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台湾有事と台湾留学

 2022年8月7日、私は語学留学のため、台湾の桃園国際空港に降り立ちました。当日は雲の多いものの晴れており、台湾教育部の係員の方からにっこりと「明日は雨の予報だから、今日の渡航はラッキーよ」と言われ。台湾に「ようこそ」と言ってもらっているような、そんな気持ちで防疫手順を踏み、隔離ホテルに到着しました。
 ホテルでTwitterを開くとそこに「台湾は緊迫してるでしょ?」とか「台湾行くの怖くないんですか?」とかいうリプライが届いていました。この文章を書いている今は2022年8月、皆さんもご存じの通り、日々日々テレビで中国の軍事行動が報道されていれているので、台湾がすぐにでも危機にあると思う方は多いでしょうし、さらにもともと台湾留学に向けて情報収集をしたくて作ったアカウントなので、そういう質問がきていたのでしょう。
 なので、なぜ今台湾留学を私が決定したか、まとめておこうと思います。

台湾に住む人の生活状況

日本での報道は主に中国の軍事行動についてや、それに対して日本政府がどのように対応しているかばかりです。台湾に住む人の今の暮らしはほどんど報道されていませんでした。まずは現地の状況が知りたい!と思ったので、Twitterで台湾に住んでいる日本人の方のツイートを見ていました。

他にもいろいろな方のツイート見てましたが、普通に生活されています。あと、私の台湾人知人はみな40代、50代の社会人なのですが、彼らが私の台湾留学を止めようとしていないこともあり、(2021年5月に台湾でコロナの小波が起きた時には「今は絶対に来ないほうがいい!」と言ってきた人たち)今のところ台湾は普通に生活しているんだなと判断しました。

政府の情報を見る

 一応日本の中で一番情報が入るのは(集めようとしているのは)外務省だと思うのです。なので、現時点での外務省の海外安全ホームページを確認。今のところコロナによる感染症危険情報レベル2とサル痘による感染症危険情報がレベル1で、危険情報そのものについては発表なしですね。
 話が少しそれますが、2017年に北朝鮮が連日ミサイルを打っていたときに、韓国に渡航注意勧告のスポット情報が出たことがありました。当時、日本では連日韓国有事の報道がなされており、私が担当していた韓国との国際交流の実施の判断を迫られたことがありました。韓国の大学に連絡しても「こっちでは全然問題になっていませんよ(は?何言ってんだこいつ?)」状態でしたし、在韓日本大使館に確認をとっても同じ状態で結局スポット情報が出たまま、学生たちを渡航させました。
 何の発表も出ていないことを見れば、現時点では2017年の北朝鮮の軍事挑発時より、緊迫はしていないとみてもいいのではないかと思いました。

外国為替を見る

 ことの発端となったペロシ下院議長の台湾訪問の報道がなされたのが8月1日、この日、台湾の為替を見るとドルに対しても円に対してもわずかに下落しました。やはり中国発表を受けてのことだと思いますが、それも1日だけで現時点では回復傾向にあります。
 為替も一つの安全指数として考えることができるかと思います。

日本にいれば安全なのか?

 ここからは全く私の主観なのですが「中国が台湾に攻め入ったとして、台湾留学にいかず日本にいれば安全なのかな?」と考えました。答えはNoです。中国は日本からの脅威も考えて軍事演習をしたと発表し、日本の排他的経済水域内にミサイルを落としていますし、有事になれば遅かれ早かれ、日本も何らかの傷を負うと思います。
 2017年の北朝鮮のミサイル連発を、毎度毎度引き合いに出して申し訳ないのですが、あの時も同じことを考えました。「北朝鮮、日本海にミサイル打ってるから、何かあるのは韓国じゃなくて日本じゃない?」って。そうなったら怖いなーと思った記憶があります。日本でもJアラートの存在や避難場所の情報がありますが、避難場所も地下のシェルターはほぼなく学校など鉄筋の建物に入れくらいです。
 ここで韓国を見ると、現在も韓国と北朝鮮は、名目上停戦中という状態にあります。そのため、韓国でも一般市民を対象とした有事のための避難訓練があると聞きましたし、地下鉄や集合住宅にはシェルターが準備されています。台湾も萬安演習とよばれる全市民を対象とした有事に備える訓練があると聞きましたし、マップにより避難場所が確認できると聞いたことがあります。
 何かがあって大変なのは、備えていない日本のほうなのでは・・・と私は思ってしまいました。

危ないのは戦争だけ?

 私、今回とてもこのツイートに納得させられたんですよね。
 留学の最中に事故にあう可能性もあります。地震や水害などの天災にあってしまうこともあるでしょう。アパートが火事になるとか、無差別殺人に巻き込まれるとか、隣人トラブルで刺されるとか、基礎疾患はないけどコロナで何かあたりが悪くて重症化してしまうとか・・・私は正直、台湾有事と同じくらいこれらが怖いです。「そんなの絶対起きないでしょー」って思う人いると思います。でも実際に起きる人には起きることですよね。でもだからといってそれらを怖がって毎日過ごすよりは、注意しながらも楽しく生きたいなと思いました。

でも、ほんとは台湾に行きたかっただけかも

 今までさんざんいいことを書こう、書こうとしてきましたが、実のところ私はただ単に「とにかく台湾に行きたかった」その一言に尽きます。上記の項目はその気持ちを正当化?後押し?するためだけの冷静さを欠いた情報かもしれません。
 でも、3年間台湾に行くことをずっと考えて生活してきて、ようやく得たチャンスだったのです。「行ける状態で行かなかったら自分は絶対に後悔する。」そう思ったので留学を決めました。明日何が起きても私はこの決断を後悔しないでしょう。
 これを読んでくださった皆様の決定が各々にとって良いものになりますように、同時に世界の平和を祈ってやみません。(あと私の留学中の無事も・・・)


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