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英国判例紹介

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ロンドン在住、日英の両資格を持つ弁護士です。イギリスはコモン・ローを主体とした先例法の国です。そのため、日本にも増して判例が重要な位置を占めています。そこで、①国際法務に役立ちそ… もっと読む
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記事一覧

【英国判例紹介】Butler Machine Tool Co v Ex-Cell-O Corp (England) ー書式の戦いー

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【英国判例紹介】King v Dubrey ー死因贈与の法理ー

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【英国判例紹介】Gray v Thames Trains Ltd ー違法性の抗弁ー

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【英国判例紹介】Cavendish Square Holding BV v Makdessi ー違約罰として無効な条項…

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【英国判例紹介】Hadley v Baxendale ー契約違反に起因する損害の遠隔性ー

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【英国判例紹介】Autoclenz v Belcher ー労働者の契約の合目的的な解釈ー

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【英国判例紹介】Fairford Water Ski Club v Cohoon ー取締役の利益相反の申告義務ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Fairford Water Ski Club Ltd v Cohoon事件(*1)です。 本件は、取締役の利益相反に関するものであり、取締役が契約について直接的・間接的に利害関係を有する場合の申告義務の範囲について検討された最近(2022年)の重要な事件です。 なお、このエントリーは、法律事務所のニューズレターなどとは異なり、分かりやすさを重視したため、正確性を犠牲しているところがあります。ご了承

【英国判例紹介】Chappell & Co v Nestle ー"sufficient"な約因ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Chappell & Co Ltd…

【英国判例紹介】Burmah Oil v Lord Advocate ー制定法による判決の遡及的変更ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Burmah Oil v Lord…

【英国判例紹介】Fearn v Tate Gallery ーガラス張りの家に住むのは自業自得か?ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Fearn v Tate Gall…

【英国判例紹介】Photo Production v Securicor Transport ー基本的違反の原則ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Photo Production …

【英国判例紹介】BTI 2014 LLC v Sequana SA ー取締役が債権者の利益を考慮すべき場面…

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、BTI 2014 LLC v Se…

【英国判例紹介】Alcock v South Yorkshire Police ー二次的被害者の精神的損害ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Alcock v South Yo…

【英国判例紹介】Davis Contractors v Fareham DC ー不可抗力とフラストレーションー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Davis Contractors v Fareham DC事件(*1)です。 契約書のレビューをしていると必ず出くわす不可抗力(Force Majeure)条項ですが、準拠法を日本法(その他シビルロー系の法)とするか英国法とするかで、不可抗力条項の持つ意味は変わってきます。 そこで、今日は、英国法において不可抗力と似た概念であるフラストレーション(Frustration)についてのリーディングケー