マガジンのカバー画像

コラムなど

30
自由律俳句や現代詩、雑感など
運営しているクリエイター

記事一覧

気分は上々(後編)

ひるさがりのザリガニごと民法とする 

むかしのおきてにしたがい夜はまだこない 

斜面になるとうそを思い出す 

かたい人形に小細工してくる

のこりの盲腸は満月にまちがわれる 

この話にシーラカンスは必要なかった 

じゃんけんにあきて尾行するのだ 

われらの初夏は順不同であり矛盾 

よろこびはとりあえずすすきそして振り出し 

だれかの集大成がシシャモだからゆるして 

どれもなつかし

もっとみる

気分は上々(前編)

ときめきはつっぱりに似ている 

細胞それぞれが呪文とか 

天国も地獄もおしりからかぞえる 

週休二日がほたるらしいところ 

わたくしには花の記憶がない 

フォークもって全員集合おめんつけて 

音速を考える片目とじて 

へびのまんなか知って歯が痛い 

なるべく荒野をえらぶ鏡売るために 

√2という押入にはいる 

あおぞらこんな日は妹でっちあげる 

月の粘土にあれやこれや注文 

もっとみる

ホラー映画

中学生のころ、ホラー映画の監督になりたいと思っていました。クローネンバーグやロメロ、サム・ライミらの影響ですね。「~洋画劇場」でもホラー映画をよく流していましたし。 

最近、日本のホラー映画も見るようになったんですよ。「リング」とか「呪怨」「テケテケ」とかね。面白いですね。時間つぶしになる(悪い意味じゃないですよ)。でも大きな不満があります。 

登場人物はなんで戦わないの? 

自分は高校生の

もっとみる

残酷の愉しみ

大相撲、高校野球、プロレス――この三つが日本の誇るべきエンターテインメントだと思います。共通する点はなにか。「残酷」「バイオレンス」「いいかげんさ」ではないでしょうか。大男が血を流しながらぶつかり合い、死に至ることもある。同じ高校生なのに結果は十数点も点差がつく。行司、審判、レフリーは頼りない(プロレスの場合はレフリーもレスラーですから、ちょっと違いますけど)。スポーツの枠を超えて楽しませてくれま

もっとみる

むかしの詩

◇さざなみ

午後の宝石に少女はくるまれ身ごもる

ウルトラグリーンの斜面に

秋の最後の虫の声の

ささやかなひび

塔の客はまだ

来ない

◇分裂地帯

夏の夜は子どもの時間

眠りの奥の細胞分裂は

かすかにきしむ虫の声

女たちはオセロを休み

小さくあくびする

(観察は慎重に…)

現れては消え

浮かんでは沈む

みんなが何度も場所を

変えながら

短い執行猶予を

楽しんでいる

もっとみる

だれかの童話

伝記を書こうとすると

思いだす風景がある

住宅地に池がある

街灯で照らされている

ゆっくり話す女は少なく

池の主はいないわよ

咲いているつつじに蜜蜂は

くるのだろうか

蜜蜂に刺された

母が育てていたばらのなか

下唇を刺して蜂は死んだから

ずっと呪文は四捨五入中である

むかし落とし穴を掘りながら思いついた

ある青年が洋館に招かれて

少年の家庭教師を頼まれる

「あなたの役

もっとみる

プロレスとの長いつきあい

いちおう俳句を「趣味」ということにしています。ツイッターやnote、mixiにも発表していますから。

でも、これまででもっとも長い趣味は「プロレス観戦」です。先日、テレビ朝日系で「プロレス総選挙」という番組がありました。WBCの影響でプライムタイムから押し出され、結局、深夜放送になってしまいましたが、ファンのすそ野が広がってきている、と感じさせました。

早寝なので見ませんでした。ネットで見ると

もっとみる

釣る少年

 小学生のころ、近所に水門があった。←のように三本の用水路が合流するところをせき止めていた。狭い道沿いだった。流れはゆるやかで、水門の全開は見たことがない。下の方はわずかに開いているようだが、だいたい水門の前は幅10メートルほどの水たまりになっていた。晩春から秋のはじめにかけ、大人も子どもも集まり釣りをしていた。釣り堀のようだった。僕たち兄弟もそうだった。あまり釣れた記憶はない。

 弟の一学年上

もっとみる

書けないね

はやくも2017年の1月、終わりましたね。暦の上では春ですよ。

ツイッターでは、ぽろぽろ自由律俳句を出していたのですが、ペースは落ちてます。正直、書けません。スランプ(質ではなく量)はないと思っていたんですけどね。やっぱり自分のスタイルは、躁状態じゃなくちゃだめなようです。すごく疲れるんですよ、躁状態って。だから何句か作ったら、当分は作れなくなる。いやになってくる。もうやめようか、と考えたことも

もっとみる

いろいろあるけど…

いや~、十月きましたね。

そりゃ来ますけど、なんかウキウキしていました、これまでは。

べつにすることないんですよ、いま。書きたい文章もあるんですけど、どうも気持ちがのってこない。スポーツや映画や本や、なんだかんだで、テーマはそろっているんですけど。毎日、書けるくらいはね。

でも、なんかやる気になれない。俳句だけは、気持ちに鞭打って続けようとはおもっていますよ。

そうそう昨日、お気に入りの革

もっとみる