健康診断書

医者「うーん」

山田「先生、どこか悪いんですか?」

医者「いや、悪いというか・・・」

山田「先生、はっきり言って下さい」

医者「それでは申し上げます。脈拍と呼吸がなく瞳孔が開いてます」

山田「ってそれ、死んでるんじゃないですか?」

医者「医学的に言うと死んでます」

山田「でも私は動けるし話す事も出来ます。何かの間違いでしょう」

医者「詳しく検査させてもらえませんか?」

山田「健康診断書をすぐに会社に提出しなければならないんです」

医者「それでは呼吸と脈拍無し、体温は常温という事で書いておきましょう」

山田「よろしくお願いします」

(所変わって山田の勤める会社の社長室)

山田「健康診断書を貰って来ました」

専務「どれどれ脈拍無し? 山田君、君は死んでいるんじゃないのかね」

山田「でも私はこの通りピンピンしています」

社長「食欲は有るのかね?」

山田「それがここ一ヶ月何も食べていません。全然お腹が空かなくて・・・」

専務「何も食べなくていいのなら給料はいらないんじゃないのかね?」

山田「まあ、いらないっちゃいらないです」

社長「それなら無給で会社の為に働いてくれるか?」

山田「はい頑張ります。では私は仕事がありますのでこれで失礼します」

(山田退室)

社長「あの薬、よく効くじゃないか」

専務「あの薬を他の社員にもどんどん飲ませて全員無給で働かせましょう。その浮いた賃金は山分けという事で・・・」

社長「おぬしも悪よのう三河屋」

専務「いえいえ、お代官様こそ」

二人「クックックッ」

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