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"長生きと断食"効果的なオートファジーの方法など

食事療法や食養などについては、様々な方法が言われています。こちらの記事では、長寿、長生きをテーマにした食事の方法などを執筆していこうと思います。

もちろん、長寿、長生きをするのなら、ただ単にそれを目指すのではなく、長寿、長生きになって"何がしたいのか?"がとても重要になるということを先にお伝えいたします。

長生きと食事量

食事療法や食養で、一般的に言われている方法は、"カロリー制限"です。

これはラットなどの動物実験で、カロリー制限をすると長生きすることがわかっているので、"あまりたくさん食べない"ことが大事ということになります。

私も1日約1,000kcalくらいの食事で、20年以上生活をしていますが、現状とても調子が良く、問題もまったくありません。

これについては腸内の状態が大きく影響するかと思いますので、詳しい話は以下の記事などをご参照下さい。

カロリーで見る日本人とアメリカ人

2021年の統計では、日本人の平均寿命は84.45歳(世界3位)で、アメリカ人の平均寿命は76.33歳(世界64位)ですから、日本人は平均寿命がかなり長いと言えます。

これは一説によると、「日本人はアメリカ人に比べて、カロリーを8割ぐらいしか摂っていないから」ではないかという人もいます。

ただ、もともとアメリカ人は日本人よりも体が大きく、それを維持するのに必要な食事量というのがありますから、「今の食事の8割にすれば良いよ」とアメリカ人に言っても、おそらく、お腹が減ってしょうがなくなってしまうと思います。

他の実験では、一般的な食事を摂っている人であれば、"現在のカロリーを15%ぐらい減らすと良い"というデータもあります。

ただし、食事については命に直結しており、限度もありますから、あまりにもカロリーを意識しすぎないよう注意しましょう。

自分の体を使った実験

私は仕事柄、体のことについての研究をするために、自分の体で実験をすることが多いのですが、体重の増減による体調などの研究をしている際、最大体重98kg、最低体重40kgにしたことがあります。

最大体重の時は格闘技などをやったり、胸囲は140cmで、プロレスラーのような風貌になりましたが、最終的に痛風と激しい胸痛(狭心症の手前)が出て、動けなくなるほどの痛みを経験し、すぐに減量を始めました。

最低体重の時は、体脂肪率1%までもっていきました。その時は、人の動きや音楽がかなりスローモーションになったり、クライアントのボクシング日本チャンピオンに「超人ですね!」と言われたり、幻覚のような世界を堪能しました。

上記のような経験は、それはそれで面白かったのですが、さすがに身長170cm、体重40kg、体脂肪率1%では、外出をしても約1時間くらいしか行動できず、かなり危険だと認識をしたので58kgくらいに戻しました。(中庸が重要ということです)

長期的なカロリー制限をせずに長生きする方法

私のように体で実験をして楽しむことができる人はごく少数だと思います。一般的には急激に食事量を減らし、それを維持する行為は十分に注意が必要である。と記載しておきましょう。

「できるなら長期的にカロリー制限をしないで生きる方法、長生きをする方法はないか?」と探している人は多く、最近、最も有望だと思われるのは"断食"です。

つまり、断食をすると長生きができるというデータがあって、Natureに載っていた論文によれば、"断食をするタイミングは夜が良い"そうです。

一般的には人でも他の動物でも、12時間断食をして、次の12時間で食事をとる手法が多いです。この断食の方法は"24時間サイクル"ですから、1日の中で完結することができます。

しかし、もっと良い方法は"48時間サイクル"にして、20時間断食をして28時間の間で食事をとるという方法です。

この"48時間サイクルの断食法"は、24時間サイクルよりも、さらに寿命を延ばすということが分かってきました。

これはショウジョウバエの実験ですが、まず夜を挟んで20時間断食をしてもらって、次の28時間は好きに食事をさせて、また20時間断食をしてもらいます。

これをやると、自由に食事をとっているショウジョウバエよりも、寿命が延びるということが分かっていて、メスで18%、オスでは13%寿命が延びたという実験結果があります。

ノーベル賞のオートファジー

皆さんご存知かもしれませんが、断食のメカニズムとして、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した東京工業大学のDr.大隅良典が提唱した"オートファジー"というものがあります。

もともと断食療法は1904年頃から西勝造氏によって研究され、1927年に「医学の革命」としてほぼ確立されていたのは"断食療法業界では有名な話"です。

ノーベル賞を崇めたり有難がるわけではありませんが、1927年から89年後の2016年に、ようやく世界的に"断食療法が社会的に認知された"ということで、私はこれを心から喜ばしく思います。

首相官邸のHPで、オートファジーはギリシャ語でオート=自分自身、ファジー(ファゲイン)=食べること、という意味と記載がありますが、断食療法の世界では、かなり昔から"自己融解"という言葉が存在していました。

オートファジーを簡単に言えば、体の中のいらないようなものを分解するとか、体の中に入ってきた細菌などをやっつけるという意味です。

断食は夜に実施すると良い

という理由は、不必要なタンパク質を分解するオートファジーが、夜間によく起きて、昼間はあまり起きないという理由からです。(日周期が関係しているようです)

ですから、夜の間に断食をすると、その時にオートファジーが起きて、細胞の中がきれいになるので、それが長生きに関係するということが分かっているということです。

長生きと必須アミノ酸

必須アミノ酸は、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの9種類とされていますが、これを"少し控えめにする"と長生きするという論文があります。

ただしこれは、若い人には有効ですが、65歳以上の人にはあまり効果がないどころか、かえって問題があるようです。

若いうちは「肉!」みたいなイメージがありますが、本当はタンパク質をたくさんとらないほうが良いのかもしれません。

しかし、65歳以上の人は、タンパク質をとらないと具合が悪くなるようなので、必須アミノ酸のセーブは、年齢によって少し違ってくるということです。

おわりに

先述の実験も、若いショウジョウバエを対象にした場合は寿命が延びますが、ある程度年齢を重ねている場合は寿命が延びなかったり、反対に寿命が縮むという結果があります。

私自身、20代に大きな交通事故によって右半身を麻痺しましたが、様々な民間療法や治療法、最大8日間の断食、5年間ほど48時間サイクルの断食をし、現在では誰が見ても片麻痺をしていた人とは思われないほどに回復をしましたので、「断食の効果は素晴らしい」と言うことができますが、断食療法やカロリー制限、タンパク質制限などは、年齢を考えておこなう必要があります。

また、食欲旺盛な人が断食をする場合は効果的なことが多いのですが、もともと食の細い人が断食をおこなう場合は、致命的な状況となる可能性がありますので注意が必要です。

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