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不測の事態に向き合う

こんにちは、根岸です。Ha' Matchaシリーズをきっかけに武家茶道・石州流伊佐派の社中に加わり1年と10ヶ月。先日護国寺で行われた柳営茶会に参加しました。

今回は「お運び」という持ち場。茶席で菓子器やお茶をお出しし、下げる、お出迎えなど、お客様に接する役割です。

紫の門幕をくぐるとその先には茶席が広がる。
案内役は手に持つ羽箒で空間を清めながらお客様を先導する。

「茶会は生き物」という言葉に聞いていた通り、事前に準備や稽古を重ねても、をしても想定通りにはいかないもの。

決め事をなぞるのではなく、場の流れをつぶさに感じ取り、臨機応変に立ち振る舞う。仲間と連携してうまく動けた瞬間は大きな達成感があります。

表に出る御点前やお運びはもちろん、茶席を裏で支える水屋チームとも連携して会を進めていく。


そしてもう一つ心に残ったエピソードがあります。自分が別の茶席に客として参加した際、少しのアクシデントが起こりました。一瞬場が冷やりとする中、亭主はそれをむしろ笑いに変え、緊張していた場を和やかにしてしまいました。大勢の前で平謝りされれば相手もかえって恐縮してしまう。相手に気を遣わせず、場を和ませる機転と心遣いを目の当たりにしました。

鍛錬や稽古を重ねた先にある、「お茶の世界は自由でクリエイティブ」という言葉。その一面を実感できた1日でした。

次回の茶会は5月の六義園。今度はついに御点前デビュー?ができるよう、稽古を重ねていきます。

背の高い高台が付いた茶碗は「馬上杯」。その昔武士が馬に跨ったまま片手でお茶を飲み、最後になるかもしれない覚悟で戦へ向かったという。現代では、より良い未来へ向かうための出立の茶として受け継がれている。

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