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子どもは“待っている”とは限らない

「すぐ戻ってくるから、ちょっと待っていてね」
ショッピングモールのフードコート。僕と娘の隣に座ったお母さんと5歳くらいの女の子。
女の子はすでに、自分の分のご飯は手元にあり、次はお母さんが自分のご飯を買ってくる番だった。

「はーい」
元気よく返事をした女の子は、手元にあるカレーを夢中で食べ始めた。
安心したお母さんも、どこかのお店に買いに出かけていった。

5分ほども経っただろうか。
一向に戻ってくる気配のないお母さんに、不安になったのか女の子が席を立って歩き出した。

何となく目で女の子を追っていると、キョロキョロして、すぐに席に戻って来た。
何度か行ったり来たりを繰り返していたけど、お母さんはまだ戻らない。

「パパー! おしっこ!」
うちの娘さんからトイレのリクエスト。
何となく隣の女の子が気がかりではあったけど、それなりに時間も経っていたからすぐお母さんも戻るだろうと、娘をトイレへ連れていった。

***

トイレから戻ってみると、隣の席には誰も居なくなっていた。でも、荷物とカレーはそのまま残されている。

そこへ、お母さんがご飯を持って戻って来た。
誰も座っていない席を見て、一瞬顔がこわばる。

荷物を置いて、キョロキョロと辺りを探す。

***

子どもが、いると思っていた場所に居なかった時の焦りと不安は恐怖に近い。
買い物をしていて、何か商品を見ている隙に、居なくなる子ども。陳列棚の裏を1列、2列探す辺りまでは親も余裕だ。
でも、それでも見つからなかった時に、不安の鳥肌が全身でゾワゾワしだす。

買い物でも、遊園地でも、公園でも。
ちょっとした隙に彼らは見えなくなるのだ。

***

「あの、ここにいた女の子、知りませんか?」しばらく探し回っていたお母さんが、声を掛けてくる。
さっきまで、何度かお母さんを探していた事、僕たちがトイレに行って戻ったら既にいなかった事を話す。
「一緒に探しましょうか」と、席を立とうとしたところで、女の子は戻って来た。


「もー! 待っててって言ったでしょ!」
心配だったんだ。
だけど、子どもが言われた通りジッと待っているとは限らない。信用していても、待っている方の時間感覚と不安は結構大きいんだ。

いつもは待てるのに、今日はたまたま長くて不安になったのかもしれない。
でも、それは仕方がない。

かと言って全部、子どもを連れて回るのも大変だ。こういう時、僕は自分が信頼できる「周りの目」のひとつになれたらいいなと思う。

「子どもが、待っているとは限らない」
このことは、改めて胸に刻んでおこうと思うのです。


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