貴田倫大

広島で写真を撮っています。モノクロフィルムで現像からプリントまで。 過去に個展を開いた…

貴田倫大

広島で写真を撮っています。モノクロフィルムで現像からプリントまで。 過去に個展を開いたり、主にプロフィール撮影などで写真の仕事もしていました(その時は勿論デジタル) noteでは写真の話や、興味のあるジャンルについての事を書いていこうと思います。

マガジン

  • Film photography

    フィルム写真関連のnoteをまとめました。 フィルムカメラ、モノクロフィルム、自家現像、暗室関連などなど。

  • FUJIFILM X-Pro series

    愛用していたフジフイルムのX-Proシリーズについて書いたものや、X-Proシリーズで撮られたnoteをまとめました。 X-Pro1,X-Pro2,X-Pro3全部使ってどれも素晴らしかったです。 ついでにXマウントレンズの事なども。

  • カメラ・レンズの話

    使用するライカの話や、レンズのことなど、機材関連の記事のまとめです。

最近の記事

フィルムカメラと旅をする 松山道後 day2

二日目。 雨が少し降っている。元々予報でも二日目は雨だったのだが、荷物が増えるのを嫌って傘は持っていなかった。幸い小雨なのと、多少の雨なら普段から傘は差さないので気にせず外に出る。それに、この程度の雨ならライカも大丈夫だろうと思っている。 朝食はホテルで摂るという選択肢もあったが、折角なら地元のご飯をと思いおすすめされていた鍋焼きうどんの「ことり」に向かう。愛媛で鍋焼きうどんが有名なのは知らなかった。いりこ出汁のあっさりした味らしく、私の好みにも合う。 時間によっては並ぶ

    • フィルムカメラと旅をする 松山道後 day1

      旅がしたい。 そう思っていたらいつの間にかフェリーに乗って海を眺めていた。 しばらく遠出をしていないな、そろそろどこかに行きたいな、と思いながらもなかなか連休を取る予定も立てられず過ごしていた私に、ふいな休みが現れた。もともと予定があって休みにしていた1日にくっ付けてくれた感じで2連休になっていたのだが、その予定が急遽なくなってしまったので何の予定もない2連休に変わったのだ。 8月までに写真集を出すために過去の写真の編集、それに合わせてポートフォリオサイトの作成、物販サイ

      • NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 (初代) レビュー

        Voigtlander NOKTON Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical VM 購入の経緯 ライカを買うとなった時、レンズはどうしようかと思った。 財布からポンとウン十万円を出せる人なら悩む事はないのかもしれないが、貧乏人の私は購入できる範囲の中で最善なものは何なのかを必死に考えないといけない。この時の買い物でカメラとレンズだけでなく引き伸ばし機などの暗室用品も揃えたのもあって予算は潤沢ではない。 焦点距離は50mmで決まっていた。これま

        • 大人になって モノクロ手焼きプリント#8

          子供の頃、田舎に住んでいた私は近所の田んぼや畔道で生き物と触れ合うことが多かった。田んぼにいるオタマジャクシやヤゴを観察したり、蝶やトンボを獲ったり。 子供の頃は昆虫などの小さな生き物と触れ合う機会が多かったが、大人になってからめっきり減ってしまった。そういった仕事に従事するかアウトドアの趣味でもないと大抵の人はそうだろうとは思うが。 ある日、山道を歩いていると柵の上にカマキリがいるのを見つける。久しぶりに昆虫を見るとつい観察したくなる。 近寄ってみると目が合う。しかしカマ

        フィルムカメラと旅をする 松山道後 day2

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        • Film photography
          13本
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          4本

        記事

          LEICA M2を改めて

          LEICA M2が手元に来てから5ヶ月程が経った。 フィルムでの写真制作は楽しく、とんでもない失敗をする事もなく(今の所)順調にプリントの数を重ねられている。 そしてだいぶ手に馴染んで来たのもあって「ライカの事も書くか」と思い、愛機について今回は書いてみようと思う。レビューなどではないが、使った感じをお伝えできれば。 LEICA M2のファインダー まずは、肝心なレンジファインダーについて。 ライカを使う事の意味としては私はこれが大きい。カメラを本格的に始めてからフジフイ

          LEICA M2を改めて

          白黒写真とは言うものの モノクロ手焼きプリント#7

          白黒。 白黒写真。 「しろくろ」とよく言われる気がするが英語では「black & white」というのだから実は「くろしろ」が正しいのかもしれない。 黒白写真。 だが我々が撮っている写真は黒と白の表現だけだろうか? いや、どう見たってグレーもある。 写真家によってはハイコントラストにして黒と白にかなり寄せる人もいるが、それでも二色だけで写真は基本的に成立はしない。 というより、黒と白を繋ぐグレーの方が面積的には多い。 だから黒白写真をこよなく愛する人々にとっては

          白黒写真とは言うものの モノクロ手焼きプリント#7

          夕暮れ時 モノクロ手焼きプリント#6

          夕方、尾道を歩いていると船着場で停泊している船が目に入る。 夕陽に照らされて船体に美しい陰影が出来ている。 夕陽は普段の景色をドラマチックにしてくれる、カメラを持つ人間にとってこの上ない味方だ。 この船は明日になったらどこかに出かけるのだろうか、それとも暫くここで休息なのだろうか。 なんて思ったがシャッターを切ると私はすぐに次の景色を探してしまっていた。 camera : Leica M2 lens : Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 vintag

          夕暮れ時 モノクロ手焼きプリント#6

          差し込む光と モノクロ手焼きプリント#5

          光が綺麗に差し込む部屋が好きだ。 私が今住んでいる部屋は北向きな故に日中は光があまり入らず、それもあってか綺麗な光が入る部屋だったりお店だったりに惹かれる。 写真を撮っていると光に敏感になるのでそれもあるのだろうが、しかし心の底にある願望が反応しているのだと感じる。 camera : Leica M2 lens : Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 vintage line film : Kentemere Pan400 developer : AD

          差し込む光と モノクロ手焼きプリント#5

          一枚に掛ける手間 モノクロ手焼きプリント#4

          フィルムをカメラに詰める。 ファインダーを覗き、シャッターを切る。 タンクにフィルムと液を満たし現像をする。 引き伸ばし機にネガと印画紙をセットし露光する。 アナログ写真をしているとこれらのプロセスを経て写真が出来上がる。デジタルとは比べ物にならないぐらいの手間が掛かる。 勿論ネガをスキャンすればそれでもう写真データとして使えるようにはなるのだが、折角モノクロフィルムを使っているというのもあってプリントしたものを完成形にしたいと思い夜な夜なプリントをしている。 トータルで

          一枚に掛ける手間 モノクロ手焼きプリント#4

          フクロウに呼ばれて モノクロ手焼きプリント#3

          尾道の千光寺の麓には猫の細道というエリアがあり、そこは名前の通り猫が通るような細道に猫をモチーフにしたオブジェが沢山あるという素敵な場所。カフェや雑貨などのお店もあり、歩くだけでも楽しいしお茶をしたりも出来るようになっている。 今回は久しぶりに猫の細道を通ってみる。最近は別のルートをうろうろする事が多く、そういやこんな感じだったな、あれこんなのあったけ?という具合に散策をしてみる。 少し歩くとカフェの入り口を見つける。そろそろ休憩しようかなと思っていた頃だったのもあり入り

          フクロウに呼ばれて モノクロ手焼きプリント#3

          それぞれの過ごし方 モノクロ手焼きプリント#2

          宮島という土地は不思議な場所だと思う。 厳島神社、大聖院、山岳信仰の対象とされる弥山など宗教的なもので溢れかえった島であり、世界遺産を目当てにした観光地でもあり、人々が普通に暮らす場所でもある。 そして私のように広島に在住していて、たまに訪れては少しの非日常を味わって帰る、という場所でもある。私は宮島が好きで1シーズンに一回ぐらいのペースで訪れている。アクセスもしやすくその上いろいろな過ごし方が出来る為、実は「ちょうど良い」場所なのだ。 コロナ禍の時も訪れていたが、その時は

          それぞれの過ごし方 モノクロ手焼きプリント#2

          海を眺める背は モノクロ手焼きプリント#1

          以前から、新しいレンズや機材を買うと宮島を訪れている。 雑踏、自然、自社仏閣、海といった様々な被写体がそこにはあるので、試し撮りにはもってこいの場所だからだ。 LEICA M2を手にしてからも例に漏れずまずは宮島を訪れた。平日は特に海外の方が非常に多い。西洋の方もアジアの方も沢山。とりあえず皆さん身長が高い。人々がフェリー乗り場で楽しそうに話しているのを横目に、身体の横にM2をぶら下げた私は一人フェリーが入港するのを待っている。 フェリーの中ではいつもは大体鳥居が見える側

          海を眺める背は モノクロ手焼きプリント#1

          自分の手でプリントする

          フィルムで写真を撮るようになり、撮影、現像、プリントと全て自分の手で行うようになった。 前々から「自分の手で作品を作りたい」と考えていたので、それが今は叶っているという事。何とも幸せな状況だと思う。 勿論まだ勉強や練習する事が沢山ある状態で、特にプリントに関しては失敗が多く、枚数だけで言えば40枚程焼いたが人にお見せ出来る物はかなり少ない。 しかし試行錯誤して焼き付けた後、水の中で印画紙に像が浮かび上がるというのはまさしく「写真を作っている」という感覚だ。モニター上でパラメ

          自分の手でプリントする

          2024年は沢山写真をプリントします

          昨年は沢山の方にお読みいただき、またフォローをしてくださり、ありがとうございました。 今年もよろしくお願い致します。 1月1日は元日というおめでたい日だったが、能登半島を中心とする地震があり大変な1日となった。そして2日には航空機事故もあり、お正月がこんなに暗いニュースばかりになる事は珍しく思う。 私自身はお正月など関係なく働いているので「折角の休みが〜」みたいな感覚はないのだが、それでもいつもとは違うお正月に少しばかり不安を感じてはしまう。とりあえずヤフー基金から寄付を

          2024年は沢山写真をプリントします

          2023年のnoteまとめ

          noteからの通知や他の方の投稿で2023年のまとめがあるのだと知る。 開いてみるとこんな結果だった。 一番読んで頂けたのはこちらの記事。 X-Pro2の人気は未だに高い。 というより、フジフイルム記事は全体的に注目度が高い。昨今の値上がりもあって新品も中古も手に入りにくい状況で、人気なのかなと思う。 いずれにせよ沢山読んで頂けてありがたい。 読まれた数1.8万回、フォロワー数は70人程増えたと報告。 これまでnoteはこまめに書いたりしばらくさぼったりを繰り返しながら

          2023年のnoteまとめ

          ADOX D-76

          自家現像をするにあたって現像液は何を使おうかいろいろ調べていたが、とりあえず最初はモノクロ現像のスタンダードと言われているD-76を使うことにした。 という訳でsilversaltさんにて購入したのがADOX D-76。 オリジナルのD-76はフィルムでおなじみKodakの現像液で、1927年に登場という非常に古い歴史のある現像液。残念ながら2022年に日本向けの供給は終了し、長く使われていた方にはショッキングな内容だったようだ。 今回購入したのはフィルムや現像薬品メーカーの