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クリエイターのための生存戦略入門編


みなさん、こんにちは。
本記事ではtwitter投稿で人気だった、WEBでクリエイターが活躍するために覚えておきたい重要なポイントについて、まとめています。

目次
・はじめに
①計画を立てる
②先行投資期間を考えてみる
③自分の足場をつくる
④自分のコンテンツを振り返る
⑤読者との関係を大切にする
⑥マネタイズポイントを見極める
・お知らせ


はじめに

WEB上で創作活動や、発信している方はすでに多くいます。自分のメディアを簡単に持てる時代になりました。マスメディアが力を失い、パーソナライゼーション化していく現代において、作家が自己発信力を持つことは重要なことです。

私は出版エージェントとして働いています。基本的には紙の書籍をメインにした出版のプロデュースが職務です。近年の出版不況に伴い、作家にも拡散力が求められている時代。WEBをうまく活用することができれば、作品の実売に紐づきますし、発売前の認知度をあげられます。

よって、多くの人がWEBで宣伝をしよう、バズを獲得しようと簡単に着手していきますが、うまくいかなくてすぐにやめてしまう人も多い。私はそうした事例を見てきました。「ファンを持つ」「コミュニティ形成」「拡散」「バス」という言葉ほど、巷に流布しているがその実態が追い付かない言葉はありません。

それでも、これからの時代においてクリエイターが自分のメディアを持つことは、大きな意味を持ちます。出版につながるから、作品が売れるからといった理由だけではありません。自分のことを知ってくれて、好意的に思ってくれる人とつながることは、自分が創作し続け、発表していくにあたって極めて重要なことです。

しかし、戦略もなく初めても意味がありません。また、フォロワー数だけを追いかけていても、真の意味で自分が活躍する場は持てないのではないでしょうか。

私は自分で実際に約10ヶ月ほどnoteでアカウントを運営し、作品や記事を投稿してきました。また、数多くのクリエイターの方と実際に交流し、どう運営しているかノウハウを伺ってきました。そこから導きだされた、クリエイターの生存戦略入門編をまとめてみます。

①計画を立てる

自分が基軸にするメディアプラットフォームを決めたら、運営計画を立てましょう。決めるのは下記の5点です。

・年間計画(ざっくりでOK)
・頻度
・メディアの意味付け
・コンテンツの内容
・KPI

年間計画
すでに知られている人でない限り、今から始めてもすぐにフォロワーやファンが殺到するわけではありません。徐々に数を増やしていく必要があります。熱心にやってよほど上手くいっても、結果がついてくるまでには半年から1年ぐらいはかかります。長期的な視点に立って運営を考えて見ましょう。したがって、半年単位ぐらいでだいたい○人フォロワーor熱心なファンを作りたいか、目標を立てるのがオススメです。

その数から逆算すれば、一日どれくらいのフォロワーorファンを作ればいいか把握できます。○日で○万フォロワーなど大きな結果を得たいのであれば、一日にかなりの人数を獲得しなくてはいけません。つまり相当コンテンツの提供に注力しないといけないということです。ここで無理な数字を目標にしても自分が潰れるだけなので、どれくらい自分のリソースを割けるかも踏まえて考えてみましょう。

頻度
投稿頻度をあらかじめ目標として決めておきましょう。目安で構いませんが、「余裕のある時に投稿しよう」では、なかなか形に結びつきにくい。いつ投稿してくれるか読めない人には、ファンが付きづらいからです。自分が投稿する習慣を持つ必要もあるため、毎日、週一回、月一回など仮の目安を決めておくと良いと思います。また、目安があることで書く内容が出てくる効果も期待できます。

ちなみに、投稿回数が増えるとフォローしている人があなたのメディアを見る頻度も増え、読者に閲覧習慣がつきやすいメリットがあります。他のブロガーの方も、「コンテンツレベル高×数か月に一回とコンテンツレベル中×毎日であれば、後者の方が閲覧率は高い」とおっしゃっていました。

もし可能であれば頻度を上げるのも戦略のうちです。ただし、その分負担は増しますので、それに耐えうるだけの時間と労力とネタがあるか考えてみる必要があります。計画倒れになってもしょうがないので、「現実」と「理想」はいつもすり合わせておきましょう。

各メディアの意味付け
自分のメディアをどんな目的で運営するのか決めましょう。よくあるのが、「ファンを作りたい」「交流したい」と言いつつ、メディアをただの作品倉庫にしている例です。自分の利用目的に合ったメディア選択とコンテンツ投稿をしていくため、目的と手段をマッチングさせる必要があります。自分のメディアをどういう場にしたくて、その達成のために何を投稿するべきか、整理して始めておきたいところです。

目的が決められれば、どのプラットフォームをメインにするべきか選択しやすくなります。また、プラットフォームはできれば「拡散用」と「基盤」の2つは持っておきたい。基盤のメディアに直接来てくれる人は、すでに自分のことを知ってくれているか偶然検索で辿りついた人がメイン。もっと新しい閲覧者を獲得するために、拡散用メディアも持っておきましょう。

コンテンツの内容
自分が提供できるコンテンツ内容を決めておきましょう。この時、2軸で運用すると認知拡大とファン形成化しやすいと思います。

・浅く広く:多くの人が該当し、拡散しやすいもの。新規層にリーチでき、認知度を上げフォロワーを獲得していくための投稿。ノウハウ・レポートなど
・深く狭く:既存フォロワーの人が、あなたの活動や人柄を知り、よりファンになってくれるような投稿。自分の考え、趣味、理念、日記など

フォロワー(知ってくれている人)の拡大と、ファン化は同時に行っていきたい。単純にフォロワーだけ増やしても、それはファンではありません。かといってマニアだけがわかるコンテンツに注力していても、全体のフォロワー数はなかなか増えていかない。したがって両軸で拡大していくのが理想。コンテンツの内容はバランスを見て投稿していくとベストです。

もし、ニッチなニーズでそこまで広がりそうにない、というクリエイターの方は投稿内容で少しでも間口を広められないか、考えてみてもいいかもしれません。例えば〇〇プラモデルクリエイターは、つい〇〇分野の投稿をしがちですが、もう少しモノづくり全般に役立つような「使いやすいニスまとめ」「綺麗なグラデーション塗布のコツ3つ」などにすると、新規の閲覧者を獲得しやすいです。

▼なお、こちらのnote記事もコンテンツを検討するうえで役立ちます。


KPI
メディアの意味付けとも重複しますが、自分のメディアがどうなったら理想的か目標を決めましょう。出版したいからとにかくフォロワー数が欲しい、という人と熱心な自分のファンが欲しい、という人では今後のコンテンツ内容と頻度が異なってくるはずです。また、目指すKPI数が多くなるほど達成までに時間と労力がかかるはずなので、そこも事前に把握しておきましょう。

自分で決めた目標は、自分が追い求めてたどり着くべきゴールでもあり、自分の行動指針です。本来の目標を見失って目先のデータに踊らされないためにも、「なぜ自分はこれをするのか?」は心のどこかに置いておいた方がいいです。

②先行投資期間を考えてみる

さて、いざ投稿する前にもう一つ考えてほしいことがあります。それは「先行投資期間」です。認知度を上げファンを形成するためには、利益が発生せず、評価が少ないにも関わらず、全力で自分の作品を発表し続ける投資の時期を乗り越えなくてはいけません。この投資期間を乗り越えられないと、結果は出てこないと言えます。

私自身の経験を振り返ってみても、始めた当初はほとんど反応もなく、一生懸命作品を投稿しても労力に見合うリターン(お金や感想、評価など)はありませんでした。

他のクリエイターの方の動向からみても、ここで挫折している人が多いと感じています。挫折している理由は、「先行投資期間を甘く見積もりすぎている」のだと考えられます。投資期間があることを受け入れられず、すぐにリターンを追い求めてしまう。労力が報われて欲しいと思うのは人として当然なのですが、そこに行き付くまでに時間と労力がかかることは、まぎれもない事実です。

一時のバズは過ぎ去れば何も残りません。WEBだからつぶやきひとつで簡単に、というのは幻想です。自分のファンを作りたい、そう思っているのであれば、これはどうしても避けられない。自分の心身を壊すまで投資をし続ける必要はありませんが、最初はリターンが戻ってきづらいことは、理解しておいて損はありません。ここは最初の壁を乗り越えるためにも、重要です。

当初は反応が無くても、定期的にコンテンツ提供をしていくことが、後々大きな意味を持ちます。例えば、うまく行ってバズが起きた時には筆者に注目が集まります。ここで何かストックがあれば、筆者自身に興味を持ってもらいやすい。今まで反応が無かった作品が評価されるチャンスでもあります。つらいところですが、長期的な視点で取り組んでほしいと思っています。

そうはいっても自分以外の他人はうまく行っているのではないか?と思われるのであれば、自分に似たジャンルのクリエイターが初期の頃、どんな反応だったか調べてみてもいいかもしれません。今は大人気のクリエイターでも、当初はそこまで反応がない状態があったはずです。

③自分の足場をつくる

クリエイターにとって最高度に難関で、最も重要なことがあります。それは仲間を作ることです。同じ目標や価値観、ジャンルの人とつながっておくと、そこが自分の足場になります。

孤独な期間にいつも見てもらえて、拡散してくれる人がいることはとても大切です。先に述べた通り、先行投資期間はなかなかつらいものがあります。定期的に記事を評価してもらったり、励ましてくれる人がいると続けやすいのは事実です。仲間が拡散してくれて、次のフォロワーやファン候補を呼んでくれる利点もあります。

自分が投稿していて、まずは「楽しい」という状況を意識して作ることが大切です。「書いていて楽しい」「仲間に見て欲しい」と思えると続けやすい。孤高のクリエイターはそうそうに潰れる傾向がある。これは認めがたいところですが、事実です。ただし無理に社交や営業をする必要はありません。相手の記事も読んでコメントを返す、取り上げてくれたらリツイートする、自分のアカウントで相手を取り上げるなど些細なやり取りからで十分です。

同士や強い絆で結ばれた戦友が見つかれば理想的ですが、そこまで意気込む必要はありません。ゆるいセーフティネットを持つ、そんなレベルで構いません。なんとなくあの人を知っている、適度にネット上で交流があるという程度でもかなり運営の様相が異なります。

つい、自分→フォロワーという目線になりがちですが、自分→友達・仲間→フォロワーという視点も持ってみてください。また、これまで見たこともない新規ファンを作るより、まずは「なんとなく近しい、知っている人」を作る方が現実的です。

また、やや悪どい話ですが、自分で宣伝するよりも「〇〇さんがオススメしていたから」と紹介された方が、信頼性とコンテンツレベルが読者にとって担保できます。

「フォローしてくれたらフォローバックします」というルールで運営することもできますが、それはただの数稼ぎです。自分が快い状況で運営することができるよう、いい関係をWEB上で作っていく必要があります。

もちろん、人との関わりが増えればトラブルが増えるデメリットはあります。それでも、それ以上のメリットもたくさんある。多くのクリエイターの動向を見てきて、あらためてそう思っています。

④自分のコンテンツを振り返る

計画に沿って、地道に良質なコンテンツを投稿していきましょう。以降、PDCAサイクルはすぐに回して行きます。何が受けて何が思ったよりも不評だったのが、貴重なデータが自分のメディアに蓄積していくので、使わない手はありません。

この時、賢い人はすぐにコツを掴んで、どうすれば人に受けるコンテンツになるかわかってきます。人の反応を追い求めていると、ついそちらの方向に舵を切りやすいですが、この時に自分の目標を思い出す必要があります。本当にそちらの方向のみで運営し続けることが、目標達成に有益なのか?それが自分の理想なのか?

バズは一つの麻薬です。人の反応や興味を得られることに注力してしまう。でもそれで自分の道を見失ってはいけません。それは自分の城を築いているように見えて、居場所を失っているようなものです。最初にKPIを決めろと言ったのもここに理由があります。

バズを考えてみる
WEBで運営するに当たって、もっとも気をつけなくてはいけないのは、バズの扱い方です。バズで一気に有名になることを目標にしている人がいますが、それは少し短絡的です。一次的に注目されたとしても、早々に定着しないもの。波が過ぎれば誰も寄ってこなくなります。PV数やフォロワー数だけを追い求める人が多くいますが、読者とのエンゲージメントが低いままでやっていても、あまり意味がありません。

◯日で◯万フォロワー達成!を掲げている人もいますが、本当に自分のファンを作りたいのであれば、やはり自分の労力と時間を使わなくてはいけません。トリックは瞬間において効力を表しますが、時間が経つとメッキが剥がれてくる。

私はファンとは真珠のように作るものだと思っています。少しづつ、層を重ねてゆっくり形成されるものです。何かの力を使って急激に育てようとすると、歪な真珠になる。バズのように飛躍する時はありますが、それ以外は地道な努力が必要です。そうした日頃の積み重ねこそが、バズを追い風にすることができるとも言えるでしょう。

ちなみに、バズが起きて自分のフォロワーが急増したら、それはウォッチングする人が増えた、ということです。むしろ、今までの自分のトンマナが通用しない、範囲外からのフォロワーができるので、これまで許されていたことや何気なくやっていたことにクレームや批判的な意見が出やすい時期です。

しかし、ファン化できるような「深く狭い」コンテンツも提供しておけば、もしかしたら好意的に見てくれる人になってくれるかもしれません。バズは起きてからが肝要です。

さて、話を本筋に戻します。年間計画では半年単位で目標を立てろと先ほど申しました。実体験から言うと、良い内容を投稿していれば大体3ヶ月〜半年程度で、ある程度反応が得られるようになってきます。

少し厳しいことを言いますが、もしある程度の頻度で運営して、それぐらいの期間内で反応が得られなければ、コンテンツを見直す時期だと思います。自分にしか伝わらない内容になっていませんか?読者が面白さを共有できるような作りになっていますか?読者にメリットのある内容になっていますか?

また、企業アカウントによくありがちなことなのですが、自分のメディアで「宣伝」だけしていませんか。なんの関係性もない人の「宣伝」をありがたがるほど、現代人は暇ではありません。個人的には「読者への圧倒的なメリットor関係性+ちょっと宣伝」が絶対的なベースであるべきだと思います。

宣伝はプラスαであって、メインではありません。運営主としてはメインに思っていても、それを前面に出してはいけない。読者との関係性の構築を第一にしてください。関係性の構築とは「合理性の真反対を行くもの」です。目先のキックバックだけを追っていると、長期的な関係性は築けません。

⑤読者との関係を大切にする

うまく運営していると、あなたを定期的に評価してくれる人が出てくるでしょう。
たった数人だとしても、そうした人を大切にしてあげてください。この人がもっと多くのファンを作る足場になってくれる可能性が高いからです。誰かの熱いオススメは、自分で宣伝するよりもはるかに有用。これは「仲間を作る」でも書きましたが、対読者であっても同様です。

出来れば作品をアップするだけではなく、評価してくれる人にも反応してください。「いつも見てくれてありがとう」という反応があるだけでも、関係性はずっと良くなります。読んだ反応が欲しい、は筆者の願望でもありますが、それは読者にとっても同じではないでしょうか。

⑥マネタイズポイントを見極める

さて、ここまで順調に運営できてきたら、そろそろ「先行投資期間」から次のフェーズへ移行する期間です。

例えば、このnoteでは、有料記事の販売や定期購読マガジンなど、自分のコンテンツで直にマネタイズできる仕組みがあります。他にも、クリエイターを直接支援できるサービスが様々な会社から提供されています。


最低でも、「仲間内の評価だけではなく、外部からも反響が得られるようになる」「いつも一定数の評価が得られる」は、マネタイズするまでに必ず通過するポイントでしょう。


お知らせ

その先の運営方法ももっと知りたい。そう思いつつ、上記を端的にまとめた内容をtwitterに投稿していたりしたら、なんとnoteのイベントに呼んでいただけることになりました!

今回はnoteを通じて活躍されている人気クリエイター・ダイハードテイルズさんをお呼びして、これまでの経緯と運営のコツをお聞きします。遠山は新人クリエイター代表として、色々質問をさせていただく予定です。noteで小説を発表し継続課金マガジンを使ってファンコミュニティづくりする秘訣を、たっぷり伺います。

お申し込みは抽選制で、有料イベントになります。

内容(予定):
・「ニンジャスレイヤープラス」はどのようにファンと歩んできたか?
・自分の作品のファンになってもらうためのプロモーション方法とは?
・noteの有料マガジンを始めるタイミングとは?
・作品を発信し続けるためにはどうすればよいのか?

【開催日時】
2019年4月9日(火)19:30〜21:30(会場:19:00)

【会場】
株式会社ピースオブケイク
東京都港区北青山3-1-2 青山セント・シオンビル 4階

詳しくは、上記のnoteイベント情報の記事をご確認ください。応募フォームもそちらにあります。

私もいちクリエイターとして、勉強させていただきます。クリエイターとして活躍したい皆様にとって、有益な場にしたいと思います。

そして最後に

すみません、あともう少しだけ!上記の話はメインではありませんが、クリエイターが書籍出版を利用してどう活躍すべきか?どうすれば商業出版ができるか?ということをお話しする講座を開きます。講師は遠山が務めます。

近年の出版業界の動向や、編集者がどこを見ているのか、企画書をどう書けばいいのか、出版をどう捉えるべきかを書籍プロデュースをしてきた見知から、お伝えする講座です。

実際の書籍企画書を使って、どう改善するべきかアドバイスもします。少人数制ですので、ご参加いただいた方のご質問にも回答できると思います。出版にも興味があるがどうすればいいのか分からない、とお考えの皆様、ぜひお申し込みください。

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実はチキン野郎でもあるので、記事が伸びていないと、地味に沈んでいます。まあ、やりますけどね2019年も。ほんとにしつこいので。

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