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<詩>絶望そして幸せからの涙、そして幸せ

閉じこもってちゃ嫌だ
そういって飛び出した
狭い狭い家から
いつもの、あの場所へ

いろんな友だちがいる
いつだって楽しみにしていた
あの場所に着いた
名は:日曜日の学校
ここではみんな仲良し
どんな危険もない

楽しかったよ
いつだって
小学生だったあのとき
中高生や大学生と
ずううっと友達でいられた

でも、同い年とは遠かった
すごく遠かった
近づけば
爆弾「けんか」がまっている

同い年の誰も自分には話しかけない
自分が寄せ付けなかったから

平日の、ごく普通の学校じゃあ、
普通、同い年しか話せない
話せば、近づけば、
いや、いるだけで
殴られる
同い年とも話せない

怖かった
怖かった
怖かった
すごく、
怖かったから、
こわかったから、
日曜日でも、
同い年は寄せ付けない

月曜日から金曜日まで、
目の前には
いないはずの'仲間'と
幻の会話を楽しむ

土曜日は、父と母からなるべく離れ、
やはり
目の前には
いないはずの'仲間'と
幻の会話を楽しむ

そうじゃなきゃ、
父と母という'友達'と
本当の会話が楽しい

そして、ずうっと、日曜日を待っていた

自分が中高生に上がって、
本格的に中高生と話すように
ならなかった

自分が中高生
つまり、同い年も
中高生

悲劇はすぐにやって来る

小学生の面倒をいつも見てくれてありがとう
たまには中高生だけで遊ばない?

そう云ったリーダーさんは
彼女に限らず、全員そうといえるが
いつだって寛容だった

だから、
中高生だけで集まろうという提案に
悪気が全くない

そんなことはわかっている
だから、すこしがまんしてもいいから
その思いに応えたかった

でも無理なのはわかっていた
外で遊んでいる小学生たちと
混じっていたかった
「迷惑になるだけだし」

でも、
彼女はどうしても中高生を
全員集めたかった
「同じところにいるんだから、
 仲間なんだから
 名前だけでも言ってほしい」

その想いに応えたかった
無理なら抜けていいと云ってくれた
好きなことをしていいと云ってくれた
その思いに応えたかったその思いに応えたかった

数人の自己紹介を聞いた
所々にツッコミを入れた
笑ってくれた

自分の番のひとつ前の
高校一年生が話始める
とっくに自分の言うことは決めている
慌てることは何もない

落ち着きはらって
彼女は自分の話を始める

名前は〇〇〇で、・・と呼んでほしいです。
好きなことは、
推しの〇〇っていう歌い手さん、
みんなしらないかあ(笑)
ツイッターとかで、
あ、その人、暴露系だから、
いろんな暴露聞くて言うか、
見るの好きでーす。
いろんな有名人の悪口とか、、、

彼女は延々と
こんな話を続けた。
自分が正常にこのあと話せる確率は
ほぼない

でも
途中で抜けちゃ失礼だ

堂々と居眠り。

やっと話が終わった
しばらくうつむく
やっぱり話したかった

話すのは無理だ
気づけば自分は
素早かった

堂々と
「抜けます」

走った
走った
走った
グラウンドまで
50メートルもなかった
はずなのに

疲れた
疲れた
疲れた
なぜかとても
つかれていた

無理なら抜けていいと云ってくれた
好きなことをしていいと云ってくれた
あの彼女は
無理なら抜けていいと云ってくれた
好きなことをしていいと云ってくれた

泣いた
泣いた
泣いた
なぜか
涙がとまらない

やっぱり無理だった
でも
恐ろしいほど
彼らは
寛容だった

ブランコ
鉄棒
かけっこ
サッカー
あの彼女は
実は運動が苦手だった
でも

二人とも楽しかった
とても楽しかった
とても笑顔だった

走って
転んで
落ちて
堕ちて
這い上がって
どこまでも
いける気がした

彼女のように
なりたい
そして、
この奇跡を伝えたい

そうおもって
一粒の飴を口に入れる

甘かった
甘かった
甘かった
家につく頃には
なみだがやんで

地球よ
パッと
明るくなれ
そして
どす黒い
雲{そら}を
吹き飛ばせ

君と、自分へ
自分から
死を迎えに行くな
ぜっったい行くな
地球上の
どこまでも

逃げて
逃げて
逃げて
逃げろ

by.友樹








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