自宅近くの交差点。朝の通勤時間は、歩道いっぱいに自転車の人が並んで信号が変わるのを待っている。
青になった途端皆勢いよく下り坂の歩道を走り出すから、歩いている人は怖いぐらいだ。

今朝もその光景を見て、自転車専用道路があればいいのにと思った。
今、ヨーロッパ中で自転車需要が高まり専用レーンも増えているらしい。ロンドンの自転車販売店の3、4月の売上が3倍だったというニュースもあった。

ところで、道を作る動機は２方向あると思う。
目的地へ行くのが便利になるというのと、道を作って何かを生み出したいという狙いだ。

どこかの経営者の言葉を思い出した。靴メーカーのアフリカ大陸進出を、「靴を履く人が少ないから需要が少ない」と考えるか、「靴を履く人が少ないからマーケットは大きい」と考えるかで経営は違ってくるのだと。

別の観点。紀元前、秦の始皇帝が5千キロに及ぶ万里の長城を建設していた時期に、西方ではローマ帝国が8万キロになる道路網の整備を始めていた。
外敵から守る防壁は500年経たず荒廃し、人の移動を促したローマ街道は1800年帝国を支え、修繕を続けて一部は現在も機能する主要道路として活き続けている。

目先のニーズに捉われない。
自転車専用道路が日本中に張り巡らせられたら、国のありようが変わる。
今よりずっと素敵な国になりそうだ。

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