心理的安全性

今さらながら、結局この「主体性」を教育の場にどれだけ確保できるかが鍵だと最近よく思います。
子どもの主体性はもちろん、教員の主体性、校長・教頭の主体性、学校の主体性、教育委員会の主体性、保護者の主体性。どれか1つを作り上げてもダメだし、多分すべてがつながっています。
そして、学習に対する主体性だけでなく、行事に対する主体性、部活動に対する主体性、学校生活全般に対しての主体性、進路に向けての主体性。これも全部つながっています。

では、それをどう育成していくか。
まず、自分で考える時間的な「ゆとり」の確保。
様々なことについて自分ごととして捉える「当事者意識」。
自分の考えたことを恐れず発言できる「心理的安全性」。

「心理的安全性」については、最近読んだ中原淳先生の記事が勉強になりました。というかちゃんと理解できていないことに気付かされました。

https://corp.en-japan.com/success/35034.html

『心理的安全性の概念を正しく理解するために、重要なことは2つです。一つは「心理的安全性」は「リスクをとること」と隣り合わせの概念である、ということです。つまり、常日頃から「リスクをとること」、別の言葉でいえば、「ストレッチ」を求められる「挑戦環境」である、ということです。ただし、対人関係上のリスクをとって挑戦した結果、チームメンバー間に亀裂が入ってしまっては困りますよね。だから、リスクを取った人を保護するセーフティネットが必要になります。そのセーフティネットが心理的安全性なのです。

 もう一つはチームのラーニング(学習)とパフォーマンス(成果)を高めるための概念である、ということです。つまり、心理的安全性を確保するということは、お互いに指摘し合ったり、ミスを開示し合ったりすることで、チームメンバー全員での学習を促し、その結果としてチームの成果を高めることを目的としている、ということです。』

心理的安全性がリスクを伴うことというのは、思いもしなかったけど、確かにその通りです。単なる仲良し集団では意味がありません。

同じ記事にこういう内容もありました。

『心理的安全性の最も重要な効果とは「チーム学習」の促進です。チームに貢献するために言いにくいことも言う、疑問に思ったことは率直に質問する、自らの失敗を進んで共有する。このような健全な意見のぶつかり合いや情報共有によってチームメンバーは効果的な行動や適切な判断を学んでいくことができます。』

学校において、建設的な議論をして、学び合い、高め合う、そんな職員集団ができれば、自走する組織として学校は成長していくと思います。そんな学校で学ぶ生徒もきっと主体性を持った、自走できる学習者となっていくでしょう。

そんな学校を作っていくために、まず教育委員会が主体的に考え、そして学校においては、まず校長が主体的に学校運営を行い、そして教職員が心理的安全性のもとで、活発な議論をして主体的な判断をしていく。そうすることが生徒に主体性を育み、生徒を自走する学習者として成長させる責任を果たすことができるのではないでしょうか。

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