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Z世代に選ばれる会社と捨てられる会社の違いとは?

「Z世代」とは、1990年代後半〜2010年生まれの人々を指す言葉であり、今の10代から20代前半の若者のことである。
 
彼らは、他の世代と比較すると、生まれ育った時からもの周りにITが当たり前に存在し、かつ、生きていく上で自らの価値観を非常に大切にしているという特徴がある。
 
Z世代が若手として会社の一線で働き始め、また、新たな消費者として商品を購買し始めている。
 
Z世代のビジネス社会への出現によって、今、労働市場を通して、会社にも変革が求められている。
 
 
 
2024年5月9日の日経新聞には、「新入社員の4割が転職検討」というセンセーショナルな記事が掲載された。
 
記事の中で、若手が会社を辞めたいという1番の理由は「仕事にやりがい・意義を感じない」(27.0%)であり、次に、「給与水準が満足できない」(19.0%)、さらに、3番目に「自分のやりたい仕事ができない」(12.8%)が続く。
 
現在の若手の労働市場では企業の望む優れた人材が不足しており、限られた人材に対する争奪戦がますます激しくなっている。
 
Z世代の優れた人材に選ばれる会社と捨てられる会社の違いは何であろうか?
 
 
時代が進むにつれて物質的な生活が豊かになると、人々は精神的な満足を求めるようになる。
 
Z世代の若者は精神的な満足を大切にする新しい人々である。
 
彼らは仕事を単なる生活の糧を稼ぐ手段と考えているのではなく、自らの精神的満足を満たす対象と考えている。
 
 
何かの目的達成のため手段として選択するのが「目的合理的行為」であり、目的そのものを求めようとすることが「価値合理的行為」である。
 
Z世代の若者は仕事を目的合理的行為と考えるのではなく、価値合理的行為と考えているものである。
 
だから、自分に精神的満足を与えてくれないような仕事はしたくはない
 
仕事は自分が価値あるものと信じ、やりがいのあるものでなければならない。
 
日経の同記事では、会社の若手の離職防止策の主な例として、入社後には「社員との面談を定期的に設ける」、「研修制度を充実させる」、「若手に現業務と違う仕事を任せてみる」、「社員の心の状態を可視化しフォローする体制を整える」など、まったく見当違いな対応をあげている。
 
会社が本気でこのようなことを考えているのであれば、捨てられる会社そのものである。
 
捨てられる会社は、若者の心をまったく理解できていない。
 
 
 
若者のトップ・グループの就職希望の第一位は、外資系コンサルティング会社である。
 
若者は、そこが自らの達成欲求を満足させてくれる職場であることを、本能的に感じ取っている。
 
外資系コンサルティング会社では、自らの意思でハードワークをこなし、高いハードルに向かってチャレンジを行う。
 
すべて自己の選択であり、他人から強制されるものではない。
 
そこがいやになったら、去ればよい。
 
さらに、外資系コンサルティング会社の給与水準は非常に高い。
 
外資系コンサルティング会社の仕事は、Z世代が要求する精神的満足を満たしてくれる。
 
 
仮に、メーカーや流通であっても、若者に自主的な選択権を与え、自律的な行動を許せば、若者が選択する会社になれる。
 
若者は組織のパーツとして生きるのではなく、組織で人間として生きたいと思っているのである。
 
会社が社会的に意義ある仕事をしていることを社内外に明確に伝えているのか、経営者は自からのミッション、ビジョン、バリューを発信しているのか、組織の中では人々が自らの責任で自律的に働いているのか、各職場には若者が手本とするロールモデルが存在するのか、自社の状況をチェックしてみたらいい。
 
人間の顔をした会社であれば、Z世代に選ばれる会社となる。
 
しかし、経営者に理想も信念もなく、単にその座に留まろうとしてるだけの、「爬虫類的」経営者だとしたら、Z世代はそんな会社を絶対に選びはしない。
 
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC224T10S4A420C2000000/

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