教育改革を改革する ①


年末から年始にかけて読んだ本です。ここ数年教育関係の本をそれなりに読んできていますが、かなり考えさせられる、勉強になる本です。


筆者の寺田拓真さんは、文科省で教育改革に携わり、その後広島県で教育改革を行い、その後アメリカに留学するという経歴の持ち主です。その寺田さんが、「教育改革を改革する」という考えを持って、この本を書かれました。

寺田さんは、教育改革が「流行化」しており、行政から様々なプランやビジョンが「流星群」のように降り注いでいると捉えるようになったと言います。そして、メディアや産業界を中心に、単なる印象論や一般論で学校や教師を批判する主張が蔓延している。そんなトップダウンや外圧による教育改革には、教育を本当に変えることはできない。「誰かに変えられる」のではなく、「自ら変わるもの」でなくてはいけない。「現場発」の教育改革が必要。と考えるに至ったのです。

寺田さんの今の願いは「『教育改革』をしない、教育行政官になりたい」、夢は「子どもの自殺をゼロにする」こと。そのために、学校を、「自由な場」にすることが大事だと考えています。

学校改革ではなく、実践改善が必要。
そのきっかけとして、教師であったお父さんの影響、そして文科省時代に高校生(いじめを受けている)と懇談した際に「文部科学省でどんな仕事をしているんですか?それによって、学校からいじめはなくなるんですか?」という高校生の言葉。
寺田さんは、「単一の価値観」が「学校」を息苦しい存在にしてはいないか、子どもにとっての「学校の価値観」はもっと多様でいいのではないか、それを認められる学校でよいのではないか、という思いを強くすることになります。

(続きます)(多分)


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