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心理カウンセラー 兼 非常勤講師の端くれの端書き 3/3 ~学びを深める心がけ~

こんにちは、心太です。

前回は非常勤講師として、講義作りのときに心がけることを書きました。

前々回は「“飽き”をどう防ぐか」
前回は「学生から意見を引き出す工夫」
でした。

今回のテーマは、「学びをより深める」です。

“ラーニングピラミッド”という言葉をご存知でしょうか。
学習方法別に、学習内容の定着度が異なることを提唱した理論です。
調査の仕方には批判があるものなので、全てを鵜呑みにするわけにはいかないものですが、体験的・直感的にはうなずけるもので一つの指標にするには良い材料だと考えています。

※ピラミッド右側の数字には根拠がないらしいのでご注意を

ご覧のように、講義(講師の話を聞くだけ)による学習定着度は最も低いものです。
初めてピラミッドを見たときの感想は、「やっぱりなー」でした。
授業で先生の話した内容はほとんど覚えていない、なんて方が大半なんじゃないでしょうか。
今回はそんな弱弱な講義をパワーアップさせる心がけを言語化していきます。

さあいってみましょう。

学びを深める①:文字だけではなく画像やグラフなど視覚的な情報を重視する

漫画や映画、それにTV番組など、視覚的な情報も含めて得た情報は頭にばっちり残っていたりする。
これは画像内の情報から、色々な知識や記憶を無意識的に連想するからだ。
人間の脳は、色々な情報を関連させたり連想させたりした方が、記憶機能が向上することが分かっている(意味ネットワーク理論)。
Noteの書き方でも、記事内に画像を入れるように勧められているが、これも記憶に残りやすいような工夫なのだと思う(文字を読む上での休憩地点でもあると思う)。

なので、私の作る講義資料(パワーポイント)は文字数を少なく、画像を多めに使うことを心がけられている。
具体的には、3~5スライドに一つは画像が主役のスライドを作るようにしている。
言葉による知識は口頭もしくはプリントに詳しく記載するので事足りる。
さらに、昨年は動画編集のスキルを習得し、アニメやお笑いを心理的に解説する手法を取り入れ、学生にはバカ受けだった。
期末試験の正答率も上がったところを見ると、学習定着的にも意味があったようだ。
(吾峠呼世晴先生・ペコパ先生ありがとうございます)

※ペコパ先生にはリフレーミングという心理テクニックを説明する際に、ご登場いただいた

学びを深める②:知識を得るだけでなく体験する機会を作る

私の作る講義で、授業の間ずーっと話を聞いているだけ、という回はない。
それどころか、毎回半分くらい(以上かな)の時間を体験や応用の時間としている。
1コマが90分の講義なので、だいたい30分~50分は座学で、同じく30分~50分が体験・応用の時間だ。

体験学習は、心理テストの体験や、グループで行う心理的な働きが実感できるようなゲーム、リラックスしたりストレス解消ができるエクササイズなど。
知識の応用は、ひとの話を上手に聴く技術の実践や、逆に自分を知ってもらう会話のコツ、心理理論をもとに他者の行動や状況を分析するワークなどなど。

そして、これらは参加するもしないも自由にしている。
特に心理テストなんかは、知りたくもない自分を知ってしまう可能性があるし、グループワークは人前で意見を言うのが極度に苦手な学生もいるからだ。
とはいえ、ワークの前に雰囲気作りや、こころと口の準備運動(アイスブレイク)をすると、大抵の学生は参加できるので、この辺りの下ごしらえも大切なのだろう。

なににせよ『百聞は一見に如かず』ということで、机上で終わらせず、いかに学習内容を現実に顕現させるかは自分の重要な役割だと考えている。

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といったところで今回はここまで。
学びを深めるための心がけとして、以下の2点を挙げました。
①画像や動画、図やグラフなど視覚的な情報を重視する
②体験する機会を設けて知識と現実を結びつける

全3回に渡り、非常勤講師として講義を作る上での心がけを書きました。
投稿する段階で、いくらかの要素を削ったり、書きながら考えること・感じることもあったので、そちらはまた後日まとめたいと思います。

では、また。


心太


『百聞は一見に如かず 百見は一考に如かず 百考は一行に如かず 百行は一果(効)に如かず 百果(効)は一幸に如かず 百幸は一皇に如かず』と続く。
聞くだけでは足りず、考え、行動に至らなくては本当の理解は適わず、行うだけでなく個人と、そして社会の幸福足り得なければならないという意味と解釈できる。

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