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【印刷研究所コラム】 vol.14|数字で見る!納得力のある紙ものデザイン

日頃お付き合いのある紙媒体のデザイナーの方から、下記のようなお悩みをお話しいただくことがあります。

  • 特殊な印刷で表現するデザインに対して効果はあるのか聞かれてしまう

  • 担当者はOKを出してくれたが上長チェックで作り直しが発生してしまう

  • 「良い感じにお願い」というふわっとした希望を形にしなければならない

悲しいことに、デザインの良し悪しを個人の主観で決められることも多く、定性的な判断でデザインが二転三転してしまうことも。

そこで今回は、クライアントにデザインを納得してもらう方法の一つ、
“ 定量的な数字で納得されるデザインを提示する ” コミュニケーションをご紹介します。


共通の評価軸をつくる

デザインを制作するにあたって、クライアントと共通の理解を持つことは非常に重要です。
クライアントの作りたいもの実際に制作されたものが、極力ずれないようにする必要がありますが、実際は同じ言葉でもその人の解釈によって考えていたことにずれが生じるという現象が起きます。

それを解決するのが、“ 定量化された共通の評価軸 ” です。


【定性的な評価】個人の感覚による評価 (基準がない/人によってぶれる)【定量的な評価】数値化できる基準 (基準がみえる/人によってぶれない)


本来デザインとは、クライアントの目的や問題を抽出し、その解決方法を伝えるものです。そのクライアントの目的・課題を数値化することで “ 共通の評価軸 ” のイメージを持つことが出来ます。

【例】目的・課題の数値化

  • このDMで “ レスポンス率 〇〇% ” を達成したい

  • このチラシで “ 来店率 〇〇% ” を目指したい

  • このカタログの “ 保存性を〇〇% ” 高めたい

数値的な共通の評価軸を持つことで、

  • このレイアウト/デザインだと、〇〇%の結果が出ます

  • 今回は寒色系の色味よりも暖色系の方が、来店率が〇〇%上がります

  • この特殊印刷/加工を入れることで、保存性が〇〇%高まります

というように、クライアントの感性だけに捕らわれずロジカルに説得することができます。

また共通の評価軸をクライアントにも把握してもらうことで「前回のチラシよりも “ 来店率を〇〇%上げる ” ためにクーポン部分を目立たせる」など、より明確なイメージでコミュニケーションをとることができます。


デザインデータベースをつくる

これらの評価軸も単発でデザインしていくと、ただの仮説でのデザイン提案となり、説得力を失ってしまいます。そこで重要なのが、【デザイン+数値の情報を蓄積 してデータベース化していくことです。

  • 施策目的

  • ターゲット情報(業種・to C・顧客状況など)

  • クリエイティブ仕様

  • デザインデータ

  • 定量評価(反応率など)

これらの情報をデータとして蓄積しておくことで、過去の実績数字をもとにクライアントの目的に近しいデザインを提示して提案に繋げることができます。

【例】実績により説得力が増した提案
住宅展示場のチラシでこのレイアウト・デザインで〇〇%の反応があったので、御社のトーン&マナーをおさえた上でオリジナルの内容にデザインします。

特に過去の成功事例や実績などは説得材料として有用であり、数値としての効果も加えることで “自分たちもやりたい” と思わせることができます。
デザイナー主体で案件を進めることができるようになるきっかけになるので、デザインデータベースの作成は非常に重要です。


定量評価をするための効果計測方法

ここまで定量評価についてお伝えしましたが、定量評価していくにあたっての一番の問題は紙媒体での計測が容易ではないことです。

GA(Googleアナリティクス)を使って紙媒体からキャンペーンページへ飛んだ人を集計する方法や、クライアントが持つ購買データから反応率を教えてもらうという方法もありますが、情報の集約・集計項目の設定が難しかったり、なかなか情報を教えてもらえない…など、デザイン業務の合間にこれらの作業も並行して行い集計していくのは非常に手間がかかり大変ですよね。

弊社では、忙しいデザイナーの皆様のために、紙媒体の定量的な評価の計測をお手伝いしています。

  • 共通の評価軸を作りたい

  • デザインデータベースを作りたい

などのご要望があれば、ぜひお気軽にご相談ください。


最後に。

今回は印刷研究所ブログのカテゴリーにマーケティングを追加し、その第一弾として【 数字で見る|納得力のある紙ものデザイン 】をお伝えしました。

vol.16では【 比較して納得|紙ものデザインABテスト 】についてお伝えします。


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