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【読書感想】傑作はまだ

久々の瀬尾まいこさんの作品。

父と息子の物語って、実はあまり読んだことないんです。自分が女性だからか、女性が主人公のものばかり読むことが多いので、今回は視点を変えてみたくて読んでみました✨



あらすじ

「実の父親に言うのはおかしいけど、やっぱりはじめましてで、いいんだよね?」そこそこ売れている引きこもりの作家・加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智が突然訪ねてきた。月十万円の養育費を振込むと、息子の写真が一枚届く。それが唯一の関わりだった二人。真意を測りかね戸惑う加賀野だが、「しばらく住ませて」と言う智に押し切られ、初対面の息子と同居生活を送ることに―。孤独に慣れ切った世間知らずな父と、近所付き合いも完璧にこなす健やかすぎる息子、血のつながりしかない二人は家族になれるのか?その「答え」を知るとき、温かく優しい涙が溢れ出す。笑って泣ける父と子の再生の物語。



心に残った5選


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あなたには、毎年誕生日を祝う友人or知り合いはいますか?私は、1人ですね。あ、主人と両親も入れたら、4人になるかな。

でも、家族や身内って、血縁関係にあるから、誕生日をお祝いしてくれることが多いのではないでしょうか。

自分の身内以外から、誕生日を祝ってもらえるなんて、とても幸せなことだし、祝ってくれた人を大切にした方がいいですよね。

そして、身近な人に感謝を伝えたいけど、どうやって伝えていいか分からないという場合、誕生日のお祝いって、最高に嬉しいですよね♡

自分の誕生日を覚えていてくれたって、すごくうれしい!


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たしかに、一人でいれば、苦しみや悲しみを味わうことはないかもしれません。でも、喜びも味わうことはないと思うんですよ。

マイナスな感情を感じたくない。それは、人間なら誰しもが思うこと。でも、喜びや、穏やかさや、自分の世界観を誰かと共有するって、とても素晴らしいことだと思うんです。

だからこそ、自分の世界観や考えを、誰かに伝えて、「自分のことを、本当に好きになってくれる人」を見つけると、真の幸せを感じることが出来るのではなかと思います。


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他人の経歴を聞くのも楽しい。その人が、どんな学生時代を過ごしてきたか、どんな恋愛をしてきたか、どんな生い立ちなのか。

すると「あ、この人は〇〇な人なんだな」って、自分の中で、相手に対して、イメージが植えつけられると思うんです。もちろん、それも大切なこと。だって、「〇〇な人だから、この話題はAさんに聞こう!」みたいな、切り分けって大切じゃないですか。

でも、相手と会話をしているんだったら、相手と共有できる話をしたい。二人なら、二人。三人なら三人。皆が分かる内容の話を展開していって、「あの時こうだったよね」「こんなことしてたよね」って過去の話をしたり。

もしくは「〇〇だったから、3年後は▲▲になるんじゃないかな」って未来の話をしてみたり。誰かの悪口や噂話よりも、皆で共有できるワクワクする話ができる大人になりたい。


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これ、私いつも思うんですよ。いつも最後の最後に気づくんです。

「あー、何で言わなかったんだろう」「なんで気づかなかったんだろう」って。とにかく鈍感なので、気付くのが遅い。

でも、そんな鈍感な自分は、自分なので、受け止めるしかなくて。笑

だからこそ、日頃から意識していることもあるんですよ。それは「ありがとう」を、誰かに朝昼晩に伝えるということ。(店員さんでもよい)

そうすると、「あ、まだ誰かにありがとうって言ってない」って意識的に気づくんです。もしかしたら、相手からわざとらしいと思われてるかもしれないけど、「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになる人は、いないと思うので、良しとしてます✨笑


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本当に、子供ってそうなんですよね。

私も出産前までは、自分のことしか考えていませんでした。子供も、正直苦手だったので、子育てにマイナスなイメージがありました。

でも実際に、子供が生まれると、本当に可愛くて可愛くて。もう、食べちゃいたいくらい。笑

自分のことも大切だけど、「これから自分がする行動は、子供にとってどんな影響があるだろうか」って考えるようになったんです。

自分の人生の全てを、子供に捧げるのは、子供的にも身が重いでしょうが、そうゆう親の気持ちが理解できるようになりました。



まとめ


瀬尾まいこさんの作品は「そしてバトンは渡された」以来です。なので、2.3年ぶりくらいかな?
いやー、久しぶりに読んだけど良いですね。すごく心が温まるお話でした。
本作で、瀬尾さんの作品は2作目なのですが、作品の最後にどんでん返しがあるのが、瀬尾さんの作品の特徴なのでしょうか。
どんでん返しといっても、話の内容は、サスペンスやミステリーではないので、バッドエンドになることはないのかなと思います。

引きこもりの小説家、加賀野(主人公)が、息子との交流を通して、徐々に変わっていく姿に、ほっこりしました。
加賀野は、悪気なく、他人を気付つけるタイプの人間で。笑
他人とのコミュニケーションの取り方が分からないんですよね。そんなちょぴりコミュ障な加賀野に対して、突っ込みを入れる智との会話も、とっても面白い!美月の想いが込められたラストは、とても感動的でした。

瀬尾さんの作品、もっと読みたいなあ。

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