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心理カウンセラー 兼 非常勤講師の端くれの端書き 2/3 ~意見を引き出す講義の作り方~

こんばんは、心太です。

前記事から、非常勤講師として講義を行う上での心がけを言語化することを始めました。
まだまだ未熟者なので意見や反応などコメントくださると幸いです。

前回のテーマは、「“飽き”をどう防ぐか」でした。

今回のテーマは、「学生から意見を引き出す工夫」です。

現在学校のオンライン化が急速に進んでいるため、ニコニコ動画の流れるコメントのような、Youtubeのコメント欄のような、意見をリアルタイムで書き込めるツールを活用する時代もすぐに来るでしょう。
ですが、学内のネット環境や、デバイスやアプリケーション、そしてセキュリティの問題など、案外面倒なことも多く全ての教育現場で導入されるのはもう少し時間がかかると推測します。
なので、今回は従来通りの環境での心がけを書いていきます。

さあいってみましょう。

学生から意見を引き出す工夫①:匿名性を持たせて責任を分散する

前回の記事で、飽きを防ぐための方法として、「クラスメイト同士で話し合う時間を設けること」を挙げた。
話し合ってもらうことには、実は飽きを防ぐ以外にもう一つの狙いがある。
こと国内においては、集団場面で個人の意見や疑問を言うことは非常にストレスがかかる。
そこで、4人~6人の小グループを作り、グループごとに話し合った内容を極々簡単に発表してもらうと、ほんの少しだけ匿名性を持たせることができる

当然それを強調するような声掛けをすることも重要だ。
「“グループAでは”どんな意見が出ましたか?」
「“色んな意見が出たと思うけど、いくつか”教えてください」
などなど

兎にも角にも代表で発表する学生の責任を軽くするように、グループの意見ということを強調する(責任の分散)。

学生から意見を引き出す工夫②:否定をせずに尊厳を守る

個人的には信じられないような事実だが、学生がせっかく表現した意見や質問を、頭ごなしに否定する講師もいるらしい…(「今までなにを学んできたの?」とか)。
控えめに言ってもクソだと思う。

「あ~あ、言って損した」
こんな風に思わせるのは愚の愚だ。
残るのは嫌な体験をした記憶だけになり、下手するとその学問を学ぶこと、その理論自体を嫌いになってしまう。
これは教育の本質の真逆とも言える結果だ。
クソだと思う。

私的には、良き意見はもちろん、間違ったこと(あくまで知識的・理論的にしか過ぎないけど)を言ってくれるのは非常にありがたい。
理由は二つある。
理由1:講師である自分の教え方、話し方の誤りを正すことができる
理由2:同じような間違い・勘違いをしている他の学生の誤りも訂正できる
※意見を出した学生が恥をかかないような配慮も重要(本当は間違うことは恥ではないのだけれども)

どんな専門家も最初は初心者だ。
間違えることは否定されるべきものじゃなく、むしろ歓迎されるべきだと考える。
とはいえ、間違えたくないのもまた人情。
「間違ってもいいんだ」ということを学ぶ機会を作ることほど教育的なことは、そう多くはないんじゃないかな。

*****************

といったところで今回はここまで。
学生から意見を引き出す心がけとして、以下の2点を挙げました。
①匿名性を持たせて責任を分散する
②否定せず間違っても尊厳が守られる状況を作る

では、また。


心太

→3/3のリンク(coming soon)

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