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知識について〜最初のテストは要注意


  1、1学期が重要


6月は定期テストの時期です。


中1と高1にとっては、入学後、初めてのテスト。

高1は受験を経験していますので

緊張感を持ってテストに臨むかもしれませんが

中1生のほとんどは定期テストの大切さを

まだよく理解していないかもしれませんね。


長年、子供たちの様子を見てきて分かっていることは

1学期で成績が振るわない場合、

なんらかの対策を取らないままでいると

その後は成績がズルズルと落ちていくばかりで、

自己肯定感も低くなる傾向にあります。


目標としては最初の定期テストで

中学生なら8割以上、高校生なら7割以上は

得点したいところですね。


中1の場合は最初のテストは簡単ですから

各教科80点前後くらい得点して欲しいところですが

もしもそれ以下の点数ならば

すぐに対処した方が良いでしょう。


  2、子供たちの素性と特性


1学期で成績が振るわないのは

その子の特性、考え方、生活習慣などに

固有な原因があるせいだと見ています。


「固有」というのは・・・、もしかしたら環境が変わって

無気力になってるかもしれないし

これまでの生活の中で知識をつける大切さを

意識してこなかったもしれません。


生まれつき文字や数字を理解するのが

苦手なケースもありますし


大人っぽい考え方をする子なら「自分には勉強は必要ない」

と割り切っていたりと色々なケースが考えられるというわけです。

ですから、よく言われている「やる気が出ない」とか

「学習習慣が身についてない」といった単純な理由というのは

ほとんどありません。


実際の例を挙げますと、部活動(運動部)に熱心な子が

家ではゲームや漫画ばかりで、中学生活のスタートから

勉強につまづいてしまいました。


母親の話では勉強の習慣がなかなかつかず

家庭教師をつけたが、それでも成績が上がらない

ということでした。


そこで私は直接お子さんとお話し

ご家庭の様子も拝見しました。


子供が勉強しないのは、お母さんが思っている理由と

実際に起きている事実との間に

随分とギャップがあると感じました。


  

3、勉強しない・できない理由はそれぞれ



勉強できない、勉強しない理由が「勉強する習慣がないからだ」とは

一概に言い切れません。


この子の場合は学習のことよりも

ご家族の生活習慣に問題がありました。


家の中があまりにも散らかっていて

色々な物で溢れかえっており

ゲーム、おもちゃ、本、テレビなど

すぐ手に届くところにあることが

大きな問題だと分かりました。


多少の散らかりがあった方が頭が良くなる子に育つことは

大学などの研究で分かっているのですが

このご家庭では全てのものが雑然と

置かれている状況だったので、

それは家族全員が丁寧に順を追って物事を考えずに

短絡的な思考で行動している表れでした。


物事の優先順位を論理的に考える習慣が

このご家庭にはないようなので

この習慣が子供の思考に悪影響を与えていていたようです。


ですが、母親はそれに気づかず、勉強できない原因を

子供のせいにしていたというわけです。


  4、とても時間がかかる


運動部で活躍できる子が家に帰ってきて

全く勉強しないというのは不思議でしかありません。


部活で活躍できるということは

勝利を得るための戦略を論理的に考えて

実践できるということです。


これは勉強にも応用できるはずですから

スポーツのできる子は基本的に勉強もできるのです。


ですから、スポーツができて勉強ができないというのは

全くおかしな話なのです。


つまり、この子の場合、何が起こっているかというと

単に「勉強しない」と決めているだけなのです。


ですから、対処しなければならない問題は

子供が「勉強しない」と決めた「きっかけ」が何だったのかを

調べる必要があるわけです。


ただし、これは容易な作業ではありません。


子供の性格もありますし、これまでの子供への関わり方も関係しているので

絡んだ糸を一本ずつ解いていくように

一つ一つの問題を解決していく必要があります。


勉強しないと決めてしまった気持ちを覆すことは並大抵なことではできず、

まして、自己肯定感が下がっているものを

上げることも考えなければならないので

相手が子供であろうと一人の人間を変える(成長させる)というのは

かなりの時間がかかります。


たとえ強制的に塾や家庭教師をつけて、目先のテストで

点数が上がったとしても、子供の心の奥底にある思考部分は

そう簡単には変わらないですから

またどこかで爆発してしまうのは目に見えています。


  5、知識の大切さを教える


勉強できない子、勉強しない子に対して

テストの点数の話をしても全く響きません。


成績がどんどん下がるのを見て

親としてはとにかく点数を上げなければと

慌てて塾を探すかもしれませんが、学習の基本を忘れてはいけません。


それにテストで高得点を取ることが、本来の勉強の目的でもありません。


第1に取り組むべきことは、知識を獲得する大切さを理解させることです。



知識には何1つ無駄がない。

どこかで必ず役に立つのが知識。

知識は一生の宝。

知識は簡単に奪われることがない。

知識は人生を豊かにするもの。


こういった内容のことを「点滴石を穿つ」の精神で

コツコツと子供に伝える必要があります。


言葉に触れる大切さ

情報に触れる大切さを知る。


疑問に思ったこと、知らないことが出てきたら

とにかく直ぐに調べる。(今ならAIで簡単に調べられます)


点数を取ることを教えるのではなくて

知識と向き合う大切さを教える。


これを理解させるためには

非常に時間がかかることなのです。


勉強しろといっても勉強しないのは

その理解に至ってないからです。


たとえテストの点数が良くなっても

クイズ的な問題を解くのが得意なだけで

知識の本質について何も知らないこともあります。


成績の向上には早期の対策と

個別の対応が不可欠であり、

知識の重要性を理解させることが

最も重要です。

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