モヤモヤ残る結婚あれこれ。
私事ですが、最近婚姻届を提出しまして、式は挙げていませんが、一応「結婚」しました。
婚姻届けの提出は、話には聞いていましたが、それはそれはもう呆気ないもので、本人確認のための待ち時間は少しあったけれど、体感的には、提出して数分で「はい、おめでとうございます、あなたたちは夫婦です!」みたいな……そんな風に感じました。
そんなこんなで提出は一瞬で終了した婚姻届けですが、記入にあたっては色々ありました。
新しい本籍地
婚姻届けのことを調べるまであまり気にしていなかったんですが、婚姻届けには結婚後の新しい本籍地を書く欄があって、それは基本的には全国どこでもいいのです。
ディズニーとか皇居とか、有名なランドマークを新本籍にする人もいるみたい。
私たちの場合、届を出す時点ではまだ引っ越し先が決まっていなかったので新住所を新本籍地にするわけにも行かず、でも住むエリアが私のほうの実家に近いから、私の実家を本籍地にしようと当初話していました。
で、そこに待ったをかけたのが、彼の父。義父ですね。
私の実家を新本籍地にするなんてもってのほか、自分(彼)の実家にしなさい!と、彼に言ったそうです。
私と母は、「言いそうだよね」と話してはいたのですが、正直、本籍地なんてどこでもいいやんとも思いました。なんなら私たちも皇居とか東京タワーとかにしちゃう??なんて、冗談ですが話してたぐらいです。
でも「うちの家はプライドが高くてごめんね」と、彼から言われたのはモヤモヤしたなぁ。
なんでそれで「まぁ仕方ないよね」っていう話になるんだろう。夫側の家のほうが偉いのかーーってなりました。
私、別に彼の家に入ったつもりはないし、つくづく家父長制だなぁと。
後に書こうとしている「姓」についてもですが、波風立てたくなければ結局女性のほうが妥協しないといけない状況になっているのが現状だと感じます。
夫婦別姓
選択的夫婦別氏制度について様々な議論がありますが、私は夫婦別姓に賛成派です。
まだまだ日本では難しいだろうなと諦めに近い思いを抱きつつ、選択的って言ってるのにそこまで目くじら立てる意味もよくわからないし、苗字が違ったら家庭が崩壊するなら、その家族はそもそも何か別の問題があるんです。
苗字に関しては、当たり前のように夫の苗字に妻が合わせるっていう風潮がありますよね。
びっくりしたのは、私が結婚すると言ったら、周りの友達から「苗字は何になるの?」と、聞かれたことです。一人や二人ではなく。
これには本当に驚きました。
私は苗字のことなんて何も言ってないのに、そんなに女性のほうが苗字を変えるというのは普通で普遍的なことなのかなと。
苗字は当然自分のほうに合わせるだろうと思っているのは男性側だけなのかと思っていましたが、こんなにも社会に深く根付いていることに愕然として、今までも夫婦別姓を自分事に思っていたけれど、当事者意識が一気に目覚めた出来事でした。
婚姻届けを出した後、私はせめてもの足搔きとして、マイナンバーカードなどに旧姓併記ができるように申請しようとしました。
私の準備不足で、結局その日は申請書と注意書き的なのをもらって帰ってきたんですが、そのとき対応してくださった職員さんが丁寧ながらも、その顔には「なんでこの人は旧姓併記しようとしてるんだろう」という困惑が浮かんでいて、「私、何かおかしなことでもしてるんだろうか……」と、出鼻をくじかれた思いでした。
生きやすい世の中とは
選択肢があるということは、本当にありがたいことだと思います。
でも選択肢があっても、ためらわずに自分の好きなほうを選べるとは限らないということも、大人になると見えてきました。
人によってその理由は様々ですが、環境、文化、情報、資源、経済状況など、理由は必ずしも自分の中にあるわけではなく、外的要因から好きなことを選択できない場合もあります。
結婚にも同じことが言えるのかもしれないと思っていて、上で言った本籍地や苗字の問題だけでなく、「平等な選択肢にしていますよ」と言いながら、好きなほうを選べない人もいるんじゃないでしょうか。
その場合、好きなほうを選べる側はいわゆる社会におけるマジョリティで、選べない側はマイノリティになるのかなと。けっして数の問題ではなく、数が同等でも力関係が等しくなければ、自分を曲げて諦めないといけなくなる人たちがいます。
誰にとっても生きやすい世の中というのは難しいけれど、自分にとっての当たり前に疑問を持って、「どうしてこの人は自分と違った考えを持っているんだろう」と他者の靴を履いてみたら、考えてもみなかった景色が見えてくるかも。
結婚生活はまだ始まったばかりですが、今の時点でこんなことにモヤモヤするかもしれないという、未モヤモヤ事項がいくつかあります(笑)
自分自身も努力しながらも、相手とそれから周りの人たちにちょっと疑問を投げかけてみたりだとか、自分にできることで小さな波紋を広げていきたいと思っています。
モヤモヤがない生きやすい世の中を目指して。
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