではないでしょうか。

思うに、全国のみなさんとそばめしの出会いの多くは、冷食がきっかけだったかもしれません。

神戸という街には親戚もいましたし、なじみのある街だと思っていたのですが、実際に自分が住んでみてあらためていろんなことを知りました。神戸に限らず、懐に入って初めて知ることというのはあると思います。

そんなひとつの出会いがそばめしでした。

おなじ関西人ですけど、お好み焼き屋さんで、お弁当屋さんで、お惣菜屋さんで、あちこち見かけるこのメニューにはいつも「何やねん、それ」と思ったものでした。

そばとごはん両方一緒に炒めてしまう。
けっこう衝撃でした。

🍚焼きそばは標準語

神戸のお好み焼き屋さんでは、焼きそばのことを“そば焼き”と呼ぶことが多いように感じます。それも現地に住んではじめて知ったこと。

なぜなら、神戸に住んでいる親戚が遊びにきてくれたときに、みんなでホットプレートを囲んでお好み焼きをしたとき。

「次は焼きそば焼くよ~」
といったら、
「わぁい、焼きそば~!」
と、神戸のみんなは普通に盛り上がっていたからです。

これはまあ考えてみればわかることで、誰にでも通じる標準語ネームの“焼きそば”を知っていれば、わざわざ地元の人にしか通じない“そば焼き”と呼ぶ必要はありませんしね。

そばめしでふと思い出した、神戸コトバの想い出です。

🍚さあ、そばめし作りましょう

そんなこんなで今回のご当地グルメ再現は、神戸のそばめしです。

🍚材料
・中華麺
・ごはん
・豚肉
・キャベツ
・ねぎ
・お好みソース(とんかつや中濃でもOKです)

中華麺を茹でます。
もちろん市販の焼きそばでもOK。

ごはんも一緒に炒めるので、麺の量はそのあたりも考慮して用意するのがベターです。もちろん大盛でモリモリいきたい場合は、もう思い切ってどどーん、と作ってもいいです。もともとガッツリ系のメニューですし。

中華麺はごはん粒と合わせやすいサイズに細かく刻んでおきます。

具はシンプルに豚肉、キャベツ、ねぎにしました。

細かめに刻たんだ具をフライパンに入れたら、しばらく動かさずしっかりと焼き色を付けていきます。

加熱するときに混ぜ続けると、香ばしさが出ないので、じっくりと焼きつけてから一気に底から返すイメージで焼いていきます。

お好み焼きのカリカリの豚バラってあの香ばしさと食感が美味しいと思うんですよね。あのイメージ。そばめしも神戸では、お好み焼き屋さんのメニューですし。

🍚具が焼けたらそば&メシ

麺とごはんを投入します。

ざっと炒め合わせたらソース投入。

ソースの焼ける香りってほんっと美味しい香りですよね。

さて、もちろんここであのお皿の登場です。

思った以上に似合います。
もうこのまま680円とか書いた値札を添えてショーケースに入れたい。

🍳仕上げのトッピング

盛り付けたそばめしは湯気といい香りを立てていますが、見た目があまりにも不愛想。そこでトッピングをしていきます。

🍳トッピングの材料
・卵
・紅しょうが
・青のり
・かつおぶし

目玉焼きはソースの茶色に、ぜったい素晴らしい彩りを添えてくれるはずです。

ほら、なんかそばめしが輝いてきました。

さらにかつおぶし、青のり、紅しょうがでまるでトリコロールな彩りをプラスです。

🍚そばめし、故郷に帰る

自分にとっては懐かしい味のそばめし。

一時、冷凍食品で全国の人に知ってもらえたときは、なんだか鼻が高い気分でした。

東京に住むようになって以来、たまに家で作って食べることもあったのですが、その話をするとだいたい不思議そうな顔をされたものでした。

何、それ。

くらいの反応はまだいいほうで、けっこう気持ち悪がる友人も多かったんですよ。

でもそれはたしかに理解できる反応で、自分自身も神戸に住みはじめた頃は、なかなか手が出せないメニューでした。

いわゆる先入観がその一因で、そばはそば、ごはんはごはん、何で一緒にするのかわからない。

そんな考えがどこかにありました。

ただ神戸を離れて久しい今となっては、懐かしさを感じます。
だから今でもたまに食べたくなります。

メジャーデビューしたバンドや、かつてプロスポーツで活躍した選手、バラエティで一世を風靡したタレントをいつの間にか見かけなくなる。ある日気が付くと彼らの居た舞台には次の誰かが立っています。

でも彼らは消えてなくなったわけではありません。そして彼、彼女らを生み出した街の人たちはその活躍を忘れることなどありません。

一度でも世界を震撼させた彼らはおらが村のヒーローなのです。

そう、そばめしは今もやっぱり神戸の街で愛されています。
当たり前のように街に息づいていて、またきょうも誰かがそばめしを頬張っています。ビールのおともにしています。

こんど帰省したときには、久しぶりに神戸まで足を延ばしてみようかな…なんて思っています。


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