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【体制に配慮】ITプロダクト開発の派遣契約

主旨

人材を派遣してもらう目的を果たそう

ターゲットでない状況や読者

1.大規模開発案件
2.違法行為(偽装請負や多重派遣)を続ける人

背景

IT業界の派遣サービス

スペシャリストを派遣してもらって事業を営む方策はつとに知られます。
IT業界にも同様の事業形態は存在し、たとえばSES(システムエンジニアリングサービス)があります。
同事業を要約すると、エンジニアを顧客の事業所に派遣するといったものですね。
雇用はしないものの自社の事業所で作業してほしいとする需要に対し人材を供給します。
供給される人材は、プログラマだけでなくいわゆる情シスやプロジェクトマネージャ、それからテスターもいます。

派遣契約でなく準委任契約のSESもありますので、別の記事で述べる予定です

自社に呼ぶ派遣契約を求める理由

1.
セキュリティ確保のため

2.
事業場外労働の対応や、準委任・請負のベンダーコントロールができないため

3.
採用活動がうまくいかないため

4.
有期雇用ならできそうだが、プロジェクトの完了時期が見えないため

5.
無期雇用するメリットよりそのデメリットが上回るため

など、いろいろあるでしょう

開発体制

上記によると、どうやらプロジェクトのQCDが管理できない状況暗示されます。
QCDとは、品質、費用、完了期限をさし、つまり、いつまでにいくらでどんなものをつくるのか、ですね。
もしその状況が実際にあり、エンジニアだけ呼んだとしたら、けっこうまずい感じになるんじゃないかなと予測できますので、本記事は「呼ぶのエンジニアだけでだいじょぶ?」という視点で書きます。

開発には各国各プロジェクトでいろんなスタイルがあり、それぞれの状況に合わせ開発体制が組まれます。
ほんの一例ですが、以下の担当がそろうと開発は不可能ではないでしょう。

1.UXデザイナ
2.UIデザイナ
3.フロントエンドエンジニア/スマホエンジニア
4.バックエンドエンジニア
5.ITプロジェクトマネージャ
6.各役割の品質管理者

ちなみに、事業責任者やマーケタは別途で存在する前提です。
また、ひとりが複数の役割を兼任するケースもありますね

ざっくり開発フロー

1.
ITプロジェクトマネージャが、UXデザイナとともに、事業部長やマーケタの実現したいことを聞き取る

2.
UXデザイナが、事業部長やマーケタとともに各ユースケースを予見し検討する

3.
UIデザイナが、UXデザイナとともにUIを設計する

4.
フロントエンドエンジニア/スマホエンジニアが、設計されたUIを実装する

5.
バックエンドエンジニアが、予見されたユースケースを実現する機能を実装する

6.
ITプロジェクトマネージャが、事業部長の実現したいことが実現できている、と事業部長が認める文書をもらう

以上、はじまりからおわりまでをざっっっくりまとめました。
各工程で品質管理者の承認を要します。

あれがないこれがない、いろいろ意見があるかと思いますが、上記フローを記した目的は、開発全体の詳細フローを解説するためでなく以下に続く内容を補足するためです

派遣してもらう人材と人数

あまり語られない事実を述べると、予算規模の小さな開発プロジェクトを成功させるには、予算を抑える能力が必要です。
優れた職能を持たなければ、判断を誤り、作業がかさみ、結局悪影響がコストに直結するんですね。
優秀だから高価でも、トータルでは reasonable(合理的)な結果となりえます。

さらには、優れた人とやりとりするのもまた優れた人でないと、うまくコミュニケーションが図れないケースもあります。
「ただしく質問できない人は、ただしい答えが得られない」というヤツです。
話がそれすぎるので、この話題はこのあたりでやめておきますw

成功にこだわらず完了するだけなら、粗悪な品質のプロダクトをつくって終わりでけっこうですが、それではマーケタが考案した施策がうまくいかず、事業部長の実現したいことが実現できないでしょう。
やる意味がありません。
一般企業は、投資をして回収し、利ざやを次の投資にまわして運営されますから、投資を合理的に進める能力が必要とされます。

「予算がないからエンジニアひとり分しか払えないんだ…」

そうですよね、とにかく成果物を手に入れるにはそう考えたいところです。
でも、冷静に中長期的な視点で見たら、優れた仕切り役にまかせれば、もしかしたら100万円くらいは浮かせることができるかもしれません…!

縦横無尽に動きまわる仕切り役

たとえば、サーバ代込みの見積もりを出されたときに「いや、こうすればもっと安くできるでしょ」と議論ができないなら、悪い言い方ですがエンジニアの言いなりですよね。
技術的な議論ができない体制は脆弱性をはらみます(持論)。
脆弱性対策をするのはエンジニアだけではありません。

利害関係者との調整をおこない、プロダクトの特性を汲みとり、最適な体制が構築できる職能を持つのは、ITプロジェクトマネージャです。
開発プロジェクトのQCDを達成し成功するために必要な人材と必要な人数を打ちだせるのは、ITプロジェクトマネージャ(の職能)です

結論

主旨に記した「人材を派遣してもらう目的を果た」すために必要なのは、上述のとおりでITプロジェクトマネージャです。
餅はおいしい餅屋にまかせましょう

役割リスト

役割リストを書いてみました。
ご興味あったら、どうぞ。
兼任の場合は、おなじ名前がならぶことになるので、いかに無茶なのかパッと見でわかるかもしれません。
無茶ブリする管理者の説得にご利用くださいw


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